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義姉の旦那と薄暗がりで〜これも前世からの因縁〜

ガッターーーーーンッ!

「宮様ああああああああ!」


けたたましい音と共に、部屋の扉は開かれた。

「お母様が……中宮様のご容態が、悪化しました!」


モミモミモミモミモミモミモミモミ。


「…………。」

匂宮様は、黙ったまま私の胸をモミモミしつつ、使者を見つめた。


モミモミモミモミ。


「……え。」


モミ。


「ええええええええええ!おっ母様があ?!」

「痛い痛い痛い!!!!」

胸!引きちぎれる!手を離せ!


スパパパパパッと、風のような速さで身なりを直す匂宮様。

「悪い!女よ!また会おう!また会えるさ……そう、これが前世からの運命ならな!あばよっ!」

なんだかよくわからない捨て台詞を吐きながら、匂宮様は去っていった。


汗まみれの下着、着崩れた着物、乱れた長い髪。

私は蒸し暑い部屋の中で、火照る身体を持て余す。


あの人が、「綺麗なヤリチン」匂宮。

お姉様……中の君の、旦那様。



・・・・・



中の君と浮舟は、絵巻物を眺めながら世間話に興じていた。

浮舟が今日の昼にあったことを話すことも、中の君のほうから触れることも、どちらもないままにのんびりと時間が流れてゆく。


中の君は、うすぼんやりとした灯りの中で仄かに見える浮舟の様子をちらりちらりと品定めする。


やはり似ている。お姉様に、そっくりだ。

身のこなしや言葉遣いはまだまだ荒っぽいけれどーーそれも教養を身につけていくうちに直っていくでしょう。


そうなれば、「薫の大将の妻」として引けを取らない女に成長する可能性もある。


ーー妹……浮舟が私を見上げる顔つきに、ハッとさせられるのは今回だけのことではない。

匂宮様も、もしかしたらこの子のことを……。ーー


「……お姉様?」


浮舟に声をかけられて、ハッとする。

こっそり垣間見ていたつもりだったのに、いつの間にか浮舟の横顔ばかり見ていたらしい。


「……ごめんなさい、なんでもないわ。」


中の君は、絵巻をくるくると片付ける。


「おいで、浮舟。いっしょに寝ましょう。お父様の話をしてあげるわ。」


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