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女子高生は悪魔or催眠術師?  作者: 名無 無垢
戦闘準備の回ー天使編ー
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天使編03-01

 僕と叔父が家に帰ると、そこには岸辺明、そして天使だけでなく、悪魔と亜熊もそこにはいた。


 どうやら黒フードの殺気がこいつら人外者には敏感に反応を示したようだ。


 バイトの明に限っては天使が飛び起きたから一緒に起きたのだろう。


 その場には星井はいない――それだけは救いだった。


「お前、いつからそんなハーレム主人公タイプになったんだ?じいじは羨ましくて目から汗が止まらないぞ」


「知るか。勝手に付いて来てるだけだよ」


「はは、純粋無垢の悪魔と天使がお友だち、か。お前の人生、まさに天国と地獄だな」


 笑いどころが掴めない叔父の冗談はさておき、とりあえず僕らはバイトがそこにいるのが邪魔でならなかった。


「催眠術!」


「ふぇっ!?……すぅー……」


 僕の目線を見た悪魔が察したのか、バイトを強制的に眠らせ、部屋へと運んだ。


 そして僕らは話さねばならないことが山積みであった。


「叔父さん、聞かせてくれ。堕天使について」


「ざっくり、てか。まあ話すとするか。なら家へ入ろうか」


 僕らは一回の叔父の部屋へと入り、暗い部屋の明かりを点けた。そこにあったのは複数の写真、壁一面に張り巡らされていた。


「まずお前の母、つまりオレの姉の話から遡る」




…………17年前ほど前のこと。


 一人の天使が人間に恋に落ちた。それは天使とて、許されないことだった。


 天使とは、人間の干渉をする存在ーー善やら見守り、悪なら切るーーそれが掟。


 そんな天使が特定の一人に恋をすることは決してあってはならないのだ。


 ましてや、悪魔を好きになることは御法度、いやそれ以上に大罪である。


 しかし天使は会いたくて会いたくて、ついに掟を破ってしまうのです。


 初対面の悪魔はそんな天使のことを嫌いになることが出来ずに、彼もまた恋に落ち、二人は両想いとなってしまう。


 天界と魔界から駆け落ちした二人は、人間に化けながら幸せに暮らしていた。


 だが両者の世界からその事がバレてしまい、両国の神から審判を下された。


 それは処刑だった。二人は共に殺される。


 だが既にその頃、天使には愛を身ごもっていた。


 悪魔は全部の魔力を捧げ、急激な成長と出産を成功させ、その子を人間界へと送った。


 二人の願いから、その子は人の形を保ちながら、親の記憶もなく、運よく人間へと降りたのだった。





「それは、誰だ?」


「……オレの母親だ。だから姉貴もオレも人間じゃないのさ。ましてや姉貴は天使と悪魔の両方の血を引き、オレは半端な天使となって、人々の干渉を変える力を手に入れたくらいだった」


 人々の干渉を変えるーーそれが僕と叔父の持つ、認識を変える力の事だった。


 なるほど、道理でこんな力を持つ訳だった。


『天使とて、そんな力があるとは知りませんでしたよ』


 天使の台詞に叔父はまた後頭部に手を当てる。


「そりゃあ悪魔の血も含めて、なのかな?まあオレも詳しくは知らねぇよ。とにかく、これがタカタカの持つ認識を変える力の話。そんで何故、堕天使なんか生まれてしまったのか……それは分かるだろ?」


「えっ?わからないわよ……」


 悪魔の回答に叔父の顔が困惑する。


 そして僕自身、未だに分かっていないから、困惑した顔になってしまう。


「タカタカお前……」


「な、なんだよ……」


「お前が、天使の血と悪魔の血を引くお前が強姦、つまり天使が悪に働き、悪魔が天使とセックスしたそのペナルティーとして生まれたモノなんだよ……ましてや、ナマでナカ、だもんな?」


「お、おいおい!今その話ここでーー!」 


 振り返るーー僕はあの時、確かにしてヤってしまった。そりゃあ怒りが頂点に達して、元々は好きだった子を脱衣させて、我を失いました。


 元の場面に戻るーー亜熊に殴られていた。


「幻滅ね高橋くん。この事は星井に言うわよ?」


「うぐっ……言いたきゃ言えばいいだろ……僕はあの時正気じゃなかったーーなんて言い訳はするつもりはない」


「ふぅーん、変なプライドは持つのね」


「てかお前が堕天使生んだのかよ!?」


 悪魔のツッコミに僕は目を合わせられずに答えた。


「……まあ、結果そうなるな」


「はぁ……まあ高橋がスケベなのは私を犯した時もそうだったからな。今更の話だな」


「高橋ぃ!なぁにサタンにまで手出してんだゴラァッ!そんだったら星井にも手出してやれや!」


 亜熊に胸ぐらを捕まれ、僕のことをガタガタと前後に揺さぶられた。


「なんでお前が星井のこと言うんだよ!?あと悪魔のは幻覚だから!僕が認識改変で見せただけだから!てか叔父さん、その話こいつらにしたら面倒くさいから止めて!」


「事実無根だろうが。反省しろ反省を」


 僕は二度と、認識をエロに使うことを止めた。



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