表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

お題シリーズ4

背中を押す理由 告白

作者: リィズ・ブランディシュカ



 ある日。


「どどどっ、どうしよう、先輩に告白する勇気が出ない」


 そんな風に友人が相談してきた。


 初めて決意した、みたいにてんぱってるけど。


 もう慣れた。


 三日前も確か、同じ事言ってなかったっけ?


 まだ告白してなかったんだ。


 私はあきれてため息をついた。


「私が影で見守っててあげるから、さっさとふられちゃいなよ」


 友人は「だって」とか「でも」とかばかりいって、もじもじしている。


 そんなんだから、ずっとケリをつけられないでいるのよ。


 先輩が三年生になって、卒業する前に告白したい、と彼女が考えだしたのは半年前。


 それから、あれこれ計画を立てたり、方法を考えたりしていた。


 それで、普通に言葉で伝えるのがいいという結論が出たのが一週間前。


 告白を決意したのが三日前。


 そうやって悩む暇があったら、すぱっと告白して、すぱっとふられて、次にいけばいいのに。


 まあ、考え方の違いと言うやつなのだろう。


 私はそこら辺ドライなのだが、彼女は違う様だし。


 一人一人の人間との関係を大事にしている事は、普段の様子を見ても分かることだ。


 誰かの誕生日や、特別な日を覚えているし、誰かの身に困った事があったら人の事をよく心配している。


 私は、なおももじもじする彼女の手を引いて先輩のいるクラスへ。


 丁度、そのクラスに先輩がいたので、私は彼女の背中を押しだした。


「ほら、言ってきなって。話があるんです。ってさ」

「ううっ」


 そうやって、恥ずかしがる友人はクラスの中に入っていくが。


 世間話をしただけで帰ってきてしまったようだ。


「ごめん」

「はぁ~っ、まったく」


 大きなため息をついてしまう。


 私はあと何度、この子の背中を押す事になるのやら。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ