1話 入学式①
「今日入学式だね!」
「同じクラスになれるかな?」
「楽しみですね。」
ここはクラウディア王国第一魔法学園。今日は新入生の入学式ということで、新しく生徒となる人達の、期待と少しの不安を織り交ぜた会話があちらこちらを行き交っている。
「はー。」
そんな中、彼は大きなため息をついた。この学園に入学する仲の良い友達がいる訳でもなく、彼は自分がクラスで浮くだろうことが分かっていた。そして、そんな生活を3年以上送らなければならないという事実は自然と彼を憂鬱な気持ちにさせた。
「次の方どうぞ。」
彼の順番が来た。今、彼は入学の会場に入場するために並んでいる。
「おはようございます。受験番号と名前をお願いします。」
目の前にいたのは、いかにも綺麗という言葉が当てはまる女性だった。少し背中にかかるロングヘアー、その髪の毛は美しく、整った顔をしている。
背は彼の肩ほどで、可愛らしいという印象もあたえる。
(この人すごくモテるんだろうな。)
という不埒な感想を抱きながら彼は答えた。
「おはようございます。25341番のシャムス・ソーサリーです。」
「25341番のシャムス=ソーサリー君ですね。」
何か引っかかることでもあったのだろうか。相手は少し怪訝そうな顔をした。
「どうかしましたか。」
「すみません。知り合いに『ソーサリー』というファミリーネームを持つ方がいらしたもので。」
「姉がいるので、何をしているかほとんど知りませんが、もしかしたら姉と面識があるのかもしれないですね。」
シャムスは冗談混じりに答えた。
「そうかもしれませんね。」
相手も少し微笑んでそれに答えた。
「シャムス君のクラスは1ーEです。座席は会場にの座席の前から三列目の左側です。先生もいらっしゃるので、分からなかったら先生に聞いて下さい」
「はい。ありがとうございます。最後にお名前をお伺いしてもいいですか。」
「ふふっ。」
何故か笑われた。怪訝に思いながら尋ねた。
「どうしたのですか。」
「いえ、自分の名前はよく知られてて、新入生の中ほとんどが緊張して、片言になったり惚けていたりしていらしたので。」
「すみません。」
「いいんですよ。私の名前は
テレリア=ファルメス、この学校で生徒会長をしています。」
ご愛読ありがとうございました。
書き始めたばかりで、まだまだ未熟ですが、楽しんでいただけたら幸いです。
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第二話は9月26日土曜日の20時に投稿予定です。今後ともよろしくお願いします。