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6話 お酒が好きな人に悪い人はいるし、良い人もいるけど、酔っ払いは総じて面倒

ついに他の村の話。みんなでバトルまで何話かかるんだろう。

《真司視点》


「皐月と何処まで進んだ? キスはしたのか?」

そう質問する志郎の顔を見て少し安心する。いつもの志郎だ。


「キスはまだだな、というか告白もまだだ。送り迎え以外は今までと変わらない」


「真司、逃げちゃダメだ」


「それは俺が思う事であって、人に言われることじゃないし。お前いつか言おうと思ってただろ?」


「何だよ。イケメンは失敗が怖いのか? 俺の戦績を見てお前は怖がりになったのか? 違うぞ。俺とお前は顔も何もかも違うんだ」


志郎は皐月に振られた過去がある。中学1年・2年・3年と1年おきに告白して、全てふられていた。真司も皐月が気になってはいたが、志郎の相談相手であった事もあり遠慮していた。

真司が変わったのは『あの日』からだ


「志郎、返さねーからな」


「おれのじゃねーよ、次は興奮させてくれよイケメン」


『逃げちゃダメだ』か、あれいい台詞だやっぱり。志郎を言い訳にしていたんだろう


「明日からも1人で学校行けよ」


志郎はわかってるよと笑顔で言った。



◇《ゲーム》


「シロウ様、草原の端に村が見えます」


始まりは毎回村長。村を走り回りシロウになんやかんやと報告してくれる。

他の村か、それがあったな。酒家にばかり気を取られていたが真司が近くに村が現れたとか言ってたな。


ご近所さんか、どう接するのが良いか解らん。

チラッとムースカを見る。赤ら顔だ。こいつ酒飲んだな・・。


「ムースカ、一緒にあの村に行くぞ」


「いいが、褒美は何だ?」


わかりやすい奴だ。酒を寄越せと言いたいのだろう。


「働きに応じて酒をやろう」


「どのくらいだ」


「今すぐ動けば、酒5杯だ」


「もう少し欲しいな」


「では酒を・・・・・・・減らす。4杯になったぞ」


「何で減るんだ、10杯にしろ」


「3杯になったぞ」


「・・シロウ行くぞ、早くついて来い」



シロウとムースカが近づくと、村からも2人歩いてくる。

向こうから来たのは、男女2人。

男はおっさん面で小太りだが、連れている女の子は可愛い、年もシロウと同じくらいだろう。ショートヘアに大きな瞳。あの目に吸い寄せられたい。


プレイヤーのアバターは現実と外観が似る。服装こそ昔の平服になるが、顔はほぼそのままだ。

だからおっさんがプレイヤーなのか? 女の子がプレイヤーなのか? 今はそれが一番大切だ。


女の子がプレイヤーであれば、是非ともお近づきになりたい。ゲームで仲良くなり、現実でも仲良くなる。そして相談に乗っているうちに、ベッドにも乗っている。完璧なシュミレーションだ。


「私は志郎と言います。あそこに見える村の領主です」


紳士的に自分から自己紹介。ムースカに喋らせると何が起こるか解らない。お名前を教えて貰えませんか?と相手に会話を振る。


「私はヒナギクです、こちら相棒武将です」


無慈悲にも男が答えた。

終わったー。まあ可愛いすぎたからキャラクターかなとは思ったんだが、もしかしての希望を持ってもいいと思いませんか?


落ち着こう。武将が女性キャラであれば、知力が高いと太一が言っていたな、村づくりの為に仲良くなるに限る。可愛いし。


「立ち話は申し訳ないので、私の村に来られませんか?丁度、酒家が出来たのです」


出来れば、ヒナギクさんでなくて、女の子に飲んで欲しいが、彼女の年齢はどう見ても同い年かそれ以下だろう。まあ話せればいい、可愛いし。


「お酒ですか!そんなに言っていただいて断るのは、私の義が疑われます」


食い気味に答えるヒナギクさん。よっぽどお酒が好きなのだろう。女の子は頭を抱えている。可愛い。


「いきなり他者の村に来られるのは、怖いでしょうから、人質として、相棒のムースカをここに置いて行きます」


「なっ!アホかシロウ。こいつらがシロウに襲い掛かったらどうするつもりだ?」


ムースカ・・お前酒飲みたいだけだろ。


「ムースカ、大人しく待てば10杯だ」


「仕方無いな。私の様な強者は要らぬ不安を持たれぬ様に待っていてやろう。しかし、あまり待てぬからな、ここでの放置は喜ぶやつではないからなダメだぞ」




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