解放せし剣
おはようこんにちはこんばんわ。
みなさんどうも、雪境ユキです。
第1章、始まります。目を覚まして大変そうですが笑
どうぞ!
《第1章》
「………………っ、………………ん?」
「おい!お前も戦え!!ぼうっと突っ立ってたら死ぬぞ!!」
「…………え?」
目を覚ましたらーーーーそこは古びた遺跡の様な所だった。
前方に少年が1人。何やら石の巨像……ゴーレムらしき生物と戦っている。
「………………戦うったって、どうやって…………………」
オレは何も持っていない。剣も、何も。
少年は、ゴーレムと対峙したまま後方にいるオレに向かって叫んだ。
「何言ってんだよ!!早くお前の剣を顕現させろ!もう………こっちが持たねぇ……っ!」
「だから、顕現ってどうやってっ!!……………いや、やるしかないか………」
オレは手に力を集中させる。
正直、今の状況はサッパリだ。死んだと思ったら知らない所にいて。しかも、謎にファンタジーだし…………。
よく分からないが、エネルギー的なのが右腕に溜まっていく。不思議な感じだ。今のオレならなんでも出来る気さえする。
「………………顕現せよ、オレの剣!!」
そう言うと、溜まっていたエネルギーが一瞬で凝縮し弾ける様な感覚がした。同時に、顕現する。
禍々しい黒々とした刀身が光を受けて輝く。
「………………で、出来た…………」
「……………よし、それで早くコイツを倒してくれっ!!もう………駄目かもしれん……っ!」
「わ、分かった!」
どうしてだろう。
1度もこの剣は持ったことが無いはずだし、使い方も分からない。なのに、どうしていいのか身体が覚えているみたいだ。
「幻想を穿て、《ザイン》!!」
そのまま、剣を突き出す。すると、剣先に光の塊が溜まっていき…………、
"ドォン"という音と共に一斉にゴーレムに向かって光線が放たれた。
そして、光線はゴーレムを飲み込むように粉砕させた。
「ふぅ………あっぶねーな!俺に当たったらどうしたんだよ!!」
「まぁ、倒したんだから結果オーライじゃん?それはそうと…………お前、誰だ?ここどこ?」
「…………煽ってんのか」
「いや、真面目にだよ………………」
あ、いつの間にか剣が消えてる………………………。
「なぁ……………お前、自分の名前言ってみろ」
「……………中河原、ユウキ…………」
「俺の名前は?」
「………………知らねぇよ…………」
「はぁ………頭でも打ったのか?俺は、お前の護衛騎士クロイだよ」
「………………………クロイ?初めて聞いたと思うけど………」
「そして!お前は、この国の王子ユウキなんだよ!ったく………しっかりしてくれよな…………」
「…………………お、おう」
はぁ……………神様。
なんですか、この仕打ちは……………。
死んだと思ったら王子になってた?
いやもうこれって……………
好きにしていいって事だよな?
オレは不敵な笑みを浮かべてみた。
と、その時。
"グサッ"と背中に何かが刺さった。
お読みいただきありがとうございました。
第1章は、まだ続きます。この後、ユウキはどう動くのか。次回もよろしくお願いします。