告白
狩畑愛美ちゃんの手を引いて私は、人気の無い校舎裏にやってきた。
「あ、青島さん。私困る......」
「困ってる狩畑さんも可愛いいけどね。でも、私に伝えたい事あるでしょ?告白とか」
ギョッ!とした顔の愛美ちゃんと目が合う。
私は、その潤んでいく彼女の瞳から目線を外さない。口元を引き絞っている彼女は私に言う。
「青島さんにはつ、付き合ってる人いるでしょう?」
「ええ、私には和久井恵美ていう彼女がいるわ」
諦めた事を隠そうとする、苦笑の様な笑顔を作って愛美ちゃんは下を向く。
「それじゃあ、私には言える事何もないよ......」
「貴女は、さっきの授業で私を見ていたわ。なぜかしら?」
「そ、それは......」
「私はあんなに熱い視線を浴びたのは久しぶりだったから、嬉しかったわよ?」
「そ、そんな事言われても、もう」
「最近、恵美とはあんまり上手くいってないのよね。貴女にもチャンスがあるかも知れないのよ?」
私の言ってる事が、半分ぐらいしか伝わってないぐらい、彼女は挙動不審になり、その場から逃げ出そうとしているが、残念。私は正面から、彼女の両手を繋いでいる。
「女の子は初めて?」
真っ赤な顔をしてコクコクと首肯く愛美ちゃん。でもまだよ、まだ。
「告白するのも初めて?」
首肯く彼女。
「じゃあ、はっきり想いを私に伝えなさい愛美。ちゃんと告白しないと後悔してしまうわよ?」
愛美は、ハッとして顔を上げる。私が目を見つめ続けると、真一文字に結んでいた口をゆっくりと開いた。繋いでいた両の手に力を込める。
「わ、私は貴女の事が。青島優子さんの事が好きです......」
「そう。いつぐらいから?」
「去年の2年生の時の修学旅行の時から...」
「私と恵美のの仲を知っていても?」
「ご、ごめんなさい。決まった相手の人を好きになるなんて!」
「いえ、貴女は勇気があるわ愛美。そんな貴女の事私は嫌いじゃないわ」
「え?それはどういう......」
「一度だけ私からキスしてあげる」
繋いだ両手をたたんで愛美の顔に近づく。
何か言おうとする彼女の唇を奪った。
彼女は、最初は抵抗していたが舌を絡めとっていくと、抵抗するふりを止め流れに身を任せて、身体の力を抜いた。
続く