表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女子高生は悪魔or催眠術師?  作者: 名無 無垢
戦闘準備の回
30/49

覚醒の時

 見えてしまった未来に抗うことの出来る力はない。


 僕は気がつけば再び天秤の前にいた。


 堕天使がこちらの意見を待つように睨んでいた。


 答えに正解なんて最初から無い。


 昨日からの伏線が今日の些細な事で死となる前線で僕はどうすることも出来なかった。


 僕に出来ることは~ー戦い逃げることだけだ。


「認知を変えろ!この空間などなかったことにしろ!」


 僕は命一杯に全身に力を入れて堕天使に変換を試みた。しかし彼女はそれを嘲笑う。


「私に、認知を変えるだけの能力が効くとでも?一体なんのマネなんですかこれは?」


「簡単だ。僕はどちらも受け入れない。それが答えだ」


 僕は二人が好きだ。


 そんなのは出会った時から分かっていたんだ。


 天の邪鬼だと、誰かは言うだろうな。


 どちらかを選ばなければ世界が終わるというのなら、僕自信が死を受け入れるしかなかった。


「残念ですよ高橋炊樫。あなただけでもと、思った行動だったけれど、お節介みたいね」


「お前は、僕を知っているのか?」


「えぇ、とてもね。あなたが記憶がないだけで、あなたはこの魔界と天界を結ぶ天秤なの。つまりこの天秤こそが、あなた自身」


「だから……見えたのか。未来が」


「未来?この天秤にそんな力はないわ。この天秤は未来を決めるだけの器よ。それともあなた……さっきの数秒間、何を見たの?」


「さあな。幸せではない未来だったかな」


「既にお前に未来はない!私がお前を殺し、その身体を乗っ取ってーー!」


 堕天使が構えようとした瞬間のことだった。


 無数の光の針を刺され、そのまま花火のように身体が塵となった。


「間に合いましたね。堕天使……何故ここに……」


 黒いフードから女性の声が聞こえた。


 彼女は、未来の最後を見届けた観測者。


 さっきまで見えた未来にいたのは確かだった。


「お前は……まあ今はいい。堕天使は何故僕のところに?」


「あなたに力があるからです。人間の認知を変える力を」


「この能力は、人間しか対象じゃないのか?」


「そうです」


「でも……悪魔の時は……」


「悪魔には人間の血が入っています。だから勘違いをした……そうですね?」


「あぁそうだ。貴方は、何を知っているんだ?」


「今あなたに教えられるのは、この堕天使が、間違えた未来に生まれた悪友の一人、ということです」


「間違えた、未来に?」


「それを今から、順を追って説明します」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ