王子の決断
引き続きよろしくお願いします。
《第1章 EP.2》
「……………じ!……………………王子!!」
…………っん、騒がしいな………。
「王子!気をしっかり!!」
「うわっ!?」
身体を揺らされ、はっと目が覚める。
周りには数人の……………ん?
ちょっとまて、記憶が………っ。
確かオレはこの世界に召喚されて………されて?
それからどうした?街を歩いていたのか?いや、違う。
誰か居た。いきなり、戦えとか言われて…………。
「ユウキ王子………目が覚めたばかりで申し訳ないですが…………」
「ん?どうしたんだ?」
もうこの際、王子というのに慣れてしまおう。
「……………王が………お父様が、先の戦でお亡くなりになりました………」
途端、側近(?)の女性が顔を伏せる。続き、周りも頭を下げていく。
「そうか…………王が………」
とりあえず、その場の空気に合わせてみる事にした。
正直、王なんて見た事も無いし急に父と言われても実感が湧かない。だが、あまり良くない感じとだけはオレでも分かった。
いや、まてよ?つまり?これから?オレが王様に………?
「王様の遺言書によると…………………」
側近の女性が裾から1枚の紙を取り出した。
ほら、来たぜ。いっや〜異世界最高だね!
「これ以上、国を存続させる事は不可能だ。敵を退ける他あるまいが到底我が国の戦力ではあやつらに太刀打ちできまい。よって、後継者は無しとする。王子には申し訳ないが自由に生きてくれと伝えてくれ…………だそうです」
んだよ…………それっ……………!
オレが後継者云々はこの際どうでもいい。
でも、一国の王が諦めるってどういう事だよ。この国の民達はどうでもいいってのかよ!
あー、駄目だ。気に食わない。
オレは、立ち上がり高らかに叫ぶ。
「王が亡くなった今、この国に光は閉ざしている!このまま滅びを迎える事になるだろう。でも!オレは、民達を見捨てるなんて出来ない!まだ抗えるなら、最後まで抗いたいんだ!!」
オレは複雑な心境で叫んだ。抗ったって無駄だって知ってる。でも、それは『向こう』での話だ。
こっちでは、やってみなきゃ分からない。
「……………王子ならばそう言うと信じていました。ありがとうございます………ほんとに、本当に……っ」
女性は泣き出した。
いや、どしよ。勢いに乗って感情任せに言っただけなんだけど………ヤバい、ヤバい!まずいぞこれは………
「王子!王様は後継者は作らなかったですが、私達の中での王は、ユウキ王子です!!これから、よろしくお願いします!」
ふぅ…………どーすんだ、これ
ここまでお読み頂きありがとうございました。
次回もよろしくお願いします。