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遊夢編04-01
翌日のことだった。僕は変な胸騒ぎをした。
同居している悪魔もいつになく険しい表情を浮かべていたが、何も語ることはなかった。
「……なぁ」
「少し黙れ。この感じ……もの凄い魔力の波動……」
僕にはその波動とやらを感知することは出来なかった。
悪魔は黙ったまま、部屋の窓を開け大きく翼を広げた。
「お前は今日学校に行くな。やばい予感がする」
「……状況が分からないんだが」
「いいから、言う通りにしてくれ!」
僕には何がなんだか分からないが、悪魔は慌てて外へと飛んでいった。
この胸騒ぎはきっと亜熊のことを考えたからなのか。
それとも休みの日に星井と遊んで思い出した思い出で、僕は父さんのことを気に止めているのか。
僕は人間、悪魔じゃないんだ。
だから僕は自分の目で確かめたかった。
もしどちらかの気持ちが正しいのであれば、悪魔が警戒していた学校には何も起こっていないはずだから。




