knock and response
コンコンコン
部屋に鳴り響くノック音。
コンコンコン!
無視していたらノック音は少し強くなった。
うるさいなー、今リフティングに夢中なんだよ。
良いところ?なんだから邪魔して欲しく無いなぁ。
コンコンコンコン!!
1分以上無視していたらノック音はさらに激しさを増した。
「あのー…。ノックされてるでヤンスよ?」
俺の膝と足先にポムポムぺちぺちボヨンボヨンとリフティングされながら、ピエロ女がこちらに話しかけてくる。
あれ?コイツ今の状況受け入れてる??
いくら健康に良いツボを押してあげながらリフティングしてるとは言え、ボール代わりにされてる現状を受け入れてしまうとは…才能あるな。 (何の?)
「まあ良いんじゃね?今忙しいし。飽きるまでノックさせとこうぜ?」
「えー。でも誰だか分からないし一応出た方が良いんじゃ無いですヤンスか?」
「いやいや誰だか分からないから出ないんだろ?防犯意識低すぎるんじゃ無いか?異世界無警戒な人ばっかなの?魔物とか出るんだろ異世界?警戒心強めよ?な?」
「むーん、まあ確かに一理あるでヤンスね。じゃあせめて誰かだけでも確認しません?」
「えーー。めんどい。」
「いやいやいや、一応何があるか解りませんし。宝くじとかの当選のお知らせかもしれませんし。」
「宝くじの当選のお知らせが家に来たらそれはもう確実に詐欺だよね?」
「まあまあ、とりあえず一言だけでも声掛けましょうよ?どうせアンタがワタシをバインバインさせて足でワタシの肉感を楽しんで性的喜びを得ている音は外にダダ漏れしてるんですから居留守は使えませんよ?」
「…おいちょっと待て?人聞きの悪い事を言うな!
ちゃんと尻とか胸とかには触れないようにしているぞ!俺は紳士なんだ!」
「3回!!」
「…は?」
「胸1回、尻2回の合計3回ほどデスが確かにアンタの膝が当たったっす。」
ギクり。
「えっと違う、違うぞ?確かに当たったってかカスったけど、それはお前が女だって気がつく前の話でだな!だいたい俺は転移前の世界で好きな子にフラれて傷心しているわけで、そんな不謹慎な事をする様なメンタル状態では無くてだな…」
あわあわあわ。
「あーちなみに、3回のうちの1回、胸をかすめたのはワタシが女だと判明した後…」
「うわああー早くノックに応えなくっちゃー!」
イヤもうマジでごめんなさい。
「まあ思春期の童貞でヤンスからねー。恋愛感情がピュアでも煩悩は別問題でヤンスもんねー。」
「童貞って言うな!」
…童貞だけど。
「まあ可愛そうな今鹿風谷をこのお姉様が慰めてやっても良いんでヤンスよ?ワタシはオトナでヤンスからね?」
「いや、お前年齢いくつだよ?」
「16でヤンス」
「年下じゃねーか!!」
「精神年齢は上でヤンスよ。」
ドンドンドンドン!!!
あ、忘れてた。
扉の向こうの誰かさんが激おこみたいなのでとりあえずピエロ女との会話を切り上げ、扉に近づき声を掛けてみることにする。
「…えーっと。どちら様です?」
「…ワシだ。」
野太い声の不遜な声が返って来る。
「え?鷲?…鳥?」
「何でだ!?鳥が扉ノックする訳なかろう!」
「いやキツツキとかコンコンするし。」
「鷲はしないであろう!!」
「いや鷲じゃ無いって言うしさ。」
「もういいから1回鳥から離れろ!」
「え?ロリ?」
「ロリじゃ無いわトリだ鳥!!」
「ロリコンはお帰りください。」
「ロリコンは年下であるワタシの肉感を膝で楽しんでいたアンタでヤンス。」
「ピエロうるさい。」
「え?なにがおこっておるのじゃ?…肉感?今肉感を楽しむとか聞こえたんじゃか?」
「違う!違います聞き違いです!」
「違いません。」
「ピエロだまれ!」
「いいから早く開けんか!」
「いやだから誰だよアンタ?」
「ワシはワシじゃ!この館の主人!」
「え?アルフィー?まさかTHE ALFEE!?マジですか昔からファンなんです!サイン下さい!」
「誰が高見沢じゃ!アルフィーじゃなくてアルジじゃ主人!!わざとじゃろ!?お前わざとやってるんじゃろ!?」
異世界人THE ALFEE知ってんのかよ。
さすがだな世界のTHE ALFEE。
「…え?主人?…やっべ。」
俺の膝の上でピエロ女が青ざめている。
「あのー、今鹿風谷…さん。扉、開けてもらっても良いっすか?ちょっとガチでヤバイので。」
ピエロ女がヤンス言葉の設定も忘れて、しかもさん付けで頼んできたので、、、俺は扉を開けてやることにしたのだった。