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釣りと幻想の物語〜僕の異世界冒険釣行〜  作者: 久保田akkun
第三章 怒りのレイウインド編
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パーティーinタックル便利〜シルカ日本のお菓子に舌鼓〜

「そろそろ二十一時くらいかな?」


桜の木のウロの前に作った焚き火に枯れ木を放り投げながらリューは言った。


パチン!と弾ける焚き木に目を細めながら、シルカが立ち上がると、リューの腕を引っ張って立ち上がらせた。


「遅くなっちゃったら悪いし、早目に行っておこうよ。」


そう言って、シルカがリューを急かす。

リューの腕には、安物の腕時計が着けてあるが、安物だけあって防水性が弱く、海に落ちた時に壊れてしまっていた。

夜の時間は天体の位置でしか把握できないのだが、それも異世界の天体であるので、〜〜〜座とかをリューが勝手に名前を付けて呼んでいるだけの曖昧なものだ。


「そうだね、ハスキー!タックル便利に行くから起きろー!」


「…わふ。(…はーい。)」


昼寝と言うか、夕寝をしていたハスキーを起こすと、リューはタックル便利の扉を召喚した。

リューは、手土産であるサウスエルノーラトリュフをマジックタックルボックスから取り出すと、半分に割って自分達の分と分けてから、タックル便利への扉を開く。

南の夜空には、リューが勝手に名付けたアンモナイト座が浮かんでいた。


…。


店内の時計を見ると、二十時半を回ったくらいだった。


「いらっしゃいませぇー!」


皆木さんは、相変わらずニコニコとリュー達を迎えてくれた。


「少し早かったかな?仕事が終わるまで、店内をブラブラしているから、僕等に気にせず閉店業務してて下さい。」


「はーい!」


そう言うと、皆木さんは業務に集中し始めたので、リューは、ハスキーを抱っこしながら、シルカと店内を回って、色々な釣具を説明してあげていた。


暫くすると、店長が奥から出てきて店のシャッターを閉めるとリュー達に言った。


「おっし、閉店だ!日報も書いたし、やる事も終わった!さぁ、ちょっとした立食パーティーでもすっか!」


店長は、中古用品の買い取りカウンターに、1.5ℓペットボトルのジュースを2本と、色々なお菓子をドン!と、置いた。

その透明で薄い材質のペットボトルをシルカが不思議そうに見ている。


「シルカちゃんだっけか?クックコーラと、オレンジジュースがあるけど、どっちがいい?」


店長がそう問うと、シルカは訳が分からず、リューの方を見てアワアワしている。


「シルカは、エールみたいなシュワシュワな飲み物は大丈夫?」


「大丈夫だけど…、お酒なの?」


「いや、シュワシュワなジュースが、このクックコーラって飲み物で、果物を絞ったジュースがこのオレンジジュースだよ。」


リューが指差して説明すると、シルカは、どうせならこっちの世界らしい飲み物が良かったのか、恐る恐るクックコーラの方を指差した。

店長は頷いて紙コップにクックコーラを注いでシルカに手渡すと、人数分コーラを注ぎ、それぞれに手渡した。

ハスキーには、こちらの世界の最高級のワンコ用の缶詰めを店長が紙皿に乗せて渡すと、いただきます!と言って、無我夢中で食べ出した。


「じゃあ、異世界で頑張る海上と、シルカちゃんの結婚を祝して…カンパーイ!!」


「「カンパーイ!!」」


リューと、皆木さんが続けて言いながら紙コップを合わせるのを見て、シルカも遅れながら紙コップを突き出しながら言う。


「か、かんぱ〜い?」


そのシルカのコップに、リュー、皆木さん、店長がコップを合わせてニコっと笑うと、シルカは嬉しそうな顔になった。

そのシルカからしたら黒い謎の飲み物に、ドキドキしながら口をつけると、ビクッ!!…と、しながらも一口飲んだ。


「…ふぁぁぁ!なんかシュワシュワで、甘くて美味しい!…リジュワルドじゃ、こんな飲み物は見た事を聞いた事もないよ。

リューは、こっちの世界で、こんな美味しい飲み物を飲んでたんだね?」


若干シルカに睨まれた気がする…。

まぁ、恒例の「リューばっかりズルイ!!」…が無いのは、今実際に飲んでいるからだろうか?

その視線から逃れる様に、リューは、店長への手土産を渡す。


「ほら、店長さん!向こうの世界で、こんなのを手に入れましたよ!」


リューがサウスエルノーラトリュフを取り出すと、店長がリューの手元へと駆け寄り、ジーッと見ている。


「…こりゃ、西洋松露か?和製トリュフとは違う、ガチもんのトリュフっぽくないか?」


そう言うが、いかんせん異世界で取れた物なので、似ていても違うだろう。


「いや、これはサウスエルノーラトリュフって言うらしいですよ?

もしかしたら、こっちの松露より、本物のトリュフに近いのかもしれませんが、僕は本物のトリュフを食べた事ないから分からないですね。」


店長は、ククク…、と不気味に笑うと、サウスエルノーラトリュフを手の中で愛でていて、何か怖い。


「うん、まぁ店長は放っておいて、シルカさん、こっちのお菓子でも食べてみませんかぁ?」


皆木さんはそう言うと、お菓子を数点開封して、シルカの方に向けた。

シルカは、その中のチョコレート菓子、タケノコの葛藤を一つ摘み、いただきます。と言って口に入れると、再びニコニコとした顔になり皆木さんに言った。


「うーん、甘くて、サクサクしてるね!この茶色い部分が口の中で蕩けてね、とっても美味しいよぉ!!」


皆木さんも慣れたもので、色々とシルカに勧めては、シルカの笑顔を引き出して、自身もニコニコしている。


「…で、海上、向こうではどんな魚がいるんだ?」


サウスエルノーラトリュフの虜となっていた店長が、その誘惑を振り切ってリューに聞いてきた。


「そうですねー、一番最初に釣ったのは、電撃を放つ回遊魚でしたねぇ。」


リューは、色々と思い出しながら、釣った魚の事や、シルカとの出会いの事、フェノールの町の人々の優しさの事、グランさんとのパウスベスティア漁や、グリフとの対決と和解した事などを話し始めた。


…。


「この短期間で、色々あったんですねぇ。」


皆木さんがウンウンと首を傾げながらそう言う。

店長は、九絵の味に似ているというヘイルボルグに興味津々だった。

リューが、ふとシルカの方を見てみると、アッパーエビセンの袋を抱えながら、中古用品買い取りカウンターに背をもたれかけて、ウトウトとしてしまっている。

時計を見てみると、時刻は0時になろうか、という所だったので、そろそろ引き上げる事にした。


「いや、遅くまですみません、シルカももう眠いみたいなんで、そろそろ帰りますね。」


「…面白い話しをありがとうな。

また、こういう場を設けるから、その時には面白い話しを聞かせてくれ。」


リューは頷くと、シルカをお姫様抱っこで、抱え上げて店の扉へと歩き出した。


「今日は、ご馳走さまでした。

では、おやすみなさい。」


リューがそう言うと、皆木さんが追いかけてきて、お菓子とジュースを詰めた袋をシルカのお腹の上に置いた。


「向こうでシルカさんにあげて下さいねぇ。」


「うんありがとう皆木さん、おやすみなさい。」


リューは頭をペコリと下げて、扉からリジュワルドへと帰って行った。


それを見送ると、ボソッと独り言を言う。


「良いなぁ…、私にも新しい王子様が早く現れないかなぁ。」


それを聞いた店長がキメ顔をしていたが、至って普通にスルーされてしまったと言う。

ハスキーの名前の由来と見た目。


名前…、これはまんまですね笑

双角が生えているという設定ですが、ハスキー子犬に多い白い眉毛のやや斜め上にチョコっと生えていると思っていただければ良いかと思います。

大人になるにつれて鋭利にカッコ良く成長していきます。


この話に出てくるお菓子、ジュースの話。


勝手に本当の名前を書くのはダメだと思い、色々もじって付けてます。


クックコーラ…作り出されたコーラという意味で名付けたけれど、どうにも某モンスターをハントするゲームの、有名な鳥竜が頭に浮かんでしまいます笑


タケノコの葛藤…有名な某チョコレート菓子ですね。

葛藤とは、対立するという意味なので、某キノコ型チョコレートとの因縁と韻を踏んで、タケノコの葛藤と名付けました笑

因みに、僕はそのどちらでも美味しくいただける人です笑


アッパーエビセン…これも韻を踏んで付けただけで、元気に海底をエビが飛び跳ねるイメージですね。

シルカが、これを抱えて寝てしまいましたが、きっとやめられなくなり、止まらなくなってしまったんでしょう笑

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