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復讐の華を散らす5

 七瀬に頼んで、私が“期限付き”風紀委員として、桜花先輩とやらに会えたのは、そうなることを頼んでから五日も経った日のことだった。仕事を増やしてしまい、申し訳ないと思いつつも、こうすることで日和兄さんの負担が減るのだから勘弁して欲しい。

 あの人は私に対して、過保護すぎるのだ。“期限付き”風紀委員だとしても、風紀に所属していない生徒は普段、学園内で命の危険性が出ない限り、魔法授業以外で攻撃魔法を使うことを禁じられているが、一時的に風紀になればその間だけは学園内で、攻撃魔法を使うことが許される。だから、これである程度は私に気にせず調べものを出来るはずだ。

 ちなみに七瀬は、生徒会の時は本来の中性的な容姿で活動しているため、自分の身を守るために理事長からある程度の攻撃魔法を使うことを許されている。

 七瀬だけではなく、会長もだけどね?


 あとの時沢芳樹に心を奪われた副会長と書記は、武術系の中で何個か有段者らしいし、実戦形式で特訓していたらしく、喧嘩慣れをしていると噂だ。

 だからだろう、その二人は他の生徒と同じく学園内で攻撃魔法を使うことを禁じられている。

 だが、時沢芳樹が転入してきた時から、その二人が攻撃魔法を使うことを禁じられているのか、何故か違和感を感じ始めてしまっていることに気づいた。


 やっぱり、このことを一応日和兄さんに伝えておくべきかと考えながら、同時に勘はなかなか侮れないしなぁと考えに至り、風紀室の前で七瀬に伝えた。

「……あのさ。生徒会の副会長の石寺晴一(いしでらせいいち)と書記の星川稔(ほしかわみのる)って、一般生徒と同じで学園内で攻撃魔法を使いことを禁じられているだろ? ……それって“過去”に、問題を起こしたからって可能性が考えられないか、日和兄さんに言っておいて」

 と、七瀬にそう伝えれば無言のまま、私に了承をしたことを伝えるため、コクンと首を縦に振った。

 その瞬間、いきなり背後に人の気配が現れ、思わず後ろを振り返った後、風紀室のドアに勢い良く、背中を強打した。視線の先にいたのは、高身長な方だと言えど私よりも二十センチ近くも小さい、風紀委員長の姿があった。


「……七瀬、結城夜篠が言っていることは強ち、侮れない。僕は全員が全員、時沢芳樹に一目惚れしたことに違和感を感じ、四人の共通点を調べてみて一つだけわかったことがある。

全員、同じ中学出身だった。四人とも、高校からこの学園に入ったらしい」

 と、風紀委員長、白川桜花(しらかわおうか)は強面なのをより一層引き出させるように無表情のまま、淡々とした口調で私の意見を賛同することを遠回しで伝えるような内容の会話を喋っていたことに、少しだけ驚きを感じていた。

 が、桜花先輩が続けて言った言葉に私は、更に驚きのあまり目を見開いた。


「……大体、調べれば中学時代のことを調べられると言うのに、コイツら四人の中学時代の情報は極僅かなものだった。それ以上は、情報が塗り潰されて調べることは出来なかった」


 そんな桜花先輩の言葉に七瀬と私は顔を見合わせた後、彼は日和兄さんにこのことを伝えるべく、あの人がいるであろう教室へと駆け出して行ったのだった。



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