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猫を飼い始めたら人生変わった話  作者: 丹空 舞


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村人A、発見をする



一つ発見があった。


俺が食事を作っているときのことだ。

火をおこすとき、火の粉がはねて、うっかり左手の甲をやけどした。


「あっち!!」



まあ、よくあることだ。




「もー」



誰にいうでもなく文句を言いながら、水を出して手を冷やした。


すると、近くでコロコロしていたワタゲがすくっと立ち上がった。

お、飼い主を心配してくれているのか……。



かわいい。よく気がつく。さすがうちの猫だ。



ひっくりかえしてなでるときに睾丸が見当たらないので、おそらくワタゲは雌だと俺は推測していた。



こんなにかわいいうちの子、お嫁になんか出さないからね……!



出会って数日で激重飼い主になってしまったかもしれないが、仕方ない。

すりすりして甘えてくるワタゲ。


「大丈夫だよ~、ちょっとやけどしただけだ」


ワタゲはとろりとした蜂蜜を溶かしたような黄色みがかった瞳を俺に真っ直ぐ向けてきた。

えっ、宝石かな?

大丈夫かな、うちの子、盗賊団とかに狙われない?

世界の秘宝じゃない?


俺は水を出しっぱなしにしながら、親ばか全開でニヤニヤしていた。


すると、そんなワタゲの宝石のような瞳が一瞬きらめき、緑色に変わった。

そして、その瞬間、俺の左手は凍っていた。




「え?」




ワタゲがじっと俺を見上げる。

瞳は黄色に戻っていた。



「もしかして、これ、おまえがやったの?」


「がぅ」



ワタゲは首を傾げてこちらを見てくる。

え? ほめられるの待ち? かわいいな。



じゃなくて!



「え、魔法使えるの、ワタゲ……」



俺も目覚めたときに既に体が覚えていた、ヒールとかキュアとか基礎的な魔法は使える。

けど、氷属性の攻撃魔法なんか使えない。


猫って魔法使えるのか?




……使えるんだろうな。


実際俺の左手が凍ってるわけだし。




ワタゲは「これで大丈夫」と言わんばかりに、満足そうにすりすりしてきたので、右手でよしよしとなでる。


火に自分の腕を近づけて炙りながら、俺はうちの子天才!とワタゲをなで続けた。


猫ってすごいんだな。


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― 新着の感想 ―
表面に氷が乗っても痛いのに凄いな…只者の村人ではない…。
[一言] いや手が凍ってるんですけど大丈夫ですかあなたww
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