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一二三(ひふみ)の壺のはなし  作者: ぽすしち


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2/5

どこでもれたか


「 日ごとに納めにゆくンか? 」




「 おさめに・・・ああ、そうだ。いっておりました。お殿様がはなしをききたいと申されるので、おそれおおくもお城へあがり、おつきの方へうちの梅のはなしをしましたら、褒美だといって、梅干しの代金とはべつにいただき、ありがたく頂戴しました 」




「 『梅のはなし』ってのは、なんじゃ 」

 



「 ああ、うちの梅干しは、天女がくれた梅の木になる実を梅干しにしておりますので、うちの者はみな代々病にもかからず長生きしております。 このはなしははじめうちの者しかしりえませんでしたが、はなしが広まってしまい、村のみながうちの梅干しをほしがるようになり、こまったじいさまは、もとの木をすこし分けて梅の木をふやしました 」



「 売りなさったンか 」



「 じいさまが村の者とはなしをつけて・・・、ふつうの梅の木も植え、ふつうの梅の実の梅干しもつくるようにして、そちらは売り物に。天女の梅の梅干しは、村の者だけでわけあうことにして、このはなしを村のそとにひろめてはならぬと約束させたはずが・・・どこでそとにもれたのか・・・ 」




「 ひとのくちに戸はたてられねえ 」



 年寄りの女がいうことはもっともだった。


「 たしかにそうでございますなあ・・・。まさかお殿様のおみみにはいり、さらに、あんなものの耳にまでとどくなど、おもってもおりませなんだ 」




「 お殿様のほかにもだれかおったか 」




「 ・・・ええ、その者が・・・殿様の梅干しを・・・ いや、 うちの梅をねらって、やってきたのでございます・・・・ 」








 ―――――――








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