恥ずかしさと敬語と…
「この国をこの世界を救うために、貴女の意志を無視してこの世界に召喚してしまい大変申し訳ございませんでした」
フィルシアール王子は私に深々と頭を下げた。
私はそんなフィルシアール王子の後頭部を眺めながら、
(……イグニもこんな感じだったなぁ)
前世に出会った 金髪と翡翠色の瞳の青年との出会いを思い出していた。
「ハル様まずこの国の説明をしますと」
「…ごほっ、あの様はいりません。ハルで大丈夫です」
私が紅茶を飲んでいる時に2度目の様呼びが出たのでむせ返りながらも言った。
(やっぱり恥ずかしいー)
耳まで真っ赤にしながら私はまた紅茶を飲んだ。
「承知しました」
フィルシアール王子のその返事に、
「あっ、あの、敬語じゃなく、ため口でお願いします!」
(年下の男の子が敬語なんて違和感ありまくりだよー!イグニも年下の前世に敬語だったし、王子様ってみんなこうなのー!?)
私が頭を抱えながら考えてるとフィルシアール王子は少し迷いながら、
「……分かった。これで大丈夫ですか?」
フィルシアール王子の質問に私はコクコクと頷いた。
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