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EMMA  作者: 妻川清太
3/7

同刻

アルゴが水を汲みに行っていたとき。


子ども達の何人かはすでに目を覚ましていた。

普段は起きたらアルゴがすぐ近くにいるのだが、今日は違った。


アルゴがいない。


「アルゴ兄ちゃん……?」

子ども達は寝ぼけ眼でアルゴを探し始めた。

「アルゴ兄ちゃーん!」


「…………」


どんなに大きな声で呼んでも返事がない。

「ううん……」

子ども達の声でルーテは目を覚ました。


「何……? 一体どうしたの……」

「アルゴ兄ちゃんがいないんだ!」

「アルゴが……?」


ルーテはがばっと起き上がり、子ども達と一緒に探し始めた。

施設の隅々まで探した。机の下や洋服を入れる棚の中、トイレも探した。


しかし、アルゴはいなかった。

「どこに行ったんだろう……」


すると、いつも迷子になる男の子が言った。

「もしかしたらさ、クロンさんのところじゃない?」

「あー!」

ルーテと子ども達はクロンの部屋へ走った。

                   


クロンがベッドで手袋を編んでいると、廊下からドタドタといくつもの足音が聞こえ、ドアが開いた。

ルーテと子ども達が部屋になだれ込んでくる。

「クロンさん!」


「なあに? そんなに慌ててどうしたの」

ルーテと子ども達は何かを探すように、部屋を見回した。

そして、ため息をつく。

「ここにもいない……」

「誰か迷子にでもなったの?」

クロンは聞いた。


「アルゴがいないんです。クロンさん何か知りませんか?」

ルーテが困った様子で言った。


「まあ、アルゴが……?」


クロンがそう言った瞬間、森がある方角から爆音と閃光が。


部屋が光で包まれ、その後に烈風が遅れてやってきた。

紅い光だった。


「アルゴ……?」


クロンの胸に、懐古の想いが広がった。

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