古の伝承
フィルシアール王子がテーブルの上に掌をかざして、
『MAP』
そう唱えると掌をかざした辺りにブゥンとゲームで見るような地図が浮かんだ。
「ディアーナ王国の最北端」
地図上の最北端のとんがり帽子のような先っぽを指差して、
「此処に【魔王】が封印されています。
?………ハル、どうしました?」
「いえ、なんでもないです」
「……そうですか」
フィルシアール王子は悲しそうな耐えるようにソコを見てる春の事が気になったが説明を続けることにした。
ー今より遥か昔、膨大な魔力を持った【なに】かが生まれた。
その【なに】かはソコに居るだけで人間には毒の瘴気を生み出し、瘴気が集まり濃くなり過ぎると人間を襲う魔物になった。
大勢の人々が困り果てた時、獅子が【なに】かを倒そうと立ち上がり、獅子と人々の祈りが神に届くと、何処から聖なる少女が現れた。
少女が祈ると【なに】かは封印され世界に平和が戻り、聖なる少女は封印が終わると何処かへ姿を消し、獅子がディアーナ王国初代国王になり【なに】かを【魔王】と名付けた。
「…ーこれがこの国の【建国の神話】です」
そこで一区切りつくとフィルシアール王子は紅茶を飲んだ。
(この話は)私はそう思いながら胸をギュッと掴むと、
「この話はこの国の実話です」
(この国の実話だ!!)
私の心の声と被るようにフィルシアール王子はそう呟く。
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