6話 友達と差別と
今回はかなり短めになっています。
「じゃあこれでホームルームを終わるねー。」
「すみません!遅れました!」
「今日初日ですよー。何やってるんですかー。」
「ええっと、寝坊ですかね?」
「明日からは気をつけて下さいねー。」
「はい。すみません。」
ゴビはこちらにやって来た。
「いやー。やらかしたーやらかしたー!まさか初日から遅刻して行くとはなー。」
彼ははっはっはーと笑いながらシャムスに話しかけた。
「はー。初日から遅刻したのお前だけだぞ。」
「明日からはちゃんと来るって。」
「どうだかな。」
シャムスはやれやれと言った様子で首を傾げた。
「入学式から寝てた人が何言ってんだか。人のことを言うならまず自分がちゃんとできるようにしてからにしなさい。」
「お前は俺のオカンか。」
ソルネとルンルンが彼らの元にやって来た。
「ほらルンルンもなんか言って。」
「えっ、えーっと、じゅ、授業中に眠るのは良く無いと思います。」
「ごめんルンルン。これからはちゃんとするよ。」
「なんでルンルンには素直で、私への態度は適当なのかなー?」
「それはソルネだから。」
「どういうことよー!」
「わっはっは。お前ら面白いなー!」
そんなたわいもない話をしている時、何人かの生徒が近づいて来た。
「うるさいぞ、君たち。」
シャムスは最初に姉の質問に答えてた生徒だなと思い、答えた。
「不快な思いをさせたならそれは済まなかった、ガデル君。」
「ガルマだ。うるさいのも不快だが、お前がまだここにいるという事の方がもっと不快だ。劣等生は早くここから出て行ったらどうかな、『ゼロ』君?」
侮蔑の視線も交えて彼は言った。
「そうだそうだー。」
「落ちこぼれがなんでこんな所にいるんだ。」
「早くどっか行けー。」
彼の取り巻きも口を揃えてシャムスに悪口を言う。他の奴らも見て見ぬ振りをしている。
「お前ら何言ってんだ。」
「そっ、それはひどくないですか?」
「あんたらサイテーね。」
ゴビ、ルンルン、ソルネ、がそれぞれ彼のために言ってくれている。
「俺はお前らもバカだと思っているんだ。そんな落ちこぼれと喋って!ゴビ、貴様は貴族だろ。今、そいつの事を悪く言って俺の手を取るって言うなら俺はお前を本物の貴族として認めてやる。お前より上の地位にいる俺がな。どうする?」
そう言ってガルマは手を差し出してきた。
ゴビは手を出し、ガルマの手を叩いて言った。
「はんっ。誰がお前なんかの手を取るか。」
「はーい。そろそろ時間だよー。」
エレナが教室に入って来た。
「あれー?何みんなかたまってるのー?もう授業始めるから早く席に着いてねー!」
それを聞いてゴビが言う。
「だとさ。」
「貴様ら、覚えとけよ。」
「はいはい。勝手に言ってなー。」
ガルマが恨めしげにこちらを見て、去って行った。
「みんな席に着いたねー。じゃあ授業を始めまーす!」
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次話の投稿は10月10日土20時です。