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ルリエとの夜?

 目を覚ましたルリエは部屋の中をキョロキョロと見回した後、その視線を俺に固定する。

 わずかに赤み掛かった頬と、その潤んだ瞳に見つめられると、こちらがドキッとさせられてしまう。


「……さ、さっさと寝た方がいいと思うぞ」

「……いっしょに?」

「違う! 俺は床で寝るから、ルリエはベッドで一人で――どわあっ!?」


 ベッドに下ろしてすぐに離れようとしたのだが、さすがUR剣聖の身体能力というべきか、俺は腕を素早く掴まれてしまい、そのままベッドに引きずり倒されてしまう。


 ――むにゅん。


 そして、顔面からベッドに叩きつけられる予定だったのだが、そこにあったのは何やら柔らかな感触。

 ……これは、ずっと背中に感じていた感触ではない、と思いたい。


「ぅん」

「ご、ごめんなさああああいっ!」


 へ、変な声を耳のすぐ横で漏らすなよ!

 すぐに立ち上がろうと腕に力を込めるが、込めるが……ちょっと、腕を回して抱きしめるなよ!


「ちょっと、ルリエ!」

「……ダメ……うごか、ないでぇ」

「ひいっ!?」


 うぅぅ、この状況、どうしたらいいんだよ!

 落ち着け俺! 特に俺の下半身だ! 色々とマズいしこれ以上は俺の理性が暴発しそうだ!

 ひとーつ、ふたーつ、みーっつ、よーっつ、いつつー!


「……」

「……ぅぅん」


 むっつー! ななーつ! やーっつ! ここのーつ! とおー!


「……」

「……ねえ、スウェイン」

「……な、なんでしょうか」

「……おせわになってるし、いいよ?」


 …………何がいいんでしょうかああああああああっ!?

 俺の理性を暴発させようとしてるんじゃないでしょうかこの人はああああああああっ!?

 っていうかさあ! 俺、勇者なんだよなあ! XRなんだよなあ! なんで全く動けないんでしょうねえ!


「…………わたしって、みりょくない、かな」

「……そんなことはないよ。っていうか、魅力あり過ぎ」

「……そう?」

「……そうそう。だから、この腕を外してくれるとありがたい」

「……やだ」

「……なあ、ルリエ。本当にどうしたんだ? 突然こんなことをして」


 いや、マジで本当に突然過ぎるんだよ。……こんなことしなくても、本当に魅力的な女性なんだし。


「……わたし、スウェインのやくにたってるかな?」

「んあ? そりゃあ、そうだろ。ルリエがいなかったら、俺はあの魔人に殺されてただろうしな」

「わたしがいなかったら、そもそもおそわれてなかったよ?」

「そうか? 俺が勇者だと知れたら、いずれ狙われてたと思うぞ?」

「……そっか。そうかもしれないわね」


 ……雰囲気が、変わった? ようやく正気に戻ったか?


「……な、なあ、ルリエ。そろそろ腕を外してくれても」

「やだ」


 なんでだよ!?

 ってか待て、マジでそろそろマズいんだが。理性が……マジで、ピンチ!


「……ごめん、ルリエ!」


 そして、俺の理性が――ぶっ壊れる直前に全ての力を総動員して、その腕を振り払った。

 衝撃でルリエをベッドに押し付けてしまい、多少の痛みがあったかもしれない。


「んあぁ!」


 ……なんで変な声を漏らすんですかねえ!


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……ちょっと外に出てくるから寝ててくれマジでお願いだから!」


 一息にそう口にすると、俺は部屋を飛び出してドアを勢いよく閉める。

 ドアの前で心臓に手を当て、何度も、何度も深呼吸を行う。

 マジで、ギリギリだったぞ。そうじゃないと、下半身が過剰反応を示すところだった。


「……はぁ。ちょっと、外を散歩してくるか」


 そのまま宿屋の外に行こうとしたのだが、そこでこんなことを店主に言われてしまった。


「あんまり激しくしないでくれよ?」


 ……違うから! 払いのけただけだから!

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