第四話 二人目の契約者
俺とクロが子作り……じゃない、仕事に励む事三日。
クロとはすっかり新婚さんのような性活となっていた。
要するにヤりまくりだった。
マオン族は普段、漫画みたいに「~にゃ」とか言わないが、クロにはベッドでわざと言わせてみたりしている。
クロはその意図をよく分かっていないようだが、分かっていないなりに興奮するらしく、より乱れたりしていた。
作戦は成功だ。
何の作戦だよ。
「おぉ、大分ユウ殿の魔力も上がってきたようじゃの。これならば、契約者をもう一人増やせそうじゃな」
「お、マジで?」
契約者と聞いて真っ先に浮かんできたのは、あの金髪のルナという少女だ。
是非、巨乳と契約したい。
間違えた。是非、彼女と契約したい。
「ご主人様……ルナと契約、する?」
クロに心を読まれていた。
クロ的には微妙だったりするんだろうか?
この無垢な瞳に見つめられていると、妙に後ろめたい気持ちに駆られてしまう。
「……ルナ、優秀な魔言師。契約するの、さんせ~……にゃ」
あ、さんせ~にゃんだ。
ってちょっと、夜のプレイがバレるから今は語尾つけないで!
「くふふ。ユウ殿もお好きじゃのぅ……」
タマモにはしっかりバレてるし。
ていうかそんな知識もあるのか、この人。博識過ぎて怖いよ。
ともあれ考えてみれば、クロ的には俺は恋人じゃなくてご主人様なわけで。
ご主人様が他の子とも契約しようが、それについて何か思ったりはしないのかもしれない。
というか、そもそもマオン族を救うためにやってる事だから、反対する理由もないか。
でも心なしか、さっきからクロが俺と目を合わせようとしてない気がする。
……表情はいつも通り眠たそうだから分かりにくいが、ちょっとは妬いてたりするのかな。
俺はクロを連れて、さっそくルナを探しに行った。
ルナは以前出会った時のように、アトリの世話をしていた。
アトリというのは、鳥に似た牛くらいの大きさの家畜だ。
食用としてだけでなく、乗り物としても使うらしい。
すでに何度かアトリの肉や卵をいただいたが、肉はいわゆる鳥肉、卵は鶏の卵とほとんど変わらない感じだった。
正直、魚オンリーじゃなくてありがたい。
「おはようございますユウ殿、クロ」
ルナは俺達の姿を見つけるなり、微笑みながら挨拶してきた。
物腰柔らかく、礼儀正しい。金髪なのに大和撫子という言葉が似合う子だ。
所作がどことなく日本的なのは、タマモの影響だろうか。
「おはよう、ルナ。今日は、魔力が溜まったからルナと契約しに来たんだ」
契約と聞いて、ルナの顔が真っ赤に染まる。そのまま俯いてしまった。
「……分かりました。では、タマモ様のところへ参りましょう。契約の首輪は、タマモ様が管理しておられますから」
俺達はタマモのところへ向かった。
「おはようございます、タマモ様」
「おぉ、ルナか。契約しに来たのじゃな。準備の方は万全かの?」
「……はい。問題ございません」
その時、ルナがさっきにも増して赤面したかと思うとまた俯いてしまった。
準備って何だろう。
ていうか何か元気ないけど、ひょっとして実は里のために嫌々契約しようとしてるんじゃあるまいか。
だとしたら無理強いはしたくないけど、もう引き返せる空気でもないしなぁ。
「ではユウ殿、これをルナの首につけよ」
「あぁ、分かった」
俺はタマモから白い首輪を受け取ると、ルナの首へと腕を回した。
クロとは少し違うがルナからも甘い良い香りがする。
ルナは少し緊張で身を堅くしているようだが、あまり緊張されるとこっちまで緊張してしまうぞ。
少し視線を下に向けると、ワンピースの内側から豊かな胸の谷間が垣間見えた。
嗚呼--このまま時が止まってしまえばいいのに。
しかし時は無情にも過ぎ去っていく。
俺はルナに首輪をつけた。
瞬間、クロの時と同じように、眩い光りが青銀色の鈴から発せられ……俺は眩しさに目を閉じた。
俺の唇は準備万端だった。
さぁ、いつでもキッスしてくるがいい。
俺が受け止めてやろう。
そうして待機していたが、いつまで待っても柔らかい感触は来ない。
目を開けてみると、ルナはただ静かに佇んでいるだけだった。
あれ、キスは?
あれも契約に必要な事だと思ってたんだけど。
ひょっとして、クロが勝手にやった事だったのか?
マズい、気恥ずかしい。
俺が勘違いして生まれた今のこの空気も恥ずかしいが、クロが自発的にやった事だと分かったらドキドキしてきた。
こんな時、俺はどういう顔をすればいいんだ。
「これにて契約完了じゃ。後は若い二人に任せるとしよう」
俺の胸中を知ってか知らずか、タマモがお見合いの決め文句みたいな事を言って勝手に締めくくった。
要は、後はもう勝手にヤれって事ですか。
「改めまして、ふつつか者ですがよろしくお願いいたします、ご主人様」
お、呼び名がご主人様に変わった。
今更だけど、これぐらいの年の子にそう呼ばれると妙な背徳感があるな。
「あぁ。よろしくな、ルナ」
「夜になりましたら寝室にお伺いいたします。ご期待に添えるよう努力いたします」
深々と頭を下げてくるルナ。
なんか堅苦しいけど、これがルナの性格なのかもしれない。
ていうか、今すぐするんじゃないのか。
まぁ、まだ外は明るいしな。
いくら地下室とはいえ、さすがに盛り過ぎか。
こんな豊かな胸、今すぐにでも揉みほぐしたいけども。
「分かった、また夜にな」
「では、私はアトリの世話がまだ残っておりますので、申し訳ございませんが一旦失礼いたします。ご用の際はお呼びくださいませ」
「あ、あぁ」
なんだか少し素っ気ない気もする。
やっぱり嫌々だったのかな。
いや、クロがベタベタし過ぎで感覚が麻痺してるのか。
クロのスキンシップは全然嫌じゃない、むしろ嬉しいんだけども。
契約が終わった今も、さっそくクロが駆け寄ってきて俺の腰にしがみついている。
う……ヤバい、あの胸を見た後だから欲望が首をもたげている。
くっつかれただけでしたくなってしまう。
しかし今ヤッてしまうと、夜にルナとする時の体力が残っているか分からない。
俺は無心を心がけ、昔家で飼っていた猫の事を思い出した。
そうだ、今じゃれてきているのは猫だ。少女じゃない、猫なんだ。
俺は自分にそう言い聞かせ、なんとか理性を保ちながらもクロとじゃれるという器用な事をやってのけた。
俺的に凄い事なんだぞ、これ。
そうして何とか狼とならないよう耐えるうち、夜になった。
夕飯を食べ終えた俺が、クロに今夜は自分の部屋に居るよう指示すると、クロは素直に頷いた。
ちょっと可哀想だが、最初の時くらいは二人きりでしてみたいからな。
一人でくつろいでいると、扉をノックする音がした。
「ルナです。入ってもよろしいでしょうか」
「あぁ、開いてるから入ってくれ」
「失礼いたします」
ルナが扉を開けて部屋に入ってきた。
ルナの格好は、白い薄手のキャミソールに白いパンツのみという非常にエロいものだった。
胸の部分がふっくらと柔らかそうに盛り上がっている。
なんですかこのご馳走。
「る、ルナ……可愛いな」
「っ……ありがとう、ございます」
カァっと顔を赤くし、また俯くルナ。
耳も下に垂れ下がっている。
う~ん、嫌がってる感じじゃないんだよな。単に恥ずかしがってるだけなのか。
「緊張しなくていい。こっちへおいで」
俺は座っていたベッドの隣をポンポンと叩いた。
「はい、失礼いたします」
ルナがそそくさと俺の隣に座る。
俺はルナの細い肩に手を回して抱き寄せると、ルナがピクッと震えた。
構わず、豊満な胸をキャミソールの上から優しく揉む。
や、柔らかい……そしてなんという弾力。ずっしりとした質感だが、手に吸い尽くようなもっちり感……素晴らしい。
「ぁ……ん、ふぁ、ぁん……」
気持ち良さそうに耳をピクピクと跳ねさせながら、されるがままになっているルナ。
「あ、の……ご主人、様。私、その……」
「ん……どうした?」
「…………」
ルナが俯きながら無言で俺の手を取り、いきなり女の子の大事な部分へと誘ってきた。
えっ、ちょっ、どうしちゃったんだ?
戸惑いながらもOPANTUの上から触れてみると……なんと、すでに大洪水だった。いつでも出航出来そうだ。
いや、出航したらすぐに沈没しそうだ。
「……私、ユウ殿……ご主人様に契約すると約束していただいた時から、楽しみで……その……いつでも抱いていただけるよう、慣らしておこうと毎晩自分で……」
「……マジか」
なんという事でしょう。
準備ってその事だったのか。
「それで、あの……契約した後、本当はすぐにでも抱いていただきたかったのですが……明るい内からそのような事をお願いしては、はしたない女と思われてしまうかと……辛抱しようと思ったのです」
それで夜になったら……と言ったわけか。
なんといやらしい……いや、いじらしい。
「で、でも……本当はずっと、ここが疼いてしまっていて……ずっと濡れたままで、辛くて……は、早く、ご主人様の、入れてほしいです……もう、もう我慢、出来ませんっ……!」
ルナが涙目で頬を真っ赤に染め、太ももをモジモジさせながら懇願してきた。
ブチっ。
俺の中で何かが切れました。
多分理性とかそのへんのものが。
俺はルナを押し倒すと、邪魔な布を脱がせて足を開かせた。
「あっ♡ ご、ご主人様……」
ついでにキャミソールを捲ると、ポロンと二つの大きな果実が零れ出した。
た、たまらん。
「その……初めてですが、もうこんななので……激しくしていただいてもきっと、大丈夫です……♡」
それから先の細かい事は正直、あまり覚えていない。
覚えているのは、俺は獣のように激しくルナを貪り、交わったという事だけだ。
事が終わった後、俺はベッドで俺に寄り添うルナへ言った。
「……今度からは、我慢しなくていい。朝だろうと夜だろうと、ルナがしたければ素直に言ってくれ。俺も、いつでもルナとしたい」
それを聞いたルナは一瞬、目を見開くと、すぐに嬉しそうに微笑んで「はい、ご主人様」と答えた。
そしてルナは、俺に覆い被さって唇を重ね合わせてきたのだった。