女の浮気を見抜く方法を知るにはまず、自分も浮気をするのに限る
浮舟巻です。
宮、なほ、かのほのかなりし夕べを思し忘るる世なし。「 ことことしきほどにはあるまじげなりしを、人柄のまめやかにをかしうもありしかな」と、いとあだなる御心は、「口惜しくてやみにしこと」と、ねたう思さるるままに……………
・・・・・
匂宮は、昂る想いをどこへぶつければいいものか思案していた。
「あの女……ッ!二条院のどこを探してもいやしない!どこへ行きやがった……!」
トントントントン。指を弾く。
「この俺様を、二度となく三度となく焦らしやがって!腹が立つ……クソ女め!どうにかして見つけ出してメチャクチャにしてやる……!」
中の君め。あいつ、すーぐ俺様にヤキモチを焼きやがる。どうせ今回もお決まりのヤキモチ焼きであの女をどっかへやってしまったのに違いない。
と、不意に横を見遣ると、中の君がなにやらコソコソしているではないか。チラと見えたのはーー
「…………? あの手紙はなんだ………?」
……宇治から?ということは、薫からの手紙か?なんだこいつ、俺に隠れてコソコソと薫と文通してるのか?俺に対してはヤキモチ焼いて女を隠すくせに、自分は薫とイチャイチャしてんのか?許せんな。どれ、手紙を奪ってやろう。
きゃいきゃい騒ぎ立てる中の君を適当にあしらい、手紙を読む。
『……宮様とのあの恐ろしい日のことを思い出すたび、宇治へ来て良かったと感じます……』
手紙の文面。
そして、手紙に焚き染められたこのかおり。
間違いない、あの女からのものだ。
あの女が宇治に、ねぇ。
「ふーん、なるほど。そういうことか……。」




