悲劇の始まり
「ルリーナ!大変だルリーナ!!」
俺達が居間でティータイムをしてる時に、ぜぇはぁと息を乱してお父様と叔父様が戻ってきた。
「あなた!どうなさったんですか!?」
「魔王の封印がゆるまっている!!」
「ええっ!本当ですか!?」
「????」
俺は驚き、ガルダは何も理解してなさそうだった。
カシャン!と、お母様が持っていたティーカップが床に落ちて割れる。
「早すぎるわ!」
【魔王の封印】は魔術師達の計算では、千年単位でゆるみはじめて、3年後に"完全に封印が解かれる"と言われていた。
前回の【魔王封印】からは、
「まだ3年の猶予があるはずよっ!」
「私はこれから国王陛下に報告へ行く!
ルリーナお前は、ガルジェタと子供達を連れて邸へ戻れ!」
「私も行くわ!
先代国王陛下と王妃殿下が亡くなって、王位を継いだアイルダは、まだ19歳よ!」
「……ルリーナ。
お前はもう臣下の妻だ。王宮に行っても謁見するには時間がかかるぞ?」
元王女のお母様が王宮に参内するには、手続きだけでも、早くて1ヶ月程時間が必要だった。
「お義姉様。
ここはお兄様に任せましょう?」
今まで何も言わなかった叔父様が、お母様を宥める為に口を出してきた。
「あなたフィルシアールは、まだ12歳よ。
心配だわ。私も連れて行って下さいませ。」
「……お母様っ」
「母さま?」
俺とガルダは、読書や刺繍が好きで、おっとりしていたお母様が、取り乱す姿を初めて見た。
「ルリーナ」
「………………」
お父様と叔父様が言い淀む。
現在、ディアーナ王国、王族の地位にいるのは、若すぎる現国王陛下と、幼い王弟の2人だけだった為、お母様の心配も当然だった。
「無理を言っているのは分かっています。
降嫁した身とはいえ、私は2人の肉親です。あなた、お願いします」
「………わかった。準備をなさい」
「ありがとうございます!」
お母様はお父様に、深々と礼をした。
「お兄様!
お義姉様は私達と、一緒がいいんでは、ないでしょうか!」
リディエール家、当主が了承したにもかかわらず、叔父様はお母様を王宮に行かせたくないようだったが、両親は準備の為に、部屋から出て行った。
「お兄様待って下さい。
考え直して下さいっ!」
叔父様は、両親が、お母様が馬車で出発する時も、必死に止めていた。
そして、
俺達が馬車で移動している途中で、王都方面から使者がやって来た。
「お父様とお母様を乗せた馬車が事故に遭った‼︎2人の安否はっ⁉︎」
「兄さま?」
「…………」
叔父様は暗く、深刻な表情だった。
「……お亡くなりに…なり…ました」
お父様とお母様が亡くなった。
「嘘だ‼︎」
信じたくなかった。
新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
面白かったらすっごく嬉しいし励みになるのでブクマと評価お願いします。




