第一歩 六人姉妹の日常?、千夜の〇〇事情
えー。
3ヶ月間も更新しなかったのには理由が…
はい。
ごめんなさい
3ヶ月かかったのに6000とちょっとしか無いですが、スキマ時間にどうぞ。
これ以上待たせる訳にもいかないので、前書きは以上とさせてもらいます。
「さぁて、0話投稿から一週間以上が経ちましたぁ。えー、何か変化はありましたか?」
咲雪は腰に手を当て、リビングでくつろぐ5人に向かって質問を投げ掛ける。
特にこれといった理由は無いが、暇だし何かしようと適当に考えた結果、何故か近況報告を聞こうと思った。
「ん~。得に~無いかな~。」
ほとんど質問に興味は無いようだ。
何時も~一緒にいる姉妹に~報告することなんて~全然無いでしょ~、そう思いながらアイスを片手にスマホでゲームをしている。
「うーん、そうね。これと言った変化は――無いはね。」
と、一言の後に千夜はカップに残った紅茶を飲み干していく。
千夜も質問に興味は無いように見える。
最近は仕事も落ち着いてるし、報告するようなことは無いのだ。
しかし、なぜ急に近況報告をする気になったのか気になったが、聞いても大した理由では無いのだと思い、聞くのをやめておいた。
「僕は…仕事が、もらえました…です。」
小春はいつもと変わらずに質問に答えた。
興味は…、有るのか無いのかは分からないが、姉が質問しているのだから答えなければと真面目な小春はちょっとしたことでも言った方が良いと思ったのだ。
「せやな~、うちはちょっと髪を染めたってくらいかな~?」
そう言って悠華は、うっすらと青に染まった髪を指でくるくると遊ぶ。
悠華は最近忙しくてあまり家に居なかったので幾らでも話す内容はあったが、話が長引くのはあまり好きじゃ無いので髪の話をすることにした。
「――私は…メガネを変えた…位かな。」
元気なで彩が答えた。
元気なのだが、喋り方のせいで元気が無いように聞こえてしまう。
なぜ元気な声なのかと言うと、前は〆切に追われ一日中ずっと作業をしていて疲れが溜まっていたのだ。
今はその〆切からは解放され少しばかり自由度が増えたお陰で元気になっている。
「まぁ…聞いた私も特に無いんだよねぇ、えへへ」
咲雪は何故か照れくさそうに言った。
聞いたのは良いものも、自分も特に報告することが無いことに照れている。
時折、咲雪のこの様な感性に疑問に思うことがある。
「て言うかぁ、野郎何で二週間も更新しなかったの?何やってたの?潰すよ?」
恐ろしい、とても鋭い目で睨み付ける。
咲雪の切り替えは異常と言えるだろう。
さっきまで自分のことで照れていたにも関わらず、今となってはありんこのことに対して怒っている。
どういう神経をしているのだ。
不思議である。
「え?忙しかったから全然出来なかったって?はぁ…」
呆れた顔でこちらを見る。
まぁ呆れられるのは仕方ない。
全然何週間も更新しなかった自分が悪いのだ。
しかし、こちらも色々と事情があるのだから勘弁してほしい。
「処す?」
もう殺す。と、言わんばかりの表情である。
いや、もう既に言っている。
何故ここまで蟻に冷酷なのだ。
親でも殺されたのか。
そうでもなければ理解出来ない程の冷たさ。
「まぁ、今回は見逃しましょう。私達もそういうこと、あるじゃないの。」
千夜が情けをかけてくれる。
千夜は話が分かる優しい人だ。
こういう時に助けてくれるのは何ともありがたいものだ。
「フンフンフーン♪フフッフーン♪」
奈月はまるで何も起こっていないかのような様子でヌマホでゲームをプレイしながら鼻歌を歌っている。
奈月は自分の世界に入ると周りからの影響を殆ど受けなくなる。
つまりは、究極のマイペースと言ったところだ。
「確かにそうだけど…」
咲雪は不満そうに呟く。
折角別の暇潰しになると思ったのに、等とサイコパスと言われても否定のしようが無い理由で蟻を干そうとしていたのだ。
クレイジー。
「――次は無いってことで、今回は勘弁してあげなよ…。それより、これ見て。
やっぱ、こういうの良いよね…」
そう言ってよく分からない画像を咲雪に見せる。
彩も優しい人なので、話を反らしてくれた。
ひとまずは、助かったと言えるだろう。
「何それ?」
彩が咲雪に見せた画像だが、何か2、3人が表紙に描いてある本らしき物の画像だ。
勿論、咲雪も彩に見せられたものが何なのかはすぐには分からなかった。
「――え?いや、私の漫画のキャラの同人誌だよ…?」
これくらい知ってて当然。とでも言うようなオーラを醸し出している。
普通、姉の同人誌や二次創作は漁らないだろう。
普通?。
しかし、思いの外がっかりされたので咲雪は困惑している。
「あーね…そ、う、い、え、ば、ぁ。そんな感じの子居たようなー気がするわぁ…」
(分かるようなぁ分からないようなぁ、何とも言えないなぁ)と思っていたからか。
それが、露骨に言葉に少し現れてしまっている。
「ゆきちゃん…。
――あんまりピンときてない感じね…。
私、悲しい。」
と、わざとらしくしょんぼりする彩。
この空気感はまずいと思う咲雪。
咲雪の感性はやはりよく分からない。
どう見ても、そんなに落ち込んでいるようには見えない。
それを真に受けた咲雪はどうにかせねばとこの空気を断ち切る策を考える。
そして、咲雪は少し大きな声で
「そそそ、そういえばぁ、実はこの作品って未だに0話と1話しか無いんだよねぇ――はは…。
ありんこは何してたんだろうねぇ――アハハハ…」
と感情の籠っていない言葉で蟻に何とか話題の意識を集中させようとした咲雪。
それにしても何故なのだ。
折角千夜が助けてくれたのにまた話題の中心を此方へと向けようとする。
畜生
「確かに、あの蟻はまだ1話までしか投稿してないは。
でも咲雪、さっきも蟻が何してたのかって言ってなかった?」
お茶を飲んだりお菓子を食べたりで、さっきの話の一部しか聞いていなかった千夜は、只単に、疑問に思ったことを咲雪に尋ねた。
少し抜けているところがあるのか、たまにこういうことが起きる。
「あ。あー。ん?…」
まさかのツッコミに動揺する咲雪、まだお茶を飲んでいる千夜、横でじっと見つめる彩…。
「――分かったよ、ゆきちゃん。もう別に何とも思ってないし、同人誌なんだから私の絵柄と違ってるから分かりにくいかもだしね…。
でも、流石にヒロインの顔や特徴ぐらいは分かってほしかったな……。
そこはちょっとショックだった…。」
半ば放心状態の咲雪に彩は、優しく声をかける。
喉の調子は悪くないはずなのに声は少し低かったが。
それに、何故か目も怖い目をしているように見えた。
「ごめんなさい…。」
(よくよく考えれば何で自分の作品の同人誌なんか漁ってるのさぁ、性癖歪んでる?)
謝罪の裏ではこう思っていたが、黙っておいた。
またさっきのようなことになるのは御免だと思っていたからである。
そりゃそうよね
「あのさ~あたし~気づいちゃったんだけどさ~」
ここで、さっきまでヌマホを見ていた奈月が唐突に喋り始めた。
奈月が喋り始めたことにすぐ彩が反応する。
そして、すぐさま答える。
「どうしたの…?なっちゃん?」
奈月は
「うん~実はね~まだね~これでもまだ1話の本編じゃ無いんだよね~」
と軽いノリで言う。
割りと大事なことのはずなのに。
「「うん?え。」ほ、ほんとですか?」
一同驚愕。
しかし、一瞬の間を置き、すぐに冷静さを取り戻した千夜が奈月に尋ねる。
反応するのは彩の方が早いが、彩とは違い、千夜は何時でも冷静だ。
「奈月、あなた何故分かったの?こんなのパッと見ただけじゃ本編だと思うはずよ、普通」
周りに居た彩達も、何故奈月が分かったのか不思議だったので、千夜の抱いた疑問に共感している。
「いやさ~あたしらって~全員が主人公的な感じじゃん~?」
「確かに、そうね。」
「うん、でも~、普通に~話を進めるなら~話ごとに主役を~分けるはずでしょ~?
なのに~今までの内容じゃ~誰が主役か~分かんないよね~?
だから~まだ本編じゃ無いんじゃないかな~って思ったの~」
と考えに至った理由を説明した奈月。
それを聞いた千夜は少し納得していた。
「なるほどね…。」
「私も~たまにはやるでしょ~」
どうだ、と自慢気に言う奈月。
「確かに、今のところ誰が主役かはっきりしてないわね。
でも、それなら出来るだけ早く本編にいかないと、皆これ読むのを辞めてToitter見始めちゃうわよ。」
奈月の言葉を完全に無視して千夜は話続けている。が、千夜は全く悪気は無かった。
「あ~そうだね~…。」
自分の話を聞いてもらえなかった奈月はショックを受けてしぼんでいる。
冷静かつ何処か抜けたような千夜の性格は時に人の心にダメージを負わせるのかもしれない。
「じゃあ、茶番はここまでにして、本編早く始めるはよ。」
「次回予告~!!」
?!
「次回、【悠華の3秒で分かる関西弁】【彩、〆切に追われる】【千代の優雅?な1日】の3編にてお送り致します~
今回の予告担当は奈月でした~では~お楽しみに~」
「そうはさせない…。」
彩が奈月を押さえる。
「やめろ~
は~な~せ~
さっきからずっと私の事を無視して~
ぬ~」
何とも。
殆ど感情が無い喋り方。
しかしだが、奈月の方が彩より大きいので彩は必死になって押さえている。
何とか押さえ込めてはいるが、彩はもうヘトヘトになってしまっている。
一日中家に居ることが多い彩、こんなことをしては後で全身筋肉痛に襲われるかもしれない。
「奈月、貴女少し無視されたからって話を終わらせようとしないで頂戴。」
そんな彩を気に掛けず千夜が説教をしているが、無視した張本人なのでさっきの傷ついた奈月に更に追い撃ちをかける。
彩が非常に可哀想である。
やはり千夜の性格は静かに誰かを傷つけてしまうのだろう。
悪意無くして人を傷付けることは一番恐ろしい。
「さ、彩、奈月、早く本編を始めるからいい加減止めなさい。
間も無く、本編が開始致します。
お送りする内容は
六人姉妹の歩き方、記念すべき第1話。
【長女の〇〇事情】でございます。
それでは、また、本編でお会いしましょう。」
そう言って千夜はリビングから出ていった。
彩と奈月を放っておいたまま。
「咲雪お姉ちゃん、あの2人どうしよう…。」
「さぁ、どうしたもんかねぇ…。」
小春に咲雪は何も手出し出来ないので只淡々と見守っている。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ここからが本編の本編?です。
長らくお待たせ致しました。
無神経で冷静で冷酷?な千夜の〇〇事情…、其は一体どんな事なのだろうか…。
2021年日本︰某日、某所
「はぁ…、何故なのかしら…。
何故プリンはすぐ無くなってしまうのかしら…。
美味しい。美味しい。と、一口、又一口、気が付けば無くなっている…。」
そう呟きながらプリンを掬い上げ、口元へ運んでいく。
千夜が食べているのはよく行くコンビニで買ってきたブッチンプリン。
3個入りで300円と、ちょっとお高いプリンなのだ――
え?これが千夜の〇〇事情なのかって?
確かにこれも千夜の悩み事の一つだが、千夜の〇〇事情とは少し違う。
今のは只千夜がプリンを楽しんでいただけである。
では、一体どんな事情なのか聞いてみようと思う。
プリン食べてから話す。と言われたので暫く待つことにした。
~10分後~
やっと質問に答えてくれた。
「そういえば、今何を悩んでるのかって?
そう…あれは最近になって…。」
千夜はそう言って悩みを語り出した。
「最近、食費がどんどん高くなっているの。
私と小春は元々少食で、更に夏になるともっと食べる量が減るの。
夏バテってやつね。」
千夜はさっき冷蔵庫から持ってきた四ツ葉サイダーの栓を開けて飲み始めた。
サイダーって、開けるときの プシュッ!! って音が気持ちよくて好きなんだよね。
そんなことはさておき、千夜の話の続きを聞こうと思う。
「だから食費が上がっていくなんておかしいのよ。
何故なのかしら…。
レシートを見れば何を買ったかは分かるのよ。
でも、いつもレシートはトレイに纏めてもらっているから、誰が買ったのかは分からないのよね…。
まぁどうせ、咲雪か奈月あたりが外でいっぱい買って食べてるんでしょう。」
そう言いながら千夜は紅茶を淹れる準備を始めた。
棚から新しいカップを出し、キッチンでお洒落なティーポットに水を入れてコンロに置いてお湯を沸かし始めた。
そして席に戻って来て話を続けた。
「ほんと、まだ夏だっていうのにこのまま上がり続ければ冬が凄い金額に…はぁ…。
何がそんなに食費を上げてるのかを今一度纏めて確かめ無いとだは…。」
大きな溜息をつく。
さっきからプリンやサイダー等、嗜好品の数々。
あれ以外にも買って食べているとなると、食費が高くなる…?
いや、まさかそんな事は無いはずだ、よっぽどの事が無い限り高くつく事は無い。
多分
そんな事を考えていると、、
キッチンから ピィーッ という音が室内に響きわたる。
どうやら湯が沸いたようだ。
「あら、お湯が沸いたみたいね。」
千夜は立ち上がり、様々な種類の紅茶が並ぶさっきとは別の棚に向かって歩いていく。
今気付いたのだか、千夜よ足元をよく見てみると、ピンクの兎の形をした可愛いスリッパを履いている。
可愛い。
クールな雰囲気を裏腹に可愛いものを履いている。
実は他にも可愛いものを…
「貴方、今変な事考えてたでしょ…。
そうね、――私にについて何か疚しい事を…」
そ、そんな事は無いと言いたいが、そんな事あるかも
どう説明するかな…、と悩んでいると千夜が
「まぁ、良いは。
それより貴方、私の悩み事の話の続きをしましょう。」
そう言いながら千夜は、ティーバッグに茶葉を詰めてカップの中に入れ、湯を注ぎ入れる。
その姿を見て、ふと我に返る。
そうだ、自分は千夜のスリッパを見に来た訳でも、疚しい事を考えに来た訳ではない。
千夜の悩み事やらを聞きに来たのだ。
千夜は紅茶を淹れ、一口。
「さっきの話の続きね、そう何故か食費が増えるのよ。
貴方はさっきの話を聞いてどう思うかしら?」
ふむ、なるほど
ここで自分に聞いてきますか。
と言うことでさっきの気になった事を話してみるとしよう。
千夜にプリンやサイダーの他に何か買っていないか聞いてみた。
「あぁ、えっと…クッキーがあるは。」
ケーキ屋で売っている高くとも良い品だ。
大きいクッキー2枚入のものが1つと小さいクッキー6個入のものが3つ。
しかし、これだけで食費が上がるとは思えない。
他に何か原因があるのだろうが、何か分からない…。
そう悩んでいると、、
何処からか声が聞こえてきた。
「千夜ねぇ
ポケットから何か出てきたよぉ
んーとねぇ、何処かの店のレシートみたいだよぉ」
ん?どういう事だ?
「あ、あぁ…
またやってしまったようね…」
また?
だが、何か心当たりがあるようだ。
聞いてみるとしよう。
「えーっとね、私って時折ライブとかイベントとかで遠征に行くのよね。
それで、遠征先のホテルの周りにあるお店でそこの名産品や有名な品を食べる事がよくあるの。
それに…」
なるほど、千夜は今人気の歌手だ。
遠征先で食べるものはそう安く無くてもおかしくない。
「それに最近遠征の回数増えたり奈月も一緒に行ったり、なんて事もあって
また、また忘れてしまっていた…。」
千夜は落ち着きが無くなりつつある。
一番聞きたい事に話が進まない。
「私、癖でレシートを財布等に入れずに貰ってそのままポケットに入れてしまうの。
それで、入れた事を忘れて帰って来るの。
いつも洗濯する前に彩がトレイに入れておいてくれる。
前に忘れた時、彩が教えてくれたのに私…。」
つまり、食費が上がっていっている原因は千夜にあった訳だ。
しかし、遠征先の店で食事をするのを止める訳にもいかないので、どうも出来ない。
だが、千夜の忘れっぽさはどうにかすべきだろう。
「そうね…。
でも、私もう何年も直そうと思ってやってきたのだけど、全然ダメだったのよ。」
あー、多分千夜のこの忘れっぽさは治せない気がする。
天然と言うのか、これは。
一方その頃彩はというと、疲れきって寝てしまっている。
奈月は寝てしまう前の彩からお菓子を貰い、それを食べている。
咲雪曰く
「何かちょっと前にも似たような事あったよ。」
だそうだ。
どうやら常習犯らしい。
だが一応、千夜の悩みは解決された…はずだ。
しかし、食費の計算をしている時に自分食べたやつだという事に気付かないものなのか?
千夜は落ち込んで
「はぁあ…」
と、大きな溜息をついた。
静かな部屋に千夜の呟きが響く。
そっとしておこう。
こうして、自分は静かに部屋から去ったのであった。
終
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「次回予告。
次回、【彩の漫画】。
お楽しみに。」
「やれやれ、あの子また〆切に追われてるみたいね。
もうちょっとしっかりしてほしいはね…」
というわけで次回は彩の漫画について本人から色々と説明、解説してもらおうと思います。
「それでは、御機嫌よう。」
つづく…
いかがでしたでしょうか。
最後まで読んで下さった方、ありがとうございました。
グダグダで文章も上手く無いですが、これからも頑張って参りたいと思います。
次回はもっと早く更新出来るように努力します!
次回もよろしくお願い申し上げます。
では。