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カラスの魔法  作者: 小川春佳
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 チャイムが鳴って、学校が終わる。私は、今日は若葉と一緒に帰ることにした。ランドセルにとても強引に押し込んだジャックを引っ張り出して、手をつなぐ。そのまま若葉の教室まで走っていった。

「作戦会議!」

 私がそう言うと若葉はうなずいて、ランドセルを大事そうに抱えた。二人で連れ立って校門をでると、若葉はランドセルの中から、ジャックよりちょっと小さいロボット玩具を取り出した。

「なあに、それ?」

「僕の、相棒。ロボっていうんだ。」

 わたしのこころはドキッと高鳴った。若葉にも、相棒ができた。それはすごいことだ。ロボは、「どうぞ仲良くしてくだせえ」と言った。ジャックが「変なしゃべり方だな!」と言って、私と若葉は二人して笑った。

 学校の帰り道は、いつもお父さんの会社の隣の公園を通って帰る。私は、高橋さんの席を見上げて、あれ?と言った。

「窓の外に何かある。」

 若葉もそちらを見上げて首を傾げた。

「何かって、なに?」

「わかんない!見てくる!」

 言うが早いか、公園の木に手をかける。若葉が手を引っ張ってきた。

「お姉ちゃん、もうあそこはお父さんの会社じゃないんだよ!」

「窓の外だよ、きっと、高橋さんが私に何か渡そうとしてるんだよ!」

 そうに決まってる。あの高橋さんが、お父さんを裏切るわけがないんだから。私は、するすると木を登って、三階の窓の窓際にたどり着いた。

 そこには、「いたずらな忍者さんへ」と書かれた手紙が置いてあった。封筒の中にもう一つ封筒があって、それには、「お父さんに渡してください」と書いてあった。

 お父さんが私のことを忍者になれると言ったとき、側で笑っていたのは高橋さんだった。これは、高橋さんからお父さんへの手紙だ!私は、お母さんが作ってくれた上着の内ポケットに、それを大事にいれた。カラスがくれた夢の卵が、じんわりと暖かくなって指先に触れた。

 この卵で、会社を取り返す。そのために何ができるだろうか?


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