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「行くよ、みんな!」
私の声に反応して、おもちゃたちが立ち上がる。私を先頭に、おもちゃたちが加藤に襲いかかる。
私の隣には、もともとぼろぼろだったけど更に汚れたジャックがいる。30分以上足止めをしているけど、もう株式会社タカライの入口前まできてしまっていた。
絶体絶命!加藤が入口の自動ドアの前まで来た。ジャックが右足、私が左手をつかむ。ジャックが飛び上がって加藤の右頬にパンチした。
「ジャック!もっとやっちゃえ!」
ぽふぽふぽふと連続パンチしたとき加藤がドアを開けるより先に、中から誰かが出てきた。後ろには真っ青な顔をしたお父さんと、眼鏡をかけたいかにも秘書って感じのお姉さんがいた。
この人が、ひょっとしてタカライの社長・・・?
その人は私とジャック、そして私の小さな友達たちを見て、笑った。
「それが、君の相棒?」
私は立ち上がり、ジャックを抱きしめた。
「そう!ジャックって言うの!」
「よろしくな!」
「あとは、うちのおもちゃいっぱい!」
おもちゃの軍団は、整列して敬礼した。
そこに、若葉がやってきた。手にはお父さんの社員カード、後ろには・・・ロボと、カラスと、新品のおもちゃたち!
「お姉ちゃん、カード持ってきたよ!」
若葉がカードをお父さんに手渡す。
「若葉が、あの木を登ったのかい?今まで登れなかったのに?」
お父さんはびっくりしていた。若葉はロボを差し出して言った。
「ロボがいたから、登れた」
タカラの社長は、ひとつため息をついた。それは呆れたようなため息じゃなくて、満足したようなため息だった。
「おもちゃの相棒。おもしろいじゃないか!ぜひ進めよう、このプロジェクト!そういうことで・・・」
タカラの社長は、若葉からお父さんの社員カードを受け取り、代表取締役と書いてあることを確認した。
「山口社長、頼みますよ。」
「はい!」
カラスは私とジャックの間に降り立って、ころころと笑った。
「あなたたちの夢の卵、すてきでした。明日にはもう動けなくなるけど、なにかみんなに言いたいことはないですか?」
ジャックは、少し考えていたが、へんっと鼻を鳴らして言った。
「ないね!いつでも俺と青葉はしゃべれる。心でつながってるんだから!…強いて言うとしたら、たまには俺のこと洗ってくれよな!」
「こころっていえば…明日また、会社は加藤のものに戻っちゃうの?これは、夢なの?」
私の問いに、カラスはいいえ。と言った。
「あなたたちはあそこの会社の社長の心を動かして会社を取り返したのです。なくなりはしませんよ。」
そして、わたしたちは、なにもかもを取り返した!




