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釣りと幻想の物語〜僕の異世界冒険釣行〜  作者: 久保田akkun
第四章 南方黄鉄の坑道〜タイタニアード編
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リュー達の束の間の休日

本日もリジュワルドの空は晴天で、とても良い釣り日和です。

祭り騒ぎから明けて翌日の今日は、僕、ラビ、ハスキーで、件の石積み堤防でマッタリと釣りをしている次第です。


「…あー…平和だねぇ…はぁーーあ。」


空に浮かぶウロコ雲の切れ端を何となく数えながら、シルカのハードロッキンでテキサスリグをリフト&フォールさせつつ、僕は大きな欠伸をした。


「わふっ!(また餌取られちゃった、餌付けて!)」


そう急かすハスキーに「ハイハイ。」と、新しい魚の切身餌を付けてあげると、ハスキーは首を上手く回し、延べ竿を操作して仕掛けを投入している。

ラビは、と言うと、僕の平鱸ロッドで30g程のメタルジグを投げてワンピッチジャークをしており、先程から40cmくらいの魚を釣り上げてはリリースをして、釣りの練習をしている。

先程から青物の群れに当たったのか、2匹程釣り上げて、ラビは御満悦である。


「よ〜し!リューちん!また来たよ〜!!」


おっ、ラビに3匹目がヒットしたようで、笑顔でリールをグルグルと巻き上げている。

僕はラビにサムズアップすると、釣竿を横に置き、ゴロンと仰向けに転がってウインドウを弄り始めた。


「お、そう言えばフロンティアサルテイカーのスキルを確認するの忘れてたなぁ。」


僕がスキルの項目をタッチすると、新しいスキルが表示されていた。



スキル[敏捷性向上(中)]NEW!!


フロンティアサルテイカーの機敏な遊泳力を模したスキル。

ステータスの敏捷性の値に[60]のボーナスポイントが付与される。



スキル[格闘強化(頭突き)]NEW!!


フロンティアサルテイカーの発達した額での頭突きを模したスキル。

頭突きの威力が増し、また頭蓋が硬くなるので、脳震盪を起こし難くなる。



「やった、また2つも有効なスキルを手に…入れたな…。」


ボケーっと、スキルを確認していると、身体中に感じている暖かい日差しにウトウトとして、僕はゆっくりと目を閉じた。



…。



私が、お弁当を作ってリュー達に届けに行くと、はしゃいでいるラビとハスキーの奥の方で、リューは眠っているようだった。

昨日のお祭りの疲れが残っていたのかな?リューはスヤスヤと眠っている。


「…ねぇ、リュー?」


そう言ってリューの肩を軽く叩くと、眠りは浅かったのか、すぐに此方を見て言った。


「…ん?…シルカ…?」


私が足を崩して座り、膝の上をポンポンと叩くと、リューは私の膝枕に頭を乗せた。


「昨日は、色々とお疲れ様。

それと、私をフロンティアサルテイカーから助けてくれてありがとうね。」


「…僕がシルカを助けない訳ないだろ…。

逆に引き摺り込まれたのが僕だったら、シルカはどうしてた?」


その場面をイメージしてみると、即座に飛び込んでいる私を想像出来る。


「うん、聞くまでもないよ?勿論、すぐに飛び込んで、リューを助けに行ったよ。」


リューは私を薄目で見上げると、ニッコリと微笑んで言う。


「僕はシルカがピンチなら、何が何でも、何度だって助けに行くよ、だってシルカの事が好きだから、絶対に守りたいんだ。」


「私もリューの事が大好きだから、絶対に助けるよ…。」


そう言ってリューの頭を撫でると、リューは心地良さそうに再び目を閉じた。

少し離れた位置で、ラビとハスキーがニヤニヤしてこちらを見ているから、後で少しお説教が必要のようね。



…。



リューちんと、シルカちんが良い感じだから、思わずニヤニヤしていると、シルカちんに少し睨まれちゃった。


「ハスキー、これ以上からかうと、後でシルカちんが恐いからやめとこ〜?」


「わふっ?(ラビの姉ちゃん、やめようって言ってる?)」


そのハスキーの言葉に、あたしは首を縦に頷く。

そう、あたしがハスキーの言葉を理解しても、リューちんみたいにハスキーに言葉が通じる訳じゃないんだ〜。

だけど、何となく察してくれるんだよね〜、ハスキー可愛いよ〜!!


「じゃあ、二人の邪魔しないように、シルカちんが持ってきてくれたお弁当を食べようか〜?」


そう言って、シルカちんの持ってきたバスケットを見てみる。

そこには魚の薄切りスモークと、チーズが挟まったパンが人数分と、ハスキーの分のお肉があった。


「はい、ハスキー!!」


「わふっ!(肉だ!いただきます!)


お肉を夢中で食べるハスキーもまた可愛いな〜。

あたしもパンを掴むと、ひと齧りして沖に浮かぶタイタニアードを眺める。

あそこがテイカーの生まれた場所なんだよね…。

今迄、タイタニアードを見た事は何度も何度もあったけど、こんな複雑で落ちた気持ちで見た事は無かったかな…。


「…テイカー、もう少しで故郷に着くからね…。」


腰のバッグの中のテイカーが着けていたペンダントヘッドにそう語りかけると、少し涙が溢れそうになっちゃったんだ。



…。



あれー?なんだか、ラビの姉ちゃんが元気が無くなっちゃったな?ご飯が不味かった?…いや、あの顔は、大きなテイカーさんの事を考えてるに違いないぞ。


「わふ…。(ラビの姉ちゃん、元気出してよ…。)」


おいらがラビの姉ちゃんの顔を舐めると、ラビの姉ちゃんは、ニコッて笑ってこっちを見た。


「…うん、ありがとうねハスキー。

君は、リューちんに似て本当に優しい良い子だよ〜!」


ラビの姉ちゃんが何を言っているのかは、おいらにはよく分からないけど、笑顔になってくれて良かった!!おいらも釣られて笑顔になっちゃうから、みんなみんな笑顔がいいと思う!!


「わふっ!(さぁ、ご飯食べよ!)」


「うん〜そうだね〜!」


ラビとハスキーがご飯を口に放り込むと、置き竿にしていたハスキーの延べ竿のウキが引き込まれて、釣竿が落ちそうになった。

それをハスキーが素早く駆けつけて咥えると、30cm程のルーンフィッカーがキラキラと太陽を反射しながら空中を舞った。

その光景にラビとハスキーが、目をキラキラとさせて楽しそうにはしゃいでいる。

ラビとハスキーの様子を見たシルカも、ニコニコと笑いながら手を振って、ハスキーの応援した。


「ハスキー!後ちょっとだよ!頑張れ!!」


リューは、目を閉じたまま、そのシルカの応援を聞いて微笑んでいた。

リュー達一行の、メルビエールでのマッタリとした休日がそこにはあったのだった。

マッタリ回も、たまには良いかな、と思いました笑

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