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釣りと幻想の物語〜僕の異世界冒険釣行〜  作者: 久保田akkun
第四章 南方黄鉄の坑道〜タイタニアード編
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伝説の名竿は納得のお値段

シルカからひと通り説明を受けた皆木さんは、ラビをロリータ扱いしてしまった事と、勘違いでリューをフルボッコしてしまった事に罪悪感を感じていたのだった。


「いや〜、ドワーフを知らない人なら、そう感じてもおかしくないから大丈夫ですよ〜?」


「まぁ皆木さんは、僕が変な方向に行ってると思ってしまって、それを止めようとしたって事で終わりにしましょう!」


リューとラビはそう言うのだが、皆木さんはションボリとしてしまっている。


「わふっ!(皆木の姉ちゃん、ドンマイ!)」


ハスキーが、いつか店長にした様に皆木さんの足にお手をして励ますと、その愛らしさに皆木さんは少し元気が出たようだ。


ハスキー!ナイスー!!


リューは心の中でハスキーを褒めつつ、今のうちに話題を変えようと話しかけた。


「あ、そう言えば、今日は大物をショアから釣る為のタックルを見に来たんだった!!皆木さん、案内してくれるかな!?」


「あ、はいっ!!どんな魚を狙うんですか!?」


リューは、フーッ…と息をついて安心すると、狙ってる魚の事を皆木さんに説明し始めた。


…。


「…ショアから2m級の青物ですか、日本ではあんまりやってる人が居ない釣りですねぇ。」


「そうだねぇ、沖磯での磯鮪(イソマグロ)や、平政(ヒラマサ)、後は地磯での黄肌鮪(キハダマグロ)本鮪(ホンマグロ)やる人が、ごく少数いるけど、それくらいだろうね。」


リューは、国内ショアでの大物ルアー釣りを例に挙げて説明した。


「…ロッドのMAXドラグ(※1)が8kg以上、ラインキャパシティ(※2)がPE5〜6号ないと厳しいと思いますねぇ…。」


そう言って、リューと皆木さんは、うーん…と悩んでいる。

その間、シルカは何となく辺りをキョロキョロと見回して店内を歩いていると、一本のゴツい釣竿が目に入り、それを手に取った。

異世界のヒューマンであるシルカは、その釣竿から何かオーラの様なモノを感じて、釣竿に刻印してあるそのの名前を見てみる。


[太閤(タイコウ) BLACKTIDE ROCKINGSHORE PURGATORY]


シルカには勿論その名前は読めなかったが、不思議と惹かれたので、リューと皆木さんの元へ、その釣竿を持って行った。


「ねぇ…リュー、この釣竿なんだけど…。」


「ん?シルカどうしたの?」


シルカが一本の釣竿を差し出すと、リューが目を見開いて釣竿を見ている。


「…まさか!?…そんな!?うぉぉ!!ロッキングショアパーガトリーが置いてあるなんて!!」


「あぁっ!!そう言えば、昨夜コレを売りに来てた人が居ました!!」


「な、何!?そんな凄い釣竿なの!?」


シルカが、二人の反応にビックリしていると、リューが興奮気味に説明してくれた。


「この釣竿を作っている[太閤(タイコウ)]は、数年前に釣竿を作るのを辞めてしまったメーカーなんだけれど、その質の良い釣竿は、未だに根強いファンがいるという伝説のメーカーなんだ!!」


リューは、ロッキングショアを手に持つと、愛おしい目で見つめている。


「コレだ、これしかないっ!!皆木さん、コレを買うよっ!!」


「そうですね!!丁度、先程言っていた条件もクリアしていますし、安心の太閤ブランドですからねぇ!!」


リューは、リールの棚の前に行くと、いくつか候補を絞ってSHIMADOのファインパワーSW8000HGを手に取ると、皆木さんに手渡した。

皆木さんはリューに向かって頷くと、流れるようにスピーディな作業で、リールに5号のPEラインを巻いて行く。


「リーダーラインは?100LB(ポンド)あれば行けるかな?」


その間にリーダーラインや、ルアー、小物などをかき集めたリューは、皆木さんの居るカウンターへとそれらの商品を置いた。


「…海上さん、ランディングはどうするんですかぁ?」


皆木さんの言葉に、リューは慌てて1mほどの取っ手の付いたギャフ(※3)を持ってきた。


「…ねぇ皆木さん、ロッキングショアにテンションが上がっちゃって勢い余って色々買っちゃったけどさ…コレ全部でいくらするの?」


リューは、ふと我に返って皆木さんに値段を聞いてみた。


「12万…6530円ですぅ…。」


「…少しだけ、待っててもらえるかな?」


リューは、タックル便利を飛び出すと、密林の方向へとダッシュで戻り、バーサーカーの様に木々を切り倒して素材として貨幣交換し、タックル便利へと戻って行った。


「ゼー!ハー!ゼー!ハー!…何とか…お金は…持って来ました…。」


「…ご、ご苦労様ですぅ。」


皆木さんにフルボッコにされて少なくなったHPと、資金集めの疲れが一気に押し寄せたリューは、シルカの胸にバッタリと倒れ込んだのだった。


たまたま密林の近くを通った行商人は、仲間達に震えながら言った。


「メルビエールの大森林には気をつけろ…、あそこには、奇声を発しながら剣で木を切り倒す気狂(バーサーカー)いが居るんだ…その顔は、ヒューマンとは思えない程に歪だった…。」

※1ロッドのMAXドラグ

その釣竿が何キロまでぶら下げても破損しないかの数値。


※2ラインキャパシティ

その釣竿が何号までのPEラインを使うのに適しているかの数値。


※3ギャフ

鉄や、ステンレス製の鉤爪の様な形で、釣った魚に引っ掛けて陸地へと引き上げるのに使う。

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