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第一話 生活魔法

誤字脱字や文法がおかしな所がございましたら、教えてくださると幸いです。

目が覚めると、僕はメイド服を着た見知らぬ女性に抱き上げられていた。

周りを見渡してみると僕は何故か豪華な部屋にいて、メイドさん?とお母さん?のような人に囲まれていた。


「■■■■■■、■■■■■■■」


何かを言っているが、さっぱり理解できない。

英語でもないし、日本語でもない聞いた事の無い言語だ。

轢かれて、ヨーロッパ風の豪華な部屋に連れてこられて、メイドさん達に囲まれている。

なにこの状況?

意味が分からなくなり、何故か無性に泣きたくなったので、泣いた。


「■■■■、■■■■■■■■■■■」




◆◇◆◇


しばらくして、状況を理解した。

僕はどうやら転生して中世ぐらいのヨーロッパ風の家に生まれたようだ。

この家はメイドさんを何人も雇えるぐらいには裕福な家のようなのだが、夫婦仲はあまりよろしくないようだ。

お父さんであろう人は僕を一度だけ見に来ただけで帰ってしまった。

結婚したて(想像)で仲が悪いとは。

ちなみにお父さんは銀髪のまだ若いおじさんだった。

そして、僕は悲しい事に気がついてしまった。

今の僕はとても無力な赤ん坊だという事に。

今、とてもトイレに行きたいのだがこの体、泣くことしかできないのだ!

なんと無力!

赤ちゃんだからしょうがないけど、無力過ぎる。

赤ちゃんの仕事は泣く事だと若干、なげやりになりながら、僕は泣いた。

直ぐに、メイドさんが来て布のようなおむつを変えてくれた。

だがしかし、その時に気づいてしまった。

僕は女の子だったのだ!


「おぎゃーーー!」


ショックで泣いた。




◆◇◆◇


しばらくして夜になり、落ち着いた。

僕、いや今の体だと私か?まあ、心は男だから僕にしよう。

何事も心のありようが大切なのだと昔、友達が言っていた。

夜になり僕は気づいたのだ。

ここは異世界だとと言う事に!

なぜなら月が6個もあるからだ!

まあ、転生した時点で薄々勘づいていたし、「転生」が「異世界転生」になっただけなのだが。

その日は現代日本ではなかなかお目にかかれないような満天の星と六つの月を満足するまで眺めて、寝た。




◆◇◆◇


そんなこんなで僕が生まれてから数日が経ったある雨の日。

その日は僕がこの世界に生まれて初めての雨が降っていた。

部屋が暗くなるとメイドさんが来て、おしゃれで高価そうなアンティークようなランタンに謎の石を入れた。

すると、ランタンに刻まれた魔法陣のような物が輝きだした!

これはもしかして魔法なのではないだろうか!?

魔法、それは前世において科学的には存在しないとされ、興味があるとやれ「漫画の読み過ぎ」だの「中二病」だの言われて馬鹿にされてきた(最近はその風潮も弱くなってきたが)ファンタジーの象徴とも言える概念。

そんな魔法が目の前で、当たり前のように使われている!

僕も成長したら魔法が使えるようになるだろうか。

魔法が使えたら、やはり派手な魔法を使いたいな。

でも空とかも飛んでみたいな。

そんな事を考えながらその日は過ごした。




◆◇◆◇


それからというもの、僕は豪華な庭園を眺めたり、空を眺めたり、メイドさんが使う魔法を使えないかと試したり(使えなかった)、歩く練習をしたりして過ごし、約半年が過ぎた。

この頃になると僕は四つん這いをマスターし、離乳食を食べれるようになった。

更にメイドさんが読み聞かせてくれる絵本のおかげで言葉が少しだけ分かるようになった。

読んでくれた絵本の内容は勇者っぽい人(言葉が完全に分からないため絵から推測している)が仲間と共に、いかにも悪役そうな魔王を倒し、仲間と結婚して、王様になりこの国を作りました、めでたしめでたしと言う物だった。

おそらく、この国の建国伝説なのだろう。

建国に関する話だから美化が入っているだろうななどと考えながら聞いていた。

この手の話は大抵、捏造と誇張が多分に含まれているのだ。

まあ、そんな無粋な話はさておき、冒険譚の途中に仲間の魔法使いが魔物の軍勢を蹴散らす場面があったのだ!

やはり魔法は憧れる。

早く魔法を使えるようになりたいものである。

メイドさんたちも、派手な魔法とか使ってくれないかな。

その日はそんな事を考えながら過ごした。




◆◇◆◇


三歳になり、僕は屋敷の中を歩きまわるようになった。(二歳の時もヨタヨタ歩きはしていたが)

メイドさんたちは困っているようだが、好奇心には勝てない。

廊下を歩いたり、庭に行ったり、玄関に行ったりした。

僕が過ごしている時間は自分の部屋が一番長いが、僕の一番のお気に入りの場所は図書室だった。

この屋敷の図書室はとても大きく、まるで図書館のようであった。

そんな図書室に行くといつも、ソフィアと言う司書さんが絵本を読み聞かせてくれた。

ソフィアさんは僕が魔法に強い興味があると気がついているようで、魔法使いの物語をよく読み聞かせてくれた。

この人のおかげで、僕は言葉が分かるようになり、文字もある程度読めるようになった。


「ソフィアさん、今日も絵本読んで!」


「あらあら、ティファニーお嬢様は今日もお元気ですね」


言うのを忘れていたが、僕はティファニーと言う名前らしい。未だにこの名前を呼ばれると違和感が凄まじいが、最初よりは慣れた。

ソフィアさんは魔法を使って、離れた所にある本を取り、読み聞かせてくれた。


「昔々、あるところに偉大な魔法使いがいました。その魔法使いは……」


今更だが、異世界でも物語の始めは変わらないようだ。




◆◇◆◇


それからしばしの時が流れ、僕は文字を書きたくなった。

ソフィアさんに「文字の書き方を教えて!」と言ったところ、快諾してくれた。

僕は前世で英語が苦手だったが、この体は赤ちゃんだからなのだろう、物覚えが良く、それほど苦労せず文字を覚えれた。

ソフィアさんはやる気の塊のような僕に次々と色々なことを教えてくれた。

算術、国語、歴史、地理、この王国の事、魔物の事、冒険者の事、そして魔法について。

「魔法は危ないですから」と言って、詳しい事は教えてくれなかったが、それでも生活魔法という魔法の基礎は教えてくれる事になった。

僕達は外の庭に行き、生活魔法の練習をした。

生活魔法を使うにはまず、体内の魔力を感じ取ることから始めるらしい。

これはすぐにできた。

前々からメイドさん達の魔法を真似ようとしていたおかげかもしれない。

すぐに感じ取れる事が出来たら、ソフィアさんに「筋がいいですね」と言われた。

次に、イメージをする。

例えば、水を出したかったら、水をイメージする。

ちなみに詠唱は高位の魔法には必要らしいが、生活魔法には必要ないらしい。


「なかなか、水が出ないよ」


「まあ、最初は誰しもがそんなものですよ」


「にしても、なんで何も無いところから、出てくるの?」


「こうお考えください。お店に行くと、お金を払えば

物が手に入ります。それと同じです。魔力を払えば、奇跡を起せるのです」


なるほど、魔力は対価。

そう考えて想像した。

そうすると、何もないところから水が出た!

メイドさん達の出している水球と比べてたら小さいが、それでも確かに水が出た!


「ソフィアさん、出来たよ!」


「おめでとうございます、お嬢様」


「私、いつか絵本みたいな魔法使いになりたい!」


「毎日、魔法を練習すれば、きっとなれますよ」


「わかった!毎日、練習する!」


「ご立派ですが、魔力の使い過ぎにはお気をつけください。お嬢様は魔力量は多いようですが、それでも使い続ければ、なくなりますので」


「魔力がなくなるとどうなるの?」


「倦怠感、眩暈、吐き気がして、さらに使えば気絶し、それでも使えば、死にます」


怖!代償が大きい!


「まあ、普通は気絶するので、それ以上は魔力を消費できませんが」


「驚かせないでよ」


「ちなみに幼少期に魔力を使うと魔力量の伸びがいいとさてれいますよ」


なら、これからは、気絶するまで魔力を消費しよう!

こうして、立派な魔法使いを目指して、ひたすらに魔力を消費するようになった。

友達「確か下書きは転生前、女だったよね。なんでTS要素を入れたの?」


筆者「ひらめき」



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