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閑話 一方その頃 その一

ティファニーが四歳の時の話です。

死んだ前世の話ですね。

尚、主人公の前世での名前が判明する話なので、閑話なのかは微妙。

これはティファニーが無属性は不遇だと嘆いていた頃の話である。




◆◇◆◇


「行ってきます」


「いってらっしゃい」


俺は家を出て、駅に向かって歩きだした。

十分ほど歩いて駅に着き、改札を通り、地下鉄に乗る。

途中の駅で乗り換えをして、再び電車に乗る。

とある駅で降り、友達と話しながら歩く。

そして学校に着き、自分の組に入り、朝礼が始まるまで友達と話す。

ありふれた平凡で普通の高校生活。




机が一つない事を除けば。

俺のクラスは四月のまだ入学したばかりの頃に一人のクラスメイトが亡くなった。

俺の親友だった田中文也だ。

トラックに轢かれたらしい。

葬式には俺も参列した。

死んでから一ヶ月ぐらいは白菊が生けられた花瓶が置かれていたが、三ヶ月もすると机も撤去された。

薄情だと思った。

だが同時に仕方のない事だとも思った。

花の世話と誰も使わない机はみんなの負担になる。

しかも、それがまだあまり話した事のない人の弔いの為なのだ。

この程度になるのも当然と言えば当然だ。

俺はそんな風にも思った。


「なあ、文也のやつ、今ごろどうしてると思う?」


俺はなんとなく友達にそう聞いた。


「また、その話か。まあ、天国で幸せに暮らしているだろうよ。てかさ、お前はそいつの親友だったんだろ?どんなやつだったんだ?」


俺は懐かしみながら、こう答えた。


「面白くて、いいやつだったよ。運動神経は信じられないほど壊滅的だったが、その分頭がよかった。成績はいつも全教科平均以上だった」


「そうなのか」


「結構、可愛いやつでな、中学校時代は隠れアイドル的存在だった。『僕』という一人称が似合いそうでな、勝手にみんなあいつの一人称は『僕』だと思いこんでいた。『俺』が一人称だと知った時は衝撃を受けていたよ」


「そうなんだ」


「はあ、なんで死んだんだろう?」


「飲酒運転してた運転手のせいだろ」


「はあ」


「おいおい、いい加減に元気だせよ。親友がいなくなって辛いのは分かるけどよ、切り替えるのも大事だと思うぜ」


「まだ、三ヶ月なんだ。もう少し感慨にふけさせてくれ」


「お前、もしかしてあいつの事、好きだったのか」


「ああ、好きだった」


「愛していたと?」


「そっちの意味の『好き』かよ!俺があいつの事を愛していただと!?確かに俺はあいつの親友で確かにあいつのことが好きだった。だが、愛していたか!?いや、親友とは愛し合う仲の事ではなかったか!?そもそも、愛の定義はなんだ?コリント信徒への手紙の十三章の事か!?」


「駄目だこりゃ。完全に迷走し始めた」


その日、俺はあいつへの気持ちは愛だったのか一日中、考えた。




◆◇◆◇


一方、その頃の屋敷にて。


「頑張って精霊語習得するぞ」


勉学に励んでいるティファニーであった。

シリアス(?)な雰囲気をカオス(?)に変えてしまった。

こんな予定では無かったのだけど、おかしい。

にしても、愛とはなんでしょうね?

私は友情も愛の一つの形だと思います。

皆さんはどう思いますか?


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