甘い生活とは程遠い
冥界の王ハデスの妻となった悪役令嬢キャサリン。
さぞかし甘い生活をしているのかと思いきや……。
「どういうことなの!?」キャサリンはついつい叫んだ。
なぜなら、妻にしておきながら、毎日毎日言われる言葉は、あれをやれこれをやれと、ハデスの雑用ばかりであるからだ。
雑用は、巨大な城の掃除やケルベロスたちの世話等。
甘い生活とは程遠い悪役令嬢キャサリンである。
それもこれも冥界の王ハデスが恋愛オクテだからである。あのハデスのプロポーズは恋愛オクテならではの技だと言えよう。
「これじゃハデス様の妻ではなくて、ただの雑用係りよ?」悪役令嬢キャサリンはそう自分に言った。
(ふん、もうこうなったら、いっそのこと浮気でも!)キャサリンがそう考えるも、ここは冥界。周りはゾンビばかりである。
「イヤー!」キャサリンは絶叫した。
「どうしたのだ? キャサリン?」聞き付けた冥界の王ハデスこと美青年バージョンが現れた。
「ハデス様? 私のことはどう思っていらっしゃるの?」
「そんなの妻に決まっているだろう?」ハデスはそう答えた。
「いいえ! こんな毎日は雑用係りと変わりませんわ! 夫婦でしたら、もっとこう……」ここで乙女の恥じらいを見せる悪役令嬢キャサリン。
「もっとこう? なんだ?」天然の冥界の王ハデス。
「もう! 知りませんわ!」そう言ってキャサリンは泣きながら走って行く。
残されたハデスはしばらく考えている。
続く




