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和久井恵美




「あの娘も、いつものようにもてあそんで、自分にいいように利用して使い捨ててポイ?」



和久井恵美は口元は笑いながらも目は笑わずにこちらを見据えて私に言ってくる。



「使い捨ててポイ?あの娘が私を奪いに来たのよ。私の彼女としてはどうなのかしら?嫉妬のひとつでもして、私を取られないようにしないのかしら?」



「あんたに嫉妬?ハッ!笑わせないでよ、優子。あんたに今さら嫉妬なんてするはずないでしょ。今まで貴方がしてきた事に付き合ってきたら!」



「貴方ぐらいよ。私と関係し続けられてるのわ。大したものよ恵美」



「......こっの!!いい加減にしろ!」



私の胸ぐらを掴んで憤る恵美。

怒りで興奮している恵美を見るのは久しぶりだ。

この姿の方が本当の恵美だと感じる。



「......あんたにこんな事しても無駄だって知ってるのに!分かっていても、やっぱり腹が立つわ!」



クソッ!と、私の胸ぐらを突き放す恵美。

それを無機質なガラスの目玉で見届ける私。

感情は何も動かない。恵美ではもう私を動かせない。



「優子。いつまでも私に甘えないでちょうだい。貴方の憎しみを私に与えないでちょうだい」



憎悪の眼差しで私を見ながら吐き捨てて、去っていく恵美。その背中に私は、




「また明日ね恵美」




......!!




怒りで肩を震わせてこちらを一瞥して、一睨みして恵美は、去っていった。


さて、どうしたもんかね。どうにもならないね。どうにもならないから、適当に声をかけてみようかしら。挨拶は基本だものね。



「よ。初めましてー。そこの若人!」




恵美が完全に去るのを確認してから、そこをテクテク歩いていた、可愛らしいランドセルを背負った女子小学生に挨拶した。




「へっ?!」



女子小学生のビクッ!としたリアクションを見て、私は嬉しくなって笑顔を隠せなかった。






続く











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