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釣りと幻想の物語〜僕の異世界冒険釣行〜  作者: 久保田akkun
第四章 南方黄鉄の坑道〜タイタニアード編
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ドワーフ少女?ラビとの出会い

紅葉の綺麗だった山道を抜け、山肌のゴツゴツした道をリュー達が歩いて行くと、急に切り立った崖になっており、そこには脆そうな20mくらいの木の吊り橋が掛かっていた。


「…シルカさん、あのー、違う道ないっすかね?」


リューは青ざめた顔で、シルカに問う。


「リューって、集団に取り囲まれても平然としてるのに、こういうのはダメだよね。」


「いや、僕は良いんだよ、でもシルカとハスキーにもしもの事があったら…。」


言い訳をそこまで言いかけた所で、シルカがスキル[飛翔(フライト)]で宙に浮き上がった。


「……うん、シルカずるい!僕も飛びたい!」


いつものシルカのセリフを、今日はリューが放つのだった。

何も恐れずに、既に向こう側へと渡っているハスキーは、早く!と、リューを急かす。


「い、行くしかないよな…!」


リューが、一歩足を踏み出すと、脆そうな木の吊り橋はギシギシと軋みまるで心許ない。


「…ハァ…ハァ…。」


山を登っている時よりも汗だくなリューが、前を見ると、向こう側でシルカとハスキーが手を振って既に待っている。


ギシッ…!ギシッ…!メキィ…バキッ!


…横に張られている縄を掴んでいたので大丈夫だったが、踏み抜いた足元の一枚の木の踏み板が、谷底へとフワっと消えて行く。

下を見ないようにしていたリューも、不意に下を見てしまい、顔面蒼白になっている。

吊り橋の中程まで歩いた時にシルカが叫び出した。


「り、リュー!!は、早く!早く渡って!こっちの縄がほつれて来て切れちゃいそう!!」


リューの顔は、青色を通り越して白くなっており、その場で意識が遠のいてしまいそうになるが、自身を奮い立たせ、なるべく早く慎重に吊り橋を渡って行く。


「わ、わふっ!(や、やばいぞ御主人!)


ミチィ…ミチィ!


後5m程なのだが、リューから見て左側の縄が、今にも切れてしまいそうだ。

リューが次の一歩を踏み出した時、限界まで耐えてくれていた縄が遂に切れてしまった。


バッツン!!


「…っ!うわぁぁぁぁっ!!」


リューは身を竦めたが、何故か落ちない。


「…え?あれっ?」


切れた筈の縄を見てみると、筋肉質で身長130cm程の小柄な女の子がいて、欠伸をしながら片手で縄を掴んでいた。


「…ほ〜ら、今のうちに渡っちゃいなよ〜。」


その言葉にリューは安堵し、前にぺちゃんと倒れ込むと、ゴキブリの様に高速の匍匐(ほふく)前進で吊り橋の向こう側へとたどり着いた。


「…ハァハァ!!あ、ありがとう君は命の恩人だよ…。」


「リューを助けてくれて、ありがとうございます!!」


「わふっ!(ありがとう、お姉ちゃん!)」


リュー達は、口々にその女の子に御礼を言った。


「いいよぉ〜、もうこの橋も作ってから50年くらい経ってるらしいし、物作りだけが自慢のドワーフの作った物が壊れて死なれちゃっても夢見が悪いしさ〜。」


女の子は、ニッカリと笑いながら言った。


「ド、ドワーフの方なんですか?」


リューが目をキラキラさせて聞いてみると、その女の子は、手を上げて自己紹介してくれた。


「はぁ〜い、あたし、この先の南方黄鉄の坑道に住んで仕事してるドワーフで、[ラビ]って名前だよ〜!24才、カッコいい旦那募集中〜!」


リューは心の中で「ええっ!この見た目で年上かよ!?」とツッコミを入れたが、そこは失礼なので黙っておいた。


「ご丁寧にありがとうございます!

僕は、海上流視、リューって呼んで下さい。

こちらは僕の妻でシルカ=セラ=ミカミ、こっちのハウリングウルフが僕の従魔でハスキーって名前です。」


シルカはペコリと頭を下げて、再び名乗った。


「シルカです!本当に助かりました、ありがとうございます!」


「いいよぉ〜困った時はお互い様だし〜、シルカちゃんだね、よろしく〜。」


ハスキーは、ラビの足元でワンコスマイルで跳ねまわっている。


「わふっ!(ハスキーだよ!お姉ちゃん凄い力持ちだね!)」


「フフフ〜!ありがとうハスキーちゃん!

ドワーフは基本的に力が強いからね〜。」


リューは、えっ?…と、思いながら聞いてみた。


「え、ラビさん、ハスキーが言ってる事が分かるんですか?」


リューが問うと、ラビは、笑いながら言った。


「ラビって呼び捨てで良いよ〜。

…うーん、リューちん達は、悪いヤツじゃなさそうだから、言っても大丈夫かな〜?」


ラビは、少し悩むと、リュー達に自身のスキルの事を話し始めた。


「実はあたしさ〜、元神の地底神ハバキの子なんだよね〜。

そのユニークスキル[地底神ハバキの地祇(ちぎ)]は、地に住む物の意思を感じ取る事が出来るんだよ〜。」


リューは、成る程!…と納得したが、シルカはラビが悪神であるとされているハバキの子だと言う事に少し警戒したようで、ショートソードに手を掛けたが、それ見たリューがシルカを諭した。


「シルカ、肩書きで全て判断しちゃダメだよ、そのラビに僕は命を助けて貰ったんだよ?それは揺るがない事実なんだ。」


その言葉に、シルカもハッ!っとして、剣から手を離すと、ラビに頭を下げた。


「ご、ごめんなさい…。」


ラビは、ニッカリ笑うと、「いつもの事だから〜。」と、シルカを許した。


「そんで、リューちん達は、何処に行こうとしてるの?」


ラビの問いにリューが答える。


「エルノーラの南部に出たいんですが、お住まいである南方黄鉄の坑道を通らせて貰っても良いですか?」


ラビは、変わらずニッカリ笑うと、手を上げて言う。


「そうなんだ〜!じゃあじゃあ、あたしが南方黄鉄の坑道を抜けるまで案内してあげるよ〜!!」


「え、良いんですか?」


「うん〜!」


その言葉に、リューもニコッと笑って頭を下げると、御礼を言う。


「何から何までありがとうございます!では、お願いします!!」


そう言うと、「出発進行〜!」と、笑顔で言うラビの先導に付いて行ったのだった。


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