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エピローグ
あれから、加藤は平社員に格下げとなって、高橋さんのプロジェクトチームの雑用をしているらしい。首にすればいいのに、と若葉が言ったけど、お父さんはそれをしなかった。
「お金のためといえば聞こえは悪いけど、加藤君も会社を大きくしようと…つまり会社のためを思ってやったんだと思いたいんだよ。」
お父さんは、いつも通りのやさしい笑みで言った。家に帰ると、今日はカキフライとカツ丼が用意されていて、高橋さんも一緒に食べた。
「僕の最初に開発したのが、そのロボットおもちゃで…喋れて良かった、心からおもちゃを愛する心を、若葉君に教わったんです」
高橋さんは酔っぱらうといつもこの話をするらしい。私は、もう動かないけど、いつも通り心で話せるジャックと一緒にベッドに入った。あれから、週に一回ぐらいは石鹸で洗ってあげてるから、いい香りがする。
またジャックが動けるといいな。そんなことを思いながら眠りにつく。私とジャックは、そして若葉とロボはいつまでも友達で、最高のおもちゃの相棒だ。




