目隠しプレイ?いいえ、真っ暗闇プレイなの
でも、「生徒会書記」の薫くんの性格だと、追うどころか去って行ってしまうかしら。こういうのっていわゆる「肉食系男子」に対してのテクニックなような気がしてきた。薫くんはどちらかというと「草食系」……いや、まさに「悟り系男子」って感じ。大好きな大君とも肉体関係をもたなかったんだもんね。そのぶんマニアックな趣味がありそうだけれど。
気付くと、私の衣の襟を持っていた手がワナワナと震えていた。
「こんのクソ女!黙っていれば調子に乗りやがってぇ!これだけ焦らしといて実事なしにしようとはいい度胸してるじゃねぇか!天下の貴公子・匂宮が、ド田舎のクソ女の邸に夜這いしてなんにもなしで帰れるワケねぇだろ!いいから!ヤらせろ!メチャクチャにしてやる!」
わあああああああ!怒られたああああああ!超力強い怖い犯される!
「ぎゃあ!ごめんなさいごめんなさい!痛い!ちょっ……待っ……!」
……ん?におうのみや?
「……えっ?」
「あっ……!」
男は動きを止める。そして、バツが悪そうに言った。
「いかにも、俺が匂宮だ。よろしく。」
「……よろしくお願いします。」
私は暗闇の中、礼をする。私だけでなく、お互いに向き合って礼をしている。多分。
「よし、では続きを。」
「あ、ハイ……。って、させるかぁ!」
私は、おもむろに衣を剥ごうとする匂宮の手首を捻りあげた。
「痛ててててててててて!なんだお前?!まさか見えてるのか?!なんでそんな的確に攻撃できるんだよ!」
「なんで匂宮様がここにいるのよ?!」
「うるせぇな!てめぇにムカついたからメチャクチャにしてやろうと思ってわざわざクソ田舎まで来てやったんだろうが!」
「メチャクチャにされたい」なんて頼んでもないのに、妙に恩誼せがましい物言い。これが宮様クオリティなのだろうか。
「チッ……お前だって俺が薫だと勘違いして抱かれようとしてたくせに……!」
「いや、だって、まさか薫様以外の人が来ると思わないじゃん。」
「薫に気に入られようとして、妙なオベッカまで使いやがって……!」
「さっきから貴方が一体なにに対して怒っているのかさっぱりわからないんだけど……。」
「ウルセェ!」
なにやら匂宮は拗ねている。子どもみたいな人だなぁ。
「匂いのことを言っているんだったら、本当にそう思ったから褒めたんだよ。いつもの薫様の香りとは違うなぁって思ったんだけど、とってもいい匂いだったから。お香変えたのかなぁって思って。」
「……お前知らないのか?」




