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フィルシアール

 ディアーナ王国王族の血を引く人間(ひと)は、必ず()()()()()()()()で生まれる。





 ー15年前ー


 先代国王陛下と王妃殿下の間に生まれた第二王子、フィルシアールは()()()()()()()だった。

 王家の色を持って生まれなかったため王妃殿下の不義を疑い、


『王妃殿下と不義の子(フィルシアール)に処罰を!』


 そう進言する臣下達が多い中、先代国王陛下は必死にその進言を止めた。


 先代国王陛下のその対応に不満を持つ臣下は多かったが、フィルシアールは先代国王陛下(ちち)と瓜二つに成長していったため、王妃殿下の不義を疑う声は次第に消えていった。





 ー10年前ー


 先代国王陛下(ちち)王妃殿下(はは)が亡くなり、第一王子(あに)が王位を継いで数日が過ぎた頃。

 ()()()()()()()()()()()()【禁書の間】へ行くようになってから兄はフィルシアール(おとうと)と距離をとりはじめたー…。





 ー春と出会う1カ月前ー


「…フィル、話がある」

「兄上」


(声をかけられるのは何年ぶりだろう…)


 そう思いながらフィルシアールは兄について行った先は【禁書の間】の扉の前だった。

 頑丈な石で出来た扉の中央に【獅子と魔王と聖女】が描かれており、兄がその絵に触れると扉は白く輝き開きはじめた。


 何の迷いもなく中に入って行く兄に、


「待ってください!

 …………っ」


 フィルシアールは無理だと顔を青白くしながらも必死に横に振るが、兄はそんな弟の袖を掴んで強引に【禁書の間】に入って行った。


 ()()()()()()()すんなりと入れた。


 フィルシアールに兄はいつ頃の書物だろうか、かなり擦り切れた1冊の本を差し出した。


(ああ、やっぱり)


 フィルシアールは兄から本を受け取り、


「…ーーーー気付いてたん…だね」


(きっと父上も分かっていた)


 フィルシアールは現世いまは亡き父と母、()()を思って泣き崩れた。

面白かったらすっごく嬉しいし、励みになりますのでブクマ、評価お願いします。

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