プロローグ 『転生』
「此処は何処だ」
俺は、真っ暗な空間に居た
確かさっき死んだ筈なんだが、死んだような気がしない
意識もハッキリしている
寒さや暑さは感じない
「ほぅ………これは珍しい」
呟く様に声を挙げる美しい金色の髪の女性が、自分より高い位置から見下ろす形で眺めている
「はじめまして、貴方は誰ですか……?」
と若干恐怖を感じながら話し掛けてみる
「ふむ………恐怖を感じるか、まぁ、それも仕方ない。私は君の認識でいうところの神と呼ばれる存在だ。無論、質問には答えるが、多少面倒なので先に話す」
と神が言うと、大体の内容を話してくれた
「君は死んで、今は魂の状態だ。本来ならば万人と同じ、同じ世界で再転生をする為、この場には来ない。ここは、神が実験をする箱庭だ。魂がここに迷い込むのは、ほぼ無い。珍しい現象である」
なんか。当たりを引いた気分になってきた
「俺はこれからどうなるのだろうか?」
神は、目を細め口に手を当て、少し考えた後答える
「先程、当たりを引いたと考えただろう?当たりかどうかわからないが、一つ提案したい。人間種がいる別の世界に転生してみるか?ただ、今の常識や考え方は通用しないと思うが…どうする?」
なんか面白い事になってきた
まさかの異世界転生とは
「お願いします」
即答した、何も考えず即答した
「では、そのようにしよう。さて、それにあたって一つ問題が生じてくる。それはナニかと言うと、その世界で一番最弱なのは人間種であるのだ。転生しても、多分、秒で殺される」
どういうこと?楽しい転生生活から一気に地獄のナイトメアモードに突入してるのだが
「まぁ、そんなに焦るな。個神的にも人間種がもっと繁栄すれば良いなと考えていたので、君の認識でいうところのチートスキルとアイテムを授けよう」
一気に神様らしくなってきた!
「失礼な奴だな。しかし、確かにそのまま送り出したとなれば非道な神か。さて、どのスキルとアイテムにする。時間は幾らでもあるから考えて選びなさい。」
選べという事は、全部はダメということか…
「当たり前だ」
ですよね………
「どれにしよう」
無限に思えるリストを、神に意見を聞きながら選んでいく
1つだけに絞らなくても良いみたいだ
…
……
………
「選び切ったな……それで、本当に良いか?」
考えられる全てをつぎ込んだので悔いはない
「大丈夫です。あと、一つお願いがあります。前世の記憶をある程度思い出せなくして貰いたいです。あー………でも技術的記憶は思い出せるようにして欲しいです。」
「ん、わかった。では、次の世界楽しんでくれ」
「本当に、ありがとうございました。貴方が神で良かった」
「悪くない気分だ。また逢える事を期待してる」
会話が終了すると、世界が黒から白に変わり、意識が遠くなった