大魚との開戦の狼煙
リューが目を開くと、そこは知らない家の中だった。
シルカやラビも寝ているところを見ると、時間は深夜だろうか?ハスキーだけは、こっちを見て尻尾を振り回している。
「ハスキー…静かにな。」
「…わふっ。(…了解した、御主人。)」
ここがどこなのか分からない以上、勝手に出歩いたりしない方がいいだろう。
リューは、ベッド横に置いてあった蝋燭に火を灯して床に座り込むと、明日の戦いに備えて、買ったリールとリーダーラインを丁寧にFGノットで組みあげていった。
ハスキーは、横でその様子を尻尾を振りながら見ている。
「…よしっ、後は朝マズメを待つだけだ。」
タックルを片付けると、リューはハスキーを抱っこして窓の外を眺めていた。
少し雲が掛かっていて星は見えなかったが、未だ戦った事がない、未知の大魚との勝負に胸の闘志が燃えていたのだった。
…。
「…あれ〜?リューちん起きた〜?」
夜明けと共に、まずはラビが目を覚ました。
「おはようラビ、昨日は迷惑を掛けたね。」
「大丈夫だよ〜、シルカちんとリューちんを抱えてこの安宿に転がり込んだんだ〜。」
そんな会話にシルカも目を覚ます。
「ん…リューおはよう、もう身体は大丈夫…?」
「シルカおはよう、僕にはスキル[オートリカバリー]があるからね、一晩眠ればバッチリだよ。」
リューが万全なのが嬉しいのか、シルカはニッコリと微笑んだ…と思ったら再び寝ている様だ。
…夢だと思ってるのだろうか?
「ほらシルカ!あの魚を釣りに行くよ!起きて!」
リューがシルカの身体を揺すると、シルカは身体をゆっくり起こして辺りを見回す。
「…あれ、リューおはよう、もう身体は大丈夫?」
「お、おう、その会話…20秒前にしてるからね?」
そのやり取りを見てラビとハスキーが笑い出したが、シルカは訳が分からないのか、キョトンとしていた。
全員が身支度を済ませると、リューが今日の作戦を話し出した。
「まずは僕が魚を釣って、岸近くまで寄せてくる。
そうしたらシルカが、スキル[飛翔]を使ってこのギャフを魚に掛けてくれ。
そのギャフをラビが受け取って陸地に引き上げてくれれば、僕達の勝ちだ!!ハスキーは、応援を頼む!!」
「うん!分かった!頑張ろうね!」
「は〜い!あたしも頑張るよ〜!」
「わふっ!(おいらメッチャ応援するよ!)」
三人と一匹は、それぞれを見つめ合うと、頷き合った。
…。
石積み堤防の上をみんなで歩いて行くと、昨日のお爺さんが、ジーっと海の方を見ているので、リューは挨拶をした。
「おはようございます。
今日は、例の魚現れますかね?」
「おはよう…おや、昨日の…?なんだ、まだあの魚を諦めてないのかね?…ん?」
お爺さんは、リューの手に握られているロッキングショアパーガトリーを見つめて聞いて来た。
「それは…釣竿…なのか?」
リューはニヤリと笑うと、お爺さんに簡単に説明した。
「これは僕の世界で、岸から100kgもある魚を釣り上げちゃう猛者が使う釣竿ですよ。」
「…なんじゃと?」
お爺さんは、信じられないと言った様な顔をしているが、リューは、その横でタックルを組み上げていく。
2ピースのロッキングショアパーガトリーを繋いで、リールを取り付け、ガイドにラインを通していくと、お爺さんが聞いてきた。
「この、釣竿に付いているコレはなんじゃ?」
そう言って、ロッドに付けられたリールを指差した。
「コレはリールという物で、糸を出したり巻き取ったり出来る釣具です。
一定の力が掛かると、糸が切れない様に糸が自動で出て行く仕組みが付いています。」
「仕掛けを遠くに投げれる…魚の力を逃す…そんな物があるのか…世の中は広いな…。」
お爺さんが驚愕していると、リューは取り敢えず広範囲を探るために80g程のメタルジグを付けて、ペンデュラムキャストで大海原へとルアーを投入していったのだった。
時々更新しない日があると思いますが、そんな日は大体釣りに行っているか、仕事で疲れ果てて書き掛けで寝落ちしてしまっている場合か、です苦笑
最近の作者の釣果はこんな感じですね。
カサゴ20匹くらい(最大30cmくらい)
メバル2匹(最大25cmくらい)
ワニゴチ4匹(最大20cmくらい、友達と弟子が50cmクラスのワニゴチを釣っており悔しいです笑)
ツバクロエイ10kgクラス(カサゴ釣りの外道、リーダー2号だったので、冷や汗かきながら、いなし、何とかゲットしました笑)




