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釣りと幻想の物語〜僕の異世界冒険釣行〜  作者: 久保田akkun
第四章 南方黄鉄の坑道〜タイタニアード編
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龍尾六連星の神話「いや、あれシーラカンス座だから!」

う…ん…身体中が…痛い…な。

僕が目を覚ますと、そこはタイタニアンの家だろうか?大量の藁にシーツが掛けてあるだけの簡素な寝床に、藁を包んだ掛布団が掛けられており、そこに僕は寝かされていた。


「リュー…起きた?」


横を見ると、シルカが寝転がっていて、此方を見ている。

きっと、僕の看病をしてくれていたのだろう。


「うん…あー、えーと、無茶してゴメンな…。」


「…ホントだよ…最近、リューの事を心配して、何度泣かされたか分からないよ…。

…あんまり無茶しないでね?」


僕がシルカの銀色の髪をかき分けると、シルカは、心地良さそうに目を閉じた。


「…はい、以後、気を付けます。」


そう僕が言うと、シルカは目を閉じたままゆっくりと頷いた。

ガラスの無い窓から夜空を覗くと、この前、僕が名付けたシーラカンス座が煌めいており、少しロマンチックな気持ちになったのだが、身体中が痛んで全く動けそうにない…。

せっかくシルカと二人きりで、良い雰囲気なのに何という生殺しだろうか…。

オートリカバー、ちゃんと仕事しろ。


「…ほら、シルカ、夜空の星が綺麗だよ?」


シルカは体制を入れ替えて、僕に背を向けると、夜空を見上げて言った。


「うん…[龍尾六連星(りゅうびろくれんせい)]が綺麗だね…。」


「龍尾…六連星?」


僕が聞き返すと、シルカは指を指して僕に説明してくれた。


「うん、あそこに赤くて大きな星があるでしょ?あの星を含めて右へ星が6個連なってるじゃない?あれが龍尾六連星。

大昔にヒューマンの英雄であるブレイブが、龍の尾を斬り飛ばした物が、天へと到達して星になった…って話しだよ。」


「あれシーラカンスの背骨…あ、いや、そうなんだ…。」


僕は、せっかく名付けたシーラカンス座に先に名前が有った事に、少々凹んだが、斬り飛ばされた龍の尾の話の方がカッコいい話だったので、それはそれで納得した。


「ん?しーらかんす?」


そうシルカが聞いてきたので、シルカに僕の居た世界に生存する、世界最古の魚の話をし始めた僕は、ついつい話に熱が入ってしまい、気付いた時にはシルカは寝てしまっていた。

…うぅ…ロマンチックな雰囲気だったのに…魚が絡むとこれだ…僕の馬鹿野郎…。


…。


「…リュー…起きてる…か?」


藁を折り畳んで作ったドアの向こうから、ロックの声がする。


「ん…。」


僕が再び目を覚ますと、窓から朝日が差し込んでいて、時刻は早朝だろうか?僕は「うーん!」…と、一回伸びをすると、ロックの声に応えた。


「ロックかな?起きてるよ!どうぞ!」


その言葉にドアが開いて、ロックが室内へと入って来た。


「…リュー…おは…よう…。」


「あぁ、ロック、おはよう!」


「…身体…大丈夫…か?」


僕は昨夜まで痛んでいた身体を見つめて、腕をグルグルと回すと、ダメージは完全回復している様だ。

オートリカバー…仕事が遅いって…いや、ありがとうございます。


「うん!もう完全回復してるみたいだ!僕は、スキル[オートリカバー]を持っているから、普通より回復が早いみたいだからね。」


「…そんな…スキル…も…持ってる…か…。」


ロックは、その場に胡座で座ると、僕の方を見て言った。


「…リュー…力…示した…俺…テイカー…の所…居て…も…テイカー…守れなかった…事…証明…された…。」


僕は首を左右に振る。


「僕がロックに勝てたのは、運が良かっただけで、僕自身ロックより強いなんて思ってないよ。

テイカーの事は、本当に申し訳なく思っているし、ロックの怒りも受け止めているよ。」


「…リュー…と…戦ってる…時…から…思って…た…リュー…優しく…強く…諦めない…心…持つ。

…俺…リュー…の…事…凄い…戦士だ…と…認めた。」


その瞬間、ウインドウが開き、スキルの項目にNEW!!の文字が点灯している。

僕はウインドウのスキルの項目をタッチすると、イドラヴァの子由来のユニークスキルが表示された。



ユニークスキル[大気神イドラヴァの子の烈風]NEW!!


イドラヴァの子である、タイタニアンのロックに認められた証。

ロックのユニークスキル[大気神イドラヴァの颶風(ぐふう)]の下位互換ではあるが、攻撃に暴風による追加効果が乗る。



「ロック…ありがとうございます。」


「…俺…倒した…ヤツ…リュー…初めて…テイカー…仇…頼ん…だ…。」


そう言うと、ロックは今まで見せなかった最上級の笑顔を浮かべたのだった。

風の強さの表現について。


静穏…風秒速0.2m以下

至軽風…風秒速0.3m以上1.5m以下

軽風…風秒速1.6m以上3.3m以下

軟風…風秒速3.4m以上5.4m以下

和風…風秒速5.5m以上7.9m以下

疾風…風秒速8m以上10.7m以下

勇風…風秒速10.8m以上13.8m以下

強風…風秒速13.9m以上17.1m以下

疾強風…風秒速17.2m以上20.7m以下

大強風…風秒速20.8m以上24.4m以下

暴風…風秒速24.5m以上28.4m以下

烈風…風秒速28.5m以上32.6m以下

颶風…風秒速32.7m以上


参考までにどうぞ!

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