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7.CC団のラブリー魔石講座そのいち「属性って、なぁに?」

  ※ キュアキュア団、参上!


キュアストーンブラック(以下、ブラック)「不埒な行いは絶対に許せない!」


キュアストーンゴールド(以下、ゴールド)『乙女の純情を踏み躙る愚かなボウヤは絶対に許さなァい!』


ブラック「わたしたちは美少女仕置き人!」


ブラック「キュアストーンブラック!」


ゴールド『キュアストーン、ゴールド!』


キュアストーンホワイト(以下、ホワイト)「……えっと、あの……キュアストーン、ほわいとです……」


ブラック「甲斐性なしには愛の鞭を!」


ゴールド『ずぎゃんっと改心、させたげるかンね!』


 ビシ!


ゴールド『……ふ……』


ブラック「今日もばっちり華麗に決まったわね……」


トラン 「ぐー…… すかー……」


リチウム「くぴ~……むにゃむにゃ…………」


ホワイト「あのー……、お二人とも、お昼寝街道驀進中、みたいですけど……」


ブラック「……ムキャ。人が折角決めポーズ決めたのに……っ セリフとポーズ決めるだけで一体何時間打ち合わせしたと思ってるの……っ

 ~キュアブラックぅぅうー……怒りのロケットパーぁンチ、二連発!」


トラン 「ふぬ!?」


リチウム「ぐご!!?」


トラン 「? あ、あれ……何……カメラ? 照明? ……いつのまにか……何か始まっちゃってる……?」


ゴールド『……よーやくお目覚めのよーね』


トラン 「あ、あぁ?! キミ達は確か……キュアキュア団!」


リチウム「いっててて……トラン~……、いきなり何……しやがる……ぅ、

 …………ぐー……」


ホワイト「そうです。キュアキュア団っ 今し方参上しましたー」


トラン 「か、かわいい……って……あれ? ホワイトって確か……金髪ツインテールじゃなかったっけ? ていうか……キミ達確か二人組じゃあなかったっけ?」


ゴールド『都合により、今日は三人組。可憐で綺麗で麗しい金髪ツインテールは今日はゴールドちゃんで登場ヨ。ってか。細かい事は気にしないの』


トラン 「あっれ……キミは半透明? ……ん、なんだかクレープみたいだな……」


ゴールド『そ、そんなことないわヨー。可憐で綺麗で麗しいクレープちゃんは、つい今し方出て行ったワヨ、ヲホホホホー!』


ブラック「……あんたね」


トラン 「そうなんだ。って事は他のみんなも一緒なのかな。しかし、グレープちゃんまで黙って出て行くなんて……一体どこへ行ったんだろう」


ホワイト「しっかり納得されてます」


ブラック「…………ここまで気づかれないっつうのも…………逆におちょくられてる気がして不快だわ……」


トラン 「で? キュアキュア団。キミ達、今日は一体何の用なんだい? 人ん家のリビングにまで押しかけてきて……って。まさかまたこのあいだみたいにオシオキだっていうの……!?」


リチウム「ぐー……ぐごー……」


ブラック「違うわよ。今日は、常日頃から不甲斐無さ爆発なあんたたちの為に、忙しい身でありながらもこうしてわざわざ出張講師として参上してあげたの」


トラン 「しゅっちょーこうしぃ?!」


リチウム「……ぐぅ……むにゃむにゃ……」


ゴールド『そうヨ。……って、トランちゃん、怯えるって事は! 何かヤマシー事でもあるっていうの……!?』


トラン 「わー!! 無い! 無い! ちっとも無い! 暴力反対ー!!」


ホワイト「クレー……じゃなかった。ゴールドさん、トランさんが怯えてます」


ブラック「そーよ。ただでさえ時間押してるのに、話が進まないじゃない。

 てな訳で、さくさく行くわよ! 『美少女戦士CC団のラブリー魔石講座!』」


トラン 「らぶりー魔石講座ぁ?!」


リチウム「…………んご……? な、なんだ?」


ホワイト「そのいち~」


ゴールド『「属性って、なぁに?」』



  ※ 『魔石』ってどんなもの?



ブラック「あたしたちの居る世界フロースには、空間は違えど大きく分けて三種類の種族が生きているの」


ホワイト「人間、天使……それに魔族ですね」


ブラック「その内、魔力を持っているのは、天使と、魔族だけ。

 彼らは、死ぬと肉体が消失してしまう。

 けど消失寸前、彼らの魔力だけは、何故か結晶化して世界に残るの。

 この結晶化した魔力の事を『魔石』、もしくは『天石』と言う。しいて言うなら『魔石』や『天石』ってのは、持ち主を失くした野良魔力ってところね。

 ……で。

 その中でも極めて危険度が高い石の事を『禁術封石』と呼んで他の石たちと区別している。『禁術封石』に指定されている石は、本来人間は持ってはいけない事になってるわね」


ホワイト「でも、魔力を持たない人間わたしたちには、魔力を扱う適性だけは備わっていますー」


ブラック「その適性の事を『属性』と言って。わたしたち人間は多種ある魔力いしの中でも、己と属性を同じとする魔力いしだけを扱う事ができる、と。こういう訳なんだけど……。

 ……って。あんたたち、聞いてる?」


トラン 「『聞いてる?』って言われても……」


リチウム「さっぱり訳がわからんな。そもそも、どうしておまえらが俺様の家に……」


ブラック「ストップ。それはさっき聞いたから、別の質問にして。読者さんたちが飽きちゃうじゃない」


ゴールド『……は~……メンド……』


ブラック「…………それでなくてもこっちのバカ幽霊(ゴールド)は既に飽きてすっかり昼寝体勢だし」


ホワイト「ご、ゴールドさん……」


リチウム「ンじゃ、な~んで俺様達が、貴様等のご高説を大人しく聞かにゃならんのだ」


ブラック「そういう設定だからよ。文句があるなら作者をふン捕まえなさい」


リチウム「どーも腑に落ちんよなぁ……」


トラン 「無理やり乗せられて急発進、な感じが否めないんだよなぁ……」


ホワイト「とにかく、今日の主旨は、これを機にみなさんに魔力の属性の種類を把握してもらおうと、これこういう訳なんです」


リチウム&トラン&ゴールド『はぁ……』


ブラック「そこ! 声を揃えて溜息混じりに返事しない!

 って、ゴールドまで一緒になって……何やってんのよあんたは」


ゴールド『何って……一応顔出しとかないと、ギャラ貰い辛くなっちゃうデショ。

 ほらアタシ、どこぞの影薄主人公なんかと違って神経細やかで繊細な造りしてンから。さすがに寝てばっかりってのはチョット……』


ブラック「……人が仕事してる間、偉そうに傍聴席で踏ん反りがえってたかと思えばギャラ貰う気満々だったとは……」


ゴールド『出演料よ出演料! アタシは高いの!』


トラン 「このノリ。……このコ達やっぱり」


リチウム「どっかで見た事あるような……」


ホワイト「そ、そんなことないですよ……っ ね、ねぇ、ブラックさん!」


ブラック「そ、そうよっ ホワイトの言う通りよ! という訳で!」


リチウム「どういう訳なんだ?」


ブラック「属性は全部で六つ! とっとと覚えちゃいましょー」



  ※ 教えて、ブラック先生!



ブラック「まず、本編でよく耳にするのが、みんなのアイドル天使、天才リタルちゃんの属性である『空間操作』ね」


ブラックを除く全員『アイドル天使ぃ?』


ブラック「アイドル天使よ! なんか文句ある!?」


トラン 「うあ! な、ないない! ないです!」


リチウム「無いからそのロケットパンチ銃を今すぐ引っ込めろ!」


ゴールド『「空間操作」って、その名の通り、空間を操作する魔力の事デショ?』


ブラック「そうよ。『転位』や『魔眼』の他にも……『ロック』とか。

 このあいだの……長編2で、鷹の魔族が使ってた『空間接続』や、『魔力の流れを止める石』なんかもこの属性ね。

 要するに、空間そのものに手を加えたり干渉したり、解析なんかが出来ちゃう魔力ものがこの部類」


トラン 「確か……石の色でも判るんだっけ? 魔力属性って」


ブラック「ええ。トランにしちゃ物覚えいいわね」


トラン 「前にリタルって女の子から……って、キミも彼女の事を知ってる風だけど……聞いた事があるんだよ。えっと……空間接続の属性の石は確か……」


ホワイト「緑色系です~」


ブラック「証拠に、アイドル天使天才リタルちゃんの持っているスンバらしい魔石は黄緑色と、エメラルド。どちらも緑色で覚えやすいでしょう?」


トラン 「そうそう、緑だった。あ~……確かに身近に居る人で考えると覚えやすいかも。

 えっと。他の属性の石も、色が決まってんだよな?」


ブラック「勿論。例えば、あんたが持ってる『炎帝』だって……」


トラン 「ぎょ!? キミ、どうして俺が『炎帝』持ってるって知ってるんだ!?」


ブラック「……あ」


ゴールド『決まってるデショ、トランちゃん。あのガキはね……』


ブラック「しゃらーっぷゴールド!!

 えっと……企業秘密よ企業秘密! てか。あんたはさっきからいちいち細かい事言ってないの、男でしょ!」


トラン 「いや、けどさぁ……出してもいないのに…………なぁ?」


リチウム「一目で看破するとは……侮れん奴等だ……」


ホワイト「あは、あはははは……」


ブラック「とにかく! 『炎帝』を初め、四大元素を操る事を可能とする属性を『精霊エレメンタル』っていうの。

 四大元素っていうのは……勿論、知ってるわよね?」


リチウム&トラン『わかりませーん』


ブラック「……あんたらは。

 つか。どーして一端のストーンハンターであるリチウムが知らないの!」


リチウム「どーしてって言われたってなぁ? 俺様基本自分の事しか興味ねぇもん」


ホワイト「あの……わたしもわからないんですけど……」


ブラック「ホワイト……おまえもか……」


ゴールド『苦労すンわね~ アイドル天使、天才ブラックちゃん?』


ブラック「っさいわね!

 ったく…………まぁ、いいわ……。あんたらにいちいち説明すんの、もう慣れちゃってるし……」


ゴールド『どことなーく所帯染みちゃってンわねー。まだ若いのに。苦労性のオンナって老けるの早いって聞くわよ~?』


ブラック「~誰のせいだと……っ」



  ※ 精霊占いで占ってみよう!



ブラック「四大元素っていうのは、

 火、大地、大気、水。

 この四つの事。

 四大元素には、それぞれの力の象徴として四大幻獣なる精霊ものもいると考えられていて……」


トラン 「ああ。なんか聞いた事あるぞ。よく占いとかに出てくるヤツだよな……確か」


ブラック「そう、それよそれ! ……なんだ、ちゃんと知ってんじゃないの」


リチウム「占いだぁ?」


ゴールド『それはアタシ、初耳だわ』


トラン 「んー俺も詳しくは知らないんだけど……」


ホワイト「えっとですね……。トランさんの言う占いっていうのは、正式名を『精霊占い』といいまして、よく雑誌裏や新聞紙に載っている、占いの知識が無い人でも簡単に求められるように簡略化された、この世界で最もポピュラーな占いの事です。

 誕生日やら出身地やらを用いて計算式に当てはめて……、

 『火の幻獣フェニックス』

 『地の幻獣ベヘモト』

 『風の幻獣ジズ』

 『水の幻獣リヴァイアサン』

 ……という四つのタイプに分けて、性格や相性、運気などを占うものです」


ブラック「うんうん……ちゃんと解ってるじゃない。それに幻獣名まで……。あんたにしちゃ上出来よ、ホワイト」


ホワイト「えへへ。新聞紙これに載ってたんです」


ブラック「あ、そう……やけに流暢に語ったと思ったら……読み上げてただけなのね…………がっくり」


ゴールド『へェ。そんなのあるんだ……おもしろそーじゃない。ドレドレ……?』


リチウム「誕生日か……はて。俺様……何月生まれだっけか……」


トラン 「女の子って……好きだよな……こういうの」


ゴールド『トランちゃんは……多分フェニックスタイプね。性格がそのままだから』


トラン 「フェニックス……火の幻獣か。……あ、『炎帝』が使えるのも実はそのせいだったりして……」


ブラック「一概にそうとは言い切れない部分もあるらしいけどね。基本『精霊エレメンタル属性』と精霊占いの結果は等しい事が多いみたいよ」


トラン 「そうなんだ。……それで? ゴールド。俺の性格って?」


ゴールド『えっと……「情熱熱血世にも解り易い単細胞生物。考えるよりも先に手を伸ばす」』


トラン 「がくっ な、なんだよそれは……本当にそれ、俺そのもの?」


ブラック「恐ろしい程あってるじゃない」


ゴールド『リチウムは……「ジス」だと思う。多分』


リチウム「ほう? して、その根拠は?」


ゴールド『勿論、性格がそのままだからよ。「気まぐれマイペース見渡せば大顰蹙の嵐」。ンで、トランちゃんと思われる「フェニックス」タイプと相性悪いんだって』


リチウム「…………俺様気まぐれかぁ……」


ブラック「なにガッカリしてんのよ。まんまでしょーが」


トラン 「うんうん。やっぱ俺達って相性悪かったんだな、納得」


ブラック「てか。ゴールドもその『ジズ』タイプなんじゃないの?」


ゴールド『そんなバカな! アタシがトランちゃんと相性悪いハズが無いデショ!?』


ホワイト「まぁまぁ。ただの占いですし」


トラン 「……やっぱ似てるよなぁ……」


ホワイト「ちなみに、ブラックさんは『リヴァイアサン』タイプで、わたしは『ベヘモス』タイプ(疑)だそうです」


トラン 「なになに……? 『リヴァイアサン』タイプは……寂しがりで群れを成し情に流れてゆく。喜怒哀楽爆弾。

 で、『ベヒモス』タイプは……大らか温厚ボケ担当。八方美人で大食漢多し……だって」


リチウム「てか。なんだその(疑)ってのは」


ホワイト「えとその……えへへ」


ブラック「まぁ、その……ただの占いだし」



  ※ 長編の敵を振り返ってみよう!



ブラック「はいはいちゅーもく! 放っておけばすっかり脱線しちゃってるんだから」


ゴールド『アンタもしっかり食いついてたじゃないの』


ブラック「で、『精霊エレメンタル属性』なんだけど。石の色は操る四大元素で違ってるの。

 火の魔力を操る石は赤。

 大地は茶色。

 大気は水色。

 水は、青ね」


トラン 「そういえば。長編2で倒した犬頭達の魔石もそれぞれそんな色してたっけか……」


ゴールド『補足。治癒の類の魔力も「精霊エレメンタル属性」に多いみたいよ』


ブラック「次。黄色系の石は『傀儡属性』と言って。人間、犬、猫……のような、生体に直接干渉、操ったり出来る魔力がこの属性なの。

 身近で言えば、ファーレンの持ってる魔力がまんまこれね。他にも『魅了』とか」


リチウム「ファーレンの魔力といえば……名前がそのまま『傀儡』だった気がするが」


トラン 「はいはい、質問ー」


ブラック「なによトラン」


トラン 「やっぱり長編2の話なんだけど。あの話に登場した、狼の魔族の魔力属性も『傀儡属性』になる?」


ブラック「ああ……『分心』ね。アレは違うわ」


リチウム「違うのか?」


ホワイト「でも……人を操ってましたよね? 現にリタルさん、リチウムさんを撃ち殺そうとしていましたし……」


トラン 「そ、そうなの!? ホワイトちゃん」


ホワイト「はい。現場を、この目でしかと」


リチウム「そうなんだよな。俺様あの時リタルの銃にかかって……生きてる今が未だ不思議」


ブラック「む。なんか人聞きが悪いわね……。そこらへんの詳細は長編2を読んでもらうとして。

 操る……っていうより『分心』は、精神を乗っ取るって感じだけど。『分心』っていうのは恐らく、『状態変化属性』よ」


リチウム&トラン&ホワイト「状態変化?」


ブラック「そう。『状態変化』っていうのは、物質なんかの状態や形状を変化させる魔力の属性の事。

 で。『分心』の話に戻るけど。

 あれは、分割した術者の精神の一欠けらを相手の頭の中に寄生させて精神を乗っ取るって術なの。己の精神の形状(?)を変化させて行う行為。だから『傀儡属性』じゃなくて『状態変化属性』になると思う」


リチウム「成る程」


トラン 「…………難しいっつか、ややこしいな」


ブラック「『状態変化属性』には他にも、単純な所で『巨大化』やら『縮小』やら『コピー』やらがそうね。ちなみに色は橙系」


リチウム「『巨大化』ねぇ……いつぞやの事件を思い出すぜ……」


ホワイト「あは、あはははは……」


トラン 「どしたの? ホワイトちゃん。汗かいてるよ?」


ブラック「ンで、次に。『具現化属性』」


トラン 「具現化……ああ。それならなんとなく解る気がする」


リチウム「長編1で出てきた『花禁術』がそうだな」


ゴールド『確か、あの話で蜘蛛爺が出してた……『魔力の流れを吸い取る糸』なんてのもそうね……』


ブラック「『具現化属性』だけは、唯一色が定まっていないのよね……いろんな色が混ざり合ってたりだとか」


トラン 「……ん……。こうして思い返してみれば長編って、その都度別属性の敵が出てきてないか?」


ブラック「……言われてみれば。

 長編1が、『具現化属性』の大蜘蛛。

 長編2が、『状態変化属性』の狼人。

 ンで、長編3が……『傀儡属性』……か」


リチウム「それってなんか意味があんのか?」


ゴールド『作者の事だから。「たまたま」って答えが返ってきそーじゃない?』


トラン 「……だな」


ホワイト「この流れで行くと、長編4の敵さんはぁ……長編1~3で出てきた敵さんの属性以外の属性って事になったり……」


ゴールド『作者の事だから、以下同文』


リチウム「…………だよなぁ……」


ブラック「で、最後の属性だけど……。『精霊エレメンタル属性』同様、これもまだ長編では一度も敵として登場してくれてないわね……。『無効化属性』ってやつなんだけど」


リチウム&トラン&ホワイト『「無効化属性」?』


ブラック「そう。他の魔力干渉を一切受け付けませんって魔力よ。対魔力は術者の魔力量に比例するそうだから、持ち主の魔力量が多ければ多い程、最強むてき化する事になるわね。

 色は透明や白がかった半透明。『無効化属性』の石には結構有名どころが多いわよ。

 例えば……短編集で出てきた『クリア』もそうだし、『バリア』『シールド』もそう」


リチウム「『バリア』なんかはもうおなじみだな。当然、このマンションにも設置してある」


トラン 「しかし、無敵、か……。相手が魔力放出量の極めて少ない人間ならともかく、この属性の魔族や天使が敵として現れたら……苦戦強いられそうだな……」


ゴールド『「無効化属性」の奴になら、トランちゃんは本編中に一度、鉢合わせしそーになった事あるわよ?』


ゴールドを覗く全員『マジで!?』


リチウム「トラン! おまえ……なんでニアミス……!? なんでられてないんだ!?」


トラン 「って、縁起でも無い事ぬかすな!」


ゴールド『リチウムの始末は後でつけるとして……。

 尤も……ソイツが今後、アタシタチの敵として現れるかどうかは……定かじゃないケド』



  ※ まとめ!



トラン 「属性はこれで全部?」


ブラック「ええ。

 『精霊エレメンタル

 『傀儡』

 『無効化』

 『状態変化』

 『空間操作』

 『具現化』……この六つ。

 さらに。この六属性の内、五属性はそれぞれ三つの巨石に直結した力って言われてるわ」


リチウム「三つの巨石って言うと……アレだな。人界、天界、魔界の三空間にそれぞれ在ると言われる世界フロース創造主カミサマってヤツ」


ブラック「そ。『傀儡』は天界の巨石。

 『無効化』と『状態変化』は、人界の巨石。

 『空間操作』と『具現化』は魔界の巨石……ってな具合。

 残りの属性『精霊エレメンタル』は、巨石には属さない魔力みたい」


ゴールド『へぇ。そこまで解ってンの……』


ブラック「このくらい、ストーンハンターにとっては常識中の常識って程度なんだけどね。

 ……例外も、一人居るみたいだけど。……はぁ」



 ※ ……おや?



リチウム「…………なぁ。聞いていいか?」


ブラック「なによ」


リチウム「こうして並べてみるとさぁー。なんか、なぁ……」


ゴールド『だからナニ。歯切れ悪いわね』


リチウム「んー。

 俺様の……『死球』はさ? 一体どの属性になるのかなっつう疑問が自然、湧いてくるんだが」


ホワイト「……リチウムさんの死球の色って……黒、ですよね……」


トラン 「言われてみれば……無いな。黒色の属性なんて」


リチウム「だろ? 俺様はこれまで、持ち前のスンバらしい推理力でもって『空間操作』じゃないかとみていたんだが……こうも色系統が細かく定まってンのを目にしてっと、なぁ……」


トラン 「色でいくと……特に定まっていない『具現化属性』なんだろうけど……。……なんかピンとこないよな」


ブラック「あたしも前々から疑問ではあったんだけど……。ま。世の中何事も例外はあるし。他にも、おんなじような色してんのに別属性の石ってのも無い訳じゃないしね。四大元素の『大気』から発生した『雷』の石だって、傀儡でもないのに黄色系だし」


トラン 「なんか……意外と細かい事気にしないのな。リタルもそうだけど……そういうトコなんか……リチウムの奴とすごい似てる……」


リチウム&ブラック『そう(か)?』


トラン 「……は!

 ……ひょっとしてここまで俺達に付きまとうブラックの正体って……!」


ブラック「な、なによ……!」


ゴールド『トランちゃん? ようやく気づいたの?』


トラン 「ああ! その背格好! その性格……上から目線の偉そうな物言い!」


ブラック「ぎくぎく!」


ホワイト「さすがですトランさん。伊達に刑事じゃないです」


トラン 「んっふっふ。

 ……ブラック! キミの正体は…………リチウムの『妹』だ!」


ゴールド&ホワイト『がく!』


リチウム「はぁ? 何言ってんだ阿呆刑事。俺様は一人っ子だぜ? ンな訳が……」


ブラック「~そぉおんな訳ないでしょぉおが!!

 一体どこ見て何馬鹿さらしてんのよあんた! 本物の馬鹿!? ねぇそうなの!? 目ぇまで馬鹿ってンのあんたぁ!」


トラン 「な、何急にキレて……って、うわ……、や、やめ……~うっぎゃあああぁあああ!!」


ゴールド『トランちゃん!! ダイジョブ!?』


ホワイト「うわぁ……あちこちに即席巨大青タンです~」


リチウム「……って、…………だな……。なぁに過剰に反応してんすか……? ……ブラックさん……?」


ブラック「~っさいわねリチウム! あんたみたいな男と兄妹なんかにされてたまるもんですかっつってんの!」


リチウム「…………ここまで女の子に嫌われたの初めてかも俺様……」


ブラック「ンな事でいちいちしょげないの!!」


ホワイト「って、兄妹……? ……なんだ、そうだったんですかぁ」


ブラック「ホワイト! あんたも何ホッとしてんのよ! 大体反応遅すぎるわよ!」


ゴールド『アタシのトランちゃんに手をあげるだなんて、いきなり何ブチきれてんだか……。

 …………ひょっとして。照れてンの? アンタ』


ブラック「ち、違うわよ。あたしはただリチウムなんかと兄妹にされると……っ」


ホワイト『へ~ェ? 兄妹にされると? なにか、ヒッジョーに困る理由でもあるっつうの?』


ブラック「べ、別にそんなんじゃ……!」


ゴールド『そんなってドンナ』


ブラック「~ぐ……っ」


リチウム「何。遠慮してたのか? なんだ。俺様は別に構わんぞ? リタルのようなかわいげの欠片もない屁理屈幼児なんかより、そっちのブラックの方が断然妹属性ではないか」


ホワイト「イモウトゾクセイ?」


ブラック「~あぁんたねぇえええ!!」


リチウム「…………って。なんだ? なにやら、急に猛烈な殺気が……」


ブラック「かわいげの欠片も無い屁理屈幼児で悪かったわねぇええええええ!!!!」


リチウム「うっぎゃああああああああああああ!」



  ※ しめっ



ホワイト「…………リチウムさんにもトランさんとおそろいの青タンができてます……あ、でも、リチウムさんの青タンの方がトランさんの三倍は立派ですね~」


ゴールド『ホント。完全に白目ムイてる……って、ダメよグレープ、そんな突いちゃ。移るデショ』


ブラック「~ふん! 天罰よ、テンバツ! アイドル天使、天才リタルちゃんの心をギッタンギッタンに踏み躙ってくれた報いよ!」


ゴールド『てか、ブラックー。幾らアタシタチ「美少女仕置き人」って肩書きしてても、そんな人相変わる程鼻息荒くしてる場合じゃないっショ』


ブラック「誰の鼻息が荒いって!? 大体誰のせいだと思ってるの!」


ゴールド『……だから。いーの? さっきの「『死球』は例外」って発言。曲がりなりにも「魔石講座」なんてタイトルしてンのにそんなアバウトでさ?。……アンタ。そのうち作者みたく「い~加減」が代名詞になっちゃうわヨ?』


ブラック「……う。それはとことん嫌過ぎだけど……ん~……、

 ンじゃあ……『死球』は無を操る魔石だから……、

 『無属性』ってことで!」


ゴールド『それこそイーカゲン~』


ブラック「も~、なんでもいいわよ! とにかくあたし、もう完っ璧にヤル気殺げたから。今夜の仕事まで寝倒してやるんだから! ~んじゃあね二人とも! 後よろしく!」


ゴールド『アララ。ブラックちゃん、小さな背中が異様にサビしゲ。

 ……全くあーんな解りやすい性格してんのに。なんで気づかないかなァ。リチウムも罪な男よねェ……』


ホワイト「?」


ゴールド『アンタは気にしなくてもいーの。おとなしくリチウムの青タンでもつっついてなさい』


ホワイト「え~。いいんですかぁ?」


ゴールド『そんなコトでいちいち嬉しそうな顔してんじゃないの。

 それじゃ。なんっか強引な幕引きだけど。これにて「CC団のラブリー魔石講座そのいち」は終了よ。

 一体どこいらへんがどう「ラブリー」だったのかって下らない質問は悪いけど却下。

 ブラックのゴキゲンが直ったら「そのに」で会いまショ、ボーヤ』


ホワイト「ゴールドさん。青タンって……よく見たら、なんだかとってもかわいらしいですよね~……」


ゴールド『…………。

 ……アタシ。アンタの好みが一番理解不能だわ……』



  続……?


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