引継がれた経験値
(この話はこの国の実話だ!)
「この話はこの国の実話です」
話に一区切りついたフィルシアール王子に、じっと見つめられながら、私はフィルシアール王子と目線が合わないように眼をそらした。
(…ーうん。ヤバい)
私は心の中で汗をダラダラ出しながら、紅茶をまた飲んだ。
(ふぅ。冷静になって、もう一度、ステータス)
そう心の中で唱えると、
ハル•イチノセ/ Lv:54
ポジション 聖女/転生者
HP5085/5085
MP7189/7189
魔法スキル
火属性魔法/Lv:44
土属性魔法/Lv:32
聖属性魔法/ ∞
武器スキル
弓/Lv: ーー
短剣:短刀/Lv:14
生産スキル
料理/Lv:99
これは自分のみ見れる自分の経験値の確認方法のひとつだ。
(前世の経験値も引き継がれてる!!)
「…ーら【水晶の間】でハルのステータスの鑑定を…」
フィルシアール王子が今後の事を説明してる。
【水晶の間】たしか人間ぐらいの巨大な水晶が置いてある部屋だ。
自分以外の人間にも、ステータスが確認できる方法のひとつだと前世は説明された。
(もうひとつ方法があった気がするけど…ダメだ、思い出せない。
鑑定を阻止しないと、されたら私が魔王を封印出来るLvに到達してるのと、転生者(生まれ変わり)ってこともバレる!)
「…ーーっ!」
春が鑑定を阻止する方法を一生懸命考えてるとフィルシアールが息をのんだのが春にも分かった。
『ハル聞こえますか?』
それと同時に春の脳裏にフィルシアール王子の声が響いた。
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