Chapter 3: Dangerous Night Out (危険な夜遊び)※編集中
感想クレー
「…さて、行くか」
私は黒いスーツを身に纏い、外へ出た。
◆
50年前、地球は謎の光に包まれた。
星の爆発や彗星の訪れ、地球に存在した未知なる物質によって放たれた放射線という科学的な仮説もあれば神の怒りや施しによる光等の宗教的な仮説が立てられた事もあった。
一部によれば宇宙人が地球を実験台にしているという説もあったが結局どれも証明されていない。
能力というのは主に体から炎や電気の様なエネルギーを出すような物があれば筋肉や頭脳などの肉体が発達するのもある。
能力者に覚醒する時期は定かではなく、生まれたての赤子から覚醒しているのもいれば老人になった時から能力者になった者もいる。
要するに普通の人からは有り得ない特殊な力が備わるのである。
◆
-Abandoned Factory (廃工場)-
ここは僕の秘密基地として使っている場所である。
小学生の頃はよくケビンとウェンディと一緒に遊んでいた。
「…」
僕は的となる缶や瓶を置き、遠くから狙いを定める様に右腕をかざす。
そして集中する…この時、僕の右腕に何かエネルギーが湧いてくる。
集中を続けるとそのエネルギーが段々右手に向かっていく。
そして掌から…
「はっ!」
…白いビームが発射される!
ビームは缶に辺り、弾かれていった。
「…それ!」
そして僕は次々と光線を発射していく。
光線は全ての的に的中した。
「よし、全部当たった!」
僕の能力…それは『光線を放つ能力』である。
13歳を迎えたばかりの頃だった。
洗面所で歯磨きをしていた僕は突然自分の体に違和感を感じ始め、何かが溜まってきた感じがした。
何だろうかと思いながら腕に集中してみたら腕から光線が出たのだ。
これは何かの間違いかと思ったが壁に光線の跡が出来ていたので間違いではなかった。
これが初めて能力を使った時だった。
幸いあの時は僕しか家にいなかったので誰にも気付かれる事はなかった。
能力者に目覚めた事に確信した僕は憧れていたマスクドヒーローになれるかと思っていた。
あの時以来、僕は時間がある時は秘密基地で練習する様になった。
とりあえずわかったのは自分の体から白い光線のエネルギーを作り出し、それを放出する事が出来る様になったという事だ。
下手をすると人を殺してしまうかもしれないし初めての時の様に誤射してしまうかもしれない。
練習しないと危険な事故を起こしてしまうのかもしれないと考えながらこの能力を制御できる様になろうと特訓した。
練習の成果で僕は光線の出力を調整できる様になり、初めての時の様に誤射する事はなくなった。
◇
月曜日の夜、母さんと弟が寝ている隙に僕はこっそり家を出た。
「先ずは何処から行こうか…」
夜道を歩き始める。
僕が決意した事…それはあの時に初めて出会った黒の人にもう一度会う事だ。
だから先ずはこの街を探ってみようと思う。
僕はあの人にもう一度会ってみたい。
そしてあの人に会って…
「!」
この時、僕は見てしまった…
◇
グランゲイズ…ここは犯罪が絶えない街だ。
何時からだろうか…かつては超能力者の覚醒により超犯罪都市と化した黄金時代を終えたと思えばまた犯罪が起こる様になった…
表では時々警察が能力者の犯罪をどうにか防止しているが、裏までにはいかない。
光が明るいほど暗闇が潜むものだ。
「おい、動くな!」
「ひい!やめてくれ!」
「お、お願い…お金なら渡すから!」
噂をすればだ。
公衆便所の上にたどり着くとバス停で座っていたカップルが悪漢に銃を向けられている。
「ちっ、足りねえな…おい女、そのネックレスや指輪をこっちに投げろよ」
「わ、わかったから…」
財布の中身を見ていた悪漢は更に要求した。
銃を向けながら落ちているジュエリーに近づいていく。
今なら無防備であろう。
「…」
「いてっ!!」
私は高所から跳んで着地したと同時に棒で銃を叩き落とす!
「な、なんだお前は…」
「ふっ!」
「ぐはっ!?」
所詮は小悪党、銃がなければただの素人の様だ。
私は直ぐに相手を掴み、地面にたたきつけた。
「うげぇ…」
私はのびた相手を運び、バス停の柱に縛り付けた。
「あ、ありがとうございます…」
「あなたは一体…」
カップルは助けてくれたことに礼を言ってくれた。
「…」
光が私達を照らし始めた。
バスが来たのであろう。
「ねえ、バスよ。早く帰りましょう」
「あ、ああ。通報もしておかないとな。さっきはありがとうござ…あれ?」
「さっきの人がもういなくなった…」
必要以上に居座る必要はない。
私はカップルがバスに気を取られた隙に姿を消した。
他の場所へパトロールとするか…
◇
-12:00 a.m.-
「見つからないな…ここも確認したから次はこっちかな…」
報道された情報が正しければ捕まった犯人は殆どはこの地区で起こった事件だ。
あの人が事件を解決している人と同一人物かどうかは根拠はないけど、もしそうでいればあの人の基本的な活動範囲はこの地区のはずだ。
地図に印をつけながら僕は街を歩き回る。
もしかすると彼は偶々この地区にいないのかもしれない。
土曜日の時も出会ったから違う地区に時々行くのかもしれない。
とりあえず今夜はここを探索し終わったら帰ろうかな。
流石に遅すぎると抜け出してたのがバレてしまうかもしれない。
「…あ」
僕は見てしまった。
チンピラが歩いているのを。
見た目がいかにもチンピラっぽく、彼はリュックを背負っていた。
こんな時間にリュックを背負ってどこへ行くんだ?
疑問に思いながら僕は彼の後をつけ始めた。
幸い彼は僕の存在に気づいてなかった様だ。
そう考えながら後を追うと彼は路地裏に入っていく。
「ほら、これが約束の金だ」
「…ちゃんと貰ったな」
「よっしゃ、これでパーティだぜ!次もまた頼むぜ?」
路地裏から隠れて覗くと見るからにして2人の怪しい男が薬物を差し出してチンピラがリュックから金を出して渡す。
そして金の確認をしている。
まさかこれが薬物の取引!?
授業で麻薬の危険性は学んだけどまさか始めて取引現場を目にするとは思わなかった!
「見てしまった…」
これはどうすればいいんだ?
能力者とはいえ流石に踏み込めるのか?
能力であの人達をやっつけられるか?
無謀な事は出来ない…見なかった事にすべきか?
もし失敗したらどうなるかわからない。
マイティレッドやあの人はここにはいない。
でも放っておくべきなのか?
「あ!そうだ…」
僕はスマートフォンを取り出した。
無闇に出る必要はない!
写真でも撮って警察に渡せばいいんだ!
「えっと、音を切って…」
僕は取引の場面を数枚撮った。
これでよし、気付かれないうちにさっさと逃げよう。
でも車とか見つけたらナンバープレートも撮った方がいいかな。
あ、手が震えてたのかカメラ反転ボタンを押してしまった。
「!!」
スマートフォンは自撮りの時、カメラを反転するとそれを見えるのだがその場面は僕の後ろに人が立ってる!?
「っ…!」
取引の奴らに仲間がいたのか?
僕は咄嗟に自らの身を守ろうと動く!
後ろの男は何かを振り下ろしてきたがなんとか腕で受け止められた!
「ああっ!」
右腕が痛い!物凄く痛くジンジン響く!
金属バットだった。初めて金属バットで叩かれた…
昔腕を骨折した時に味わった痛みほどではないけどそれでも痛い…
でももしスマホを誤って押してなければ気づく事はなかっただろう。
本当に危なかった…
「はあ、はあ…うぐっ…」
「ガキがこんな時間で何してるんだ?」
「ゴクッ…」
「まあいい、見られたからにはなあ…写真もとりやがって…」
そう言って相手はバットを上げ始める。
叩かれた拍子に倒れて上手く動けない…
相手はバットを振り下ろそうとしている。
一度も試した事ないけど…
「っ…」
僕は左手を突き出し、左の掌から光が湧き上がる…
相手は僕が何をするかわからないが叩こうとしてくる。
ここがチャンスだ。初めて人に向けて使うことになるけど…
僕は…掌から光線を発射した!
「ぐあぁ!?」
光線は相手の腹に直撃し、吹き飛ばした。
そして後ろの障害物に当たり、転げ落ちた。
「はあ…はあ…」
僕はなんとか立ち上がった。
僕の光線を放つ能力…これを初めて人に使ったが相手はのびてしまったみたいだ。
放った光線はあくまで物質を押すぐらいの威力で撃ったつもりだったけど成功して良かった。
これぐらいの威力なら人を殺めずに済むんだ…
「何だ今の音は!警察か?」
しまった、チンピラと怪しい男2人が僕の方に来た!
音と光のせいなら仕方ない!
「おい、ジャレッドじゃねえか!のびてやがる…」
「おいガキ!お前がやったのか!」
「!!」
まずい、どうすればいい。
2人の怪しい男は懐から拳銃を取り出した。
「何やったかは知らんが見られたら仕方ねえな…」
まずい、拳銃を手にしている。
拳銃自体は父さんが持ってるから見た事はあるけどまるで映画の様な状況になってしまうとは思わなかった。
流石に光線を打つ暇はない。
僕はゴクリと降伏を示す様に両手を上げた。
「…」
相手はそれでも撃つ気はあるみたいだ。
そりゃあ僕が能力者だと思われてるかもしれない。
だが撃つ気があるのは相手だけではない…
相手が油断している隙に僕は上げた両手から光線を放つ!
その光線は相手に直撃し、突き飛ばした!
「よし…」
沢山練習した甲斐があった。
今のような体勢なら光線を上手く撃つぐらいのことは出来るようになっていた。
実際にやるのは初めてであったが…
「ひぃ…」
チンピラは逃げ出そうと動いた。
あいつは大した武器はない様だ。
「はあっ!」
「ぐへっ!」
とりあえず逃げようとしたチンピラに光線を当てた。
「…」
チンピラは転んで気絶した。
「はあ…はあ…やった…」
やった…僕が倒したんだ…ちょっと焦ったけど…取引犯を倒したんだ…
銃を持ってる相手に立ち向かったけど勝てたんだ…
「はは…」
僕もマイティレッドみたいに…
パン!
「………っ!」
急に肩に痛みが…何か凄い激痛が…
「…あああっ!!」
つい肩を押さえ膝をついてしまった。
よく見ると倒れていた男の1人が拳銃を握っていた。
油断した…まだ倒れていなかった…
「くっ…」
まずい、まだ構えている!
反撃しようにも痛みで構えられない!
どう見てもこれは……僕が撃たれてしまう場面だ。
「はあ…はあ…」
そういえば母さんが言ってたな……「夜遊びは危ないから絶対にしちゃダメ」と。
「…ごめんなさい」
これが僕の遺言になるのか。
銃声が鳴った。
◇
「ほら、これが約束の金だ」
「…ちゃんと貰ったな」
「よっしゃ、これでパーティだぜ!次もまた頼むぜ?」
パトロール中に空を飛んでいたら見つけた薬の取引。
ここで捕まえるのはいいだろう。
でもこいつらを追えば薬のルーツが見つかるかもしれない、それが出来れば一網打尽ね。
移動する時に『彼』に連絡して一網打尽にしましょう。
「…と思っていたけど」
路地裏から急に明るい光が出た。
「…何なの?」
私が見たのは…子供だった。
中学生ぐらいかな?そして彼は手から光線を放っていた。
能力者みたいね。
まさかこんな時間に子供が夜遊びするとは思わなかったわね。
しかも取引に出くわすなんて。
「へえ、やるじゃない」
能力者とはいえ子供が銃を持った大人相手を倒せるなんて中々できないわよ。
ルーツを追う計画が潰れたけどこいつらを捕まえておくだけでもいいか。
それにちょっと彼とお話ししてみようかしら。
「!」
「…あああっ!!」
「まずいわね…」
私は勢いよく飛び降りた。
◇
「……ごめんなさい」
これが遺言に…
「があっ!」
「……?」
目の前で起こった事…何かが相手に落ちてきていた。
「危なかったわね…大丈夫かしら?」
落ちてきたのは…緑のミディアムでマスクを被った大人の女性だった…
彼女が相手を押さえつけている様だ…
「……天使?」
「あら?私の事を天使って呼べるぐらい魅力的だったの?煽てるのは上手ね。でも天国に行くにはまだ早いじゃないかしら?」
僕は助かったのか…?
助けてくれたのはマイティレッドでも前に合った黒の人でもなく…女の人だった。
「肩をやられたのね。大丈夫よ、手当てしてあげるわ。ちょっと待ってて…」
「……」
僕は目の前が真っ暗になった……
To Be Continued...




