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釣りと幻想の物語〜僕の異世界冒険釣行〜  作者: 久保田akkun
第四章 南方黄鉄の坑道〜タイタニアード編
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リューの強さの秘密〜あのアニメキャラのように飛びたかっただけなんだ〜

その後、ロックに促されるまま、再び長の元へと向かったリュー達。

長の家へと歩いて行く道すがら、ラビはリューへと疑問を投げかけた。


「ねぇねぇ、リューちんって、なんでそんなに強いの〜?まさかタイタニアンを倒しちゃうなんてさ〜。」


「あ、それは、私も興味あるなー。」


ラビの疑問にシルカも乗って、2人でリューへと詰め寄って来た。


「えーと…うーん…なんか恥ずかしいから言いたくないんだよな…。」


リューは、赤い顔をしながら下を向いて、ポリポリと鼻の頭を掻いている。

小学生の高学年の時、同級生にこの話をした時に、盛大に笑われて喧嘩騒ぎになった事をリューは思い出した。


「いいじゃない?嘘じゃないけど、何かを隠してたのは、私も気付いてたんだからね?」


「あたし達仲間だから〜!リューちんが何を考えていても笑ったりなんかしないよ〜?」


「…。」


その2人の言葉に、リューは少しだけ考え込んだ後、顔を上げて一言だけ言った。


「…僕は…空を飛びたかったんだ。」


「へっ?…空を飛ぶ?」


「う〜ん、どゆことかな〜?

それが強くなるって事と関係あるの〜?」


それに対してリューは、日本でのアニメや、漫画、物語の事を交えながら、空を飛ぶ事について語った。


「僕の国は、アニメとか漫画っていう、絵で物語を表現する事が凄く発達している国でね?

その中で空を飛べる人って言うのが、物凄く強い人ばっかりだったんだ…。」


「えーと、つまりリューは、空を飛びたかったから物語の登場人物の様に強くなろうとしたって事?」


「う、うん…。」


リューは真っ赤な顔をして頷く。


「…え〜?それが何で恥ずかしい事なの〜?」


空を飛ぶ事。

このリジュワルドの世界では、それはスキルの効果などで実現できる事だからであろうか?

ラビが不思議そうに聞き返してきたので、リューは元の世界の事を2人に説明する。


「シルカもラビも、タックル便利なんかで僕の居た世界は少し見た事があるだろ?

簡単な話なんだ、あの世界ではスキルも、魔法も存在していないんだよ。」


「え?あの明るかった店内は、スキル[灯火(トーチ)]の効果じゃないの?」


「あれは、[電気]って言う力を使って光らせているんだ、こっちの世界でも偶に雷が光るだろう?

その雷の力を作り出して、店内を光らせているんだよ。

僕の居た世界は、スキルが無い代わりに、色々と便利な道具を作り出して生活しているんだ、釣竿やリールを見ても道具が発達しているのが分かるだろ?」


少し驚いた顔をしたラビが、リューへと聞いてみる。


「へ〜、すごいなぁ…雷の力か〜。

つまり、リューちんの世界では飛ぶ事は、一般的じゃなかったんだ〜?」


「あぁ、一般的と言うより、あの世界のヒューマンは、自身の身体一つじゃ飛ぶ事はおろか、海を越える事さえも絶対に無理な事だったんだ。

だから幼かった僕は努力して、物語の中の主人公の様に強くなって空を飛びたい!…と、夢見ていたんだけれど…いつしか現実を悟ってしまっていたのか、飛ぶ事よりも強い事が一番カッコいいと錯覚してしまったんだ。」


「ん?強いといけない事なのかな?」


リューは首を振ってシルカに言う。


「ただ強さを求めるヤツなんてロクなもんじゃないよ。

そこにちゃんとした理由がなければ、いつだって悪人に成り得るんだから。

…僕は、自分の強さを誇示する為に喧嘩をよくするようになってしまったんだ。

その時は、強ければ全て正しい!…と、本気で思って、強くなる技術を磨いていたからね。」


「なんか今のリューちんからは想像出来ないね〜?」


少し苦笑いをしているラビが、素直に感想を述べる。


「そこで転機が訪れたんだ、僕は中学校って学舎で吊るし上げをくらったんだ。

散々な言われようだったよ「この悪人が!」とか「学校に来るな!」とか、散々みんなに詰められたんだ。

…そんな中で、たった1人だけ、僕に味方してくれたヤツがいたんだ。」


リューは、太陽の日差しに目を細めながら言った。


「そいつは[コーヤン]って呼ばれていた、僕の小学生時代からの友人でね、僕を庇うように立って、みんなに言ってくれたんだ「こんな純粋なヤツが悪人な訳ないだろ!」…って。

…今まで何度も喧嘩して、殴られても涙した事が無かった僕が、初めて声を上げて泣いたね。

そこで気付いたんだ、ただ強くなる事よりも、優しさを持つ事の方が、難しくて素晴らしい事だって。

そして思い出したんだ、僕はただ空が飛びたかったから強くなりたかったんだって事をね。」


「「…。」」


2人は押し黙ったまま、涙目になっている。


「そこからも僕は、変わらず強くなろうとした。

…ただ、その方向性は勿論変えたけどね。

飛べなくたって良いんだ、ただ優しさを強く持っていれば、この二本の足で、何処へだって行けるんだ!

どんな苦難だって乗り越えれる!!そう信じて歩いて来たのが今の僕だ。」


それを聞いたシルカとラビは、リューに抱きついて来た。


「…良い友達だね。」


「うん、今の僕は、コーヤンの優しさから生まれた僕だから。」


「あたしを旅に連れてってくれるのも、ハバキの子なのに優しくしてくれるのも、その優しさ持とうとしてるから?」


「それは関係ないよ、僕達を助けてくれた優しいラビを邪険にする理由が何処にあるんだ?

そのラビを泣かせた皇太子ヴォルクが許せなかったのと、旅に連れて行くのは、ラビの力になってあげたかったからだね。」


それを聞いたラビは、ギュっ!とリューにしがみつく。

その瞬間、完全にラビの信頼を得たのだろうか?

リューのウインドウが開いて、スキルの項目にNEW!!の文字が点灯している。



ユニークスキル[地底神ハバキの子の(めい)]


地底神ハバキの子であるラビの信頼を得た証のスキルで、ユニークスキル[地底神ハバキの地祇(ちぎ)]の下位互換。

地に住む者の思考を見抜ける訳ではないが、好意的か、敵対心を持っているかの判別が出来る。


追加効果で不眠症にならずに安眠出来る。



「追加効果ァァァァァァァァ!!」


と、リューが叫んだので、シルカ、ラビ、ハスキー、そして少し前を歩いていたロックもビクッ!!として、リューをポカーンと見つめていたのだった。

またもや釣りに行ってました、こんな僕をお許しください…。

今回釣ったカサゴは27cm程、前回釣ったイネゴチも50cm程あったので、職場のオーナーへプレゼントしました!

僕の職場のオーナーも釣りをするのですが、岸からの釣りをする僕と違って船釣りのルアー専門の人なので、釣果が華やかです!

先週、先々週と、赤魚坴(アカムツ)(別名ノドグロ)、魚荒(アラ)大目羽多(オオメハタ)(別名シロムツ)、真鯖(マサバ)金目鯛(キンメダイ)、と高級魚を大量にいただきまして、僕はホクホクです笑

…お返しが割にあってないかもしれません…。

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