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Find The Ability  作者: 鈴木翔
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大阪へ出張

 資料とチケットと搭乗時間の確認をし、消毒液を持ち、予め買ったおにぎりを食べながら駅へ向かう。

 この時間でも人がたくさんいたはずの駅だが、この状況下なので人が少ない。とりあえず東京方面の電車に乗り、スマホを手にする。ネットニュースを見る。またモコヒウイルスの死亡率が上がった話や感染者は完全隔離される話、アメリカではパニックが起こってる話、ワクチン開発が進んでいる話、どれもこれもウイルス関係だ。


 そんなことを思っていると新東京駅についた。そして新東京空港行きの電車に乗り換える。自分が感染していないかすごく不安になりながら電車から降り、空港に入る。消毒をして、搭乗手続きをする。その後にウイルス検査をする。結果は陰性。すごく安心する。かかってないというだけでも会社にいちいち報告する。


 待合広場に行き、椅子に座りながら外を眺める。割と人はいるようで、みんな会社員のような格好をしていた。飛行機を見ていると楽しくなってしまう。割と良い席を取ったため早めに呼ばれる。荷物検査と消毒をして搭乗ゲートくぐる。そして流れるように飛行機に乗る。

「当機はまもなく離陸いたします。前の画面の案内に従ってシートベルトをしっかりお締めください。」

 アナウンスが流れシートベルトを締める。飛行機が動き出し滑走路に到着する。速度を上げながら走り出す。徐々に機体が上がっていくのを楽しむ。二度目のアナウンスが流れる。


「本日は当便をご利用いただき真にありがとうございます。機長の橋本です。モコヒウイルスが流行っているため、感染対策をしっかりと行っております。これからお客様のもとにキャビンアテンダントが消毒しに参ります。えー、当機は東京から新大阪空港へ向かっております。現地の気温は24.3度、天候はやや曇っております。予定到着時間は11:30分となっております。それでは快適な空の旅をお楽しみください。」


 機長のアナウンスが終わり、CAさんが来て手の消毒を行う。機内サービスでコーヒーを貰い、前の座席の後部についている画面でゲームを始める。飛行機に乗るときは大抵これでテトリスの150lineを消して得点を競うマラソンモードをして時間を潰す。高得点を出し、機内順位一位を取る。


 次に映画を見る。話題になっていたSF映画を見る。映画を見終え、トイレに行く。

帰ってきて、窓の外を眺める。白い雲の間に時々見える青い海と灰色の街。ぼけーっと見ているとアナウンスが入る。


「当機はまもなく着陸態勢に入ります。テーブルを前の座席に戻し、シートベルトをしっかりお締めください。」

 機体が下がっていき着陸する。シートベルトを外し、座席の片付けをし機内から出る。荷物を受け取り、到着ゲートからでて二度目の検疫を行う。まあ一度目の検査では引っかからなかったし大丈夫だろう。







結果はなんと陽性だった。






「化jファ4j’い49jfだ;lsjふいおあ;いおlhjvかじvk愛wrpうりぽあj理’じゃパイrっj古謝jろf度fjぃじう青krァ毛r時j書くfj府2」


 発狂した。意味がわからない、熱もないし、そもそも羽田では陰性だったのにどこで感染したしっかり消毒したのに、手洗いうがいもきちんとしたのにどうして感染したマスクはしてたはずなのに、倦怠感もまったくないのに俺このまま死にたくないどうしよう。会社に連絡しなきゃ取引先にも迷惑かけちゃうしどうしたらいいんだことばがあたまのなかにあらわれくちからでずにきえていく。

「陽性なので隔離させていただきます。連絡モバイルを渡すので指示に従ってください。質問もその端末で行ってください。」

 そう医師に言われた。むしゃくしゃしてきたが仕方がないので指示に従って空港付属特別病院の感染病棟に行く。

 熱を測ると43度を超えていた。倦怠感もしてきた。吐き気がすごくする。鼻血も出てきた。食事を出されたがとても食べる体力がない。部長に連絡をする。どんなにつらくても一人の人間として仕事はこなしてから死んだほうがいいだろう。


 部長の対応は優しかった。電話がきて事情を説明すると納得してくれた。代わりの人材を用意することや仕事の引き継ぎ、取引先への説明などの仕事の心配はしなくていいとのことだった。両親にも連絡を取る。死ぬかもしれないので遺言と自分の遺産について話す。医師にこれからのことを聞く。

「1ヶ月は様子見ですね、陰性になって2週間でやっと退院することができます。吐き気を感じたら青いボタンを押すとバケツが出てくるのでそれに吐いてください。熱がひどい場合は赤いボタンを押すと解熱剤と氷嚢が出るのでそれを使ってください。息苦しくなったら緑のボタンを押して寝っ転がると、自動で呼吸器が取りつけられます。もしそれ以外になにかあったら緊急のボタンを押してください。」

 医師はそう私に言い、とりあえず安心した。しかし気持ち悪くて今にも死にそうなので早めに寝よう。


 『おやすみ』



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