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猫を飼い始めたら人生変わった話  作者: 丹空 舞


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6/26

村人A、猫に翻弄される

俺と綿毛……


いや、もう「ワタゲ」という名前になってしまったな……

ワタゲとの生活は順調にいっていた。


ワタゲはふわふわのちょっと大きめのネコちゃんで、すこぶる愛らしい。


後半が重要だ。

とにかく可愛い。


今まで近所付き合いなんかしたことなかったけど、ワタゲが来てからは隣人の婆ちゃんや村の人たちとも少し挨拶や世間話をするようになった。


猫は不思議だ。


飼っているうちに庇護欲がわいてきて、俺が世話してやらなきゃっていう責任感がメラメラとわいてくる。


引きこもりでもコミュ障でも関係ないと思っていた自分の壁は、やすやすと破壊された。



そして、なんとワタゲは魔法も使えてしまうスーパーネコちゃんだ。

ということは理解していたが。



その日、俺はたまたまワタゲを畑に連れていっていた。

そのとき、ちょうどスライムが出現した。

レベル2くらいの激弱モンスターだけど、敵は敵だ(主に農作物的な意味で)。


とりあえず殴打。


俺が鍬を手にたたかい始めたとき、スッと横からワタゲが入って来た。


危ないぞ!

ワタゲをその辺にどかせようとして、俺は鍬を置いた。


そして、その瞬間。


俺とスライムのどんぐりの背比べ的なバトルが始まる前に、全ては終わった。






ボウッ……!


ブワァッ

パチパチパチパチ




「え、」




俺の小松菜畑が、焼け野原になった。


スライムは勿論、跡形もない。


真っ黒な焦土と化している。



「え、ワタゲさん……?」



ファイアーボールくらいなら俺も全力頑張ればなんとかなるけど、これは……。



「メルトフレイム?」




本棚にあったおとぎ話の本に出ていた魔法によく似ている。


火というか炎だし、全体への魔法……というか範囲が広すぎる。


さようなら、俺の小松菜。


村はずれの目立たない場所でよかった。

近くに家とかあったらおおごとだった。


いや、すごい。

すごいけど、それより俺はこいつの飼い主として言ってやらなきゃいけないことがある。



「ワタゲ!」




これはいくら何でもやり過ぎだ。




「……にゃう?」



くっ……! なんだその「ほめていいんだよ? お役に立ったでしょ? すごいでしょ?」と言わんばかりのポーズは!



今日は!だめだ!


心を鬼にして、毅然と叱る!




「ワタゲ、スライム倒そうと思ったのか?」


「がう!」


「俺のために?」


「がうっ!」


「……偉かったねぇぇぇえ!!」





だめだ!


俺の猫が可愛い!





まあ、小松菜は全滅だったけど、人参は無事だし、いいよな!


根菜バンザイ!



焼畑農耕だと思えば、これはこれで、ありだよな。





猫は思い通りにはなんねぇって村の婆ちゃんも言ってたしな。


うん。





そんなこんなで、俺はワタゲとスローライフを楽しんでいた。


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