表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
釣りと幻想の物語〜僕の異世界冒険釣行〜  作者: 久保田akkun
第四章 南方黄鉄の坑道〜タイタニアード編
75/191

ドワーフ料理店フェイネッツ亭[ヴォルケーノピジョンのブイヨンスープ][エクステンドクレムブレッド]

ライドンは、慣れた様に店内に入って行くと、調理場から一番近い席にドン!と座った。


「ほれぇ!ミカミ夫妻とハスキーも、こっちに来て座らんかぁ!」


「は、はいっ!」


圧倒されつつリュー達が席に着くと、ライドンは、厨房の方に向かって注文を言った。


「ボウズ!フェイネッツセットを四つと、ハスキー用にヴォルケーノピジョングリルを一つ頼むぞぉ!」


ライドンが勝手気ままに注文すると、厨房の方からヌッ!っと顔を出したドワーフが、溜息をつきながら言った。


「ライドンのオヤジ…、俺はもう40才だぜ?いい加減ボウズはやめてくれよ。

あと、勝手に席に座るのもやめてくれ、それと、注文はウェイトレスにしてくれって言ってんだろ…。」


「バッハッハ!!固い事を言うな!それにいつまで経っても、[グラッド]は、儂の中ではボウズだからな!!」


グラッドと呼ばれたドワーフは「オヤジには敵わないな…。」と、苦笑いすると、厨房の方へと引っ込んで行った。


「ところで、お前達は何処から旅をして来たんだぁ?」


ライドンが不意に聞いてきたので、シルカが説明をする。


「私達は、フェノールから来ました。

一年かけてエルノーラ大陸を一周しながら釣りと観光をする旅をしています。」


「…と、言うと、レイウインドも通って来たんだなぁ?あそこの町長の馬鹿息子が幅を利かせていて大変だったろう?

レイウインドとは交流があったんだがなぁ、あの馬鹿息子がヴォライアンの商品にとてつもない税金を掛けると言われてから交流を断っていたんだぁ。」


ライドンは、手を左右に広がって首を振りながら言った。


「あぁ、確かにグリフは粗暴なヤツでしたが、最終的には良いヒューマンになったと思いますよ?今ならレイウインドと交易しても大丈夫だと思います。」


リューが、レイウインドであった事をライドンに簡単に説明すると、「あの馬鹿息子をなぁ、お前さんは凄いヤツだなぁ!」と、リューの事を見ながら言った。


そんな話しをしていると、最初の一品目がやって来た。


「ほら、ライドンのオヤジの好物の[ヴォルケーノピジョンのブイヨンスープ]だぜ!!」


「おぉ!待ってたぞぉ!」


グラッドがそれぞれの前にスープを配膳すると、リューの耳元でボソっと囁いた。


「…この爺さん、5年前に息子夫婦を落盤事故で亡くしてから、少し寂しそうなんだ。

孫とじゃ話せない事もあるだろうし、少し話相手になってくれると助かるよ。」


そう言うと、リューにウインクして厨房に戻って行った。


「さぁて!食べるとするかぁ!」


と、ライドンがスプーンをスープに入れ、ふとリュー達の方を見てみると、リューとシルカが手を合わせている。


「「いただきます!」」


「ん?フェノールでは、食べる前にそう言う挨拶をするのかぁ?」


シルカは、首を左右に振って言った。


「これは、リューの住んでいた国での作法で、食べる前に食材に感謝する挨拶ですよ。」


「それで、いただきます…か。

…うむ!いいな!気に入ったぞぉ!今日から儂も言わせて貰う!では、いただきます!!」


ライドンが一口スープを啜ると、ホクホクとした顔になって次々とスープを口へ運んで行く。


「うむぅ、相変わらず美味いな!…ほれ、お前さん達も早く飲んでみろぉ!」


ライドンに急かされたリューが、スープを飲んでみる。


「…うーん!この透き通ったスープに、重厚な鳥の出汁を感じる…。

だけど後味が良くて何度も口に運びたくなる美味さ!香味野菜がヴォルケーノピジョンって鳥の旨味を引き立てて、更に臭みを抑えているね!うん、これは美味いっ!」


そして、ウインドウの新しいスキルを確認すると、遂にリューが欲しがっていたスキルに近いものが発現していた。



スキル[滑空(グライド)]NEW!!


ヴォルケーノピジョンが火山周辺を旋回する様を模したスキル。

スキル[飛翔(フライト)]の下位スキルではあるが、(ムササビ)の様に滑空したりする事が出来る。



リューは、内心踊り出したい気持ちになったが、食事中だったので、自身を落ち着かせて食事に戻った。

リューがハイテンションでウキウキしていると、遂にハスキーの目の前にもヴォルケーノピジョンのグリルが置かれ、ハスキーはハスキーで、目をキラキラさせてハイテンションになっていた。


「わ、わふっ!(い、いっただきまっす!)」


鶏よりもやや大きいヴォルケーノピジョンのグリルに食らいつくと、ハスキーも幸せを噛み締めているようだ。


「さぁ!次はヴォライアン特製の石釜で焼き上げた[エクステンドクレムブレッド]だ!」


リュー達の目の前に置かれたパンは、焼きたてのコッペパンに近いパンに切れ込みが入れてあり、そこに蕩けているエクステンドクレムという何かと、燻製のヴォルケーノピジョンの胸肉のスライスがふんだんに挟まっていた。

目を閉じて、匂いをクンクンと嗅いでいたリューが、急に目を見開くと、エクステンドクレムブレッドを掴んで齧り取った。


「うっお!やっぱりこれはチーズに近い物だ!このコクと香り!…懐かしく、そして変わらず美味いなぁ…。」


この食材でも新たなスキルが発現した様だ。



スキル[消化促進]NEW!!


エルノーラ南部に住む水牛型モンスター[サウスエルノーラバッファロウ]の胃が四つある消化能力を模したスキル。

エネルギーを効率良く吸収し、腹持ちを良くする。



シルカは、引っ張っても伸びていくエクステンドクレムに四苦八苦しながら口に含むと、途端に笑顔になった。


「伸びるよ、何これ!?初めて食べたけど、まろやかで燻製された鳥肉と合って美味しいねっ!!」


笑顔で食べるリュー達に、ライドンは満足気である。

その時、バン!!と店のドアが開いてラビが帰って来た。


「あぁ〜、もう食べ始めちゃってる!あたしも食べる〜!」


ラビは、シルカの横に座ると、もの凄い勢いで食べ始めたのだった。

ヴォルケーノピジョンについて。

ヴォルケーノ=火山

ピジョン=鳩

で、直和訳すれば火山鳩ですね。

イメージとしては雉に近いでしょうか。


エクステンドクレムについて。

エクステンド=伸びる

クレム=英語でクリーム

伸びるクリームでチーズのイメージの食べ物となります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ