美味しく食べマスター
包丁とまな板、更に皆木さんの好意で、まさかの醤油までゲットしたリュー。
「やった!刺身が醤油で食べれるぞ!」
…と、再びタイドプールに沈めておいたエファレンツァーをテンション高く取り出してきた。
それを滝の横で組み立てておいたバーベキューコンロ(約30×50くらいの小さなサイズに、腰より少し低い位置まで取り付け式の脚が付いた物)の上にまな板をおき、エファレンツァーの鱗を出刃包丁で落とし始めた。
ガリガリと、鱗が残らない様に丁寧にとり、横の滝でエファレンツァーの鱗と、まな板を洗い流す。
次にエファレンツァーの頭を落とし、内臓を出す。
内臓は、この魚の知識が無く、万が一中毒を起こしても怖いので、今回は捨てる事とした。
エファレンツァーを三枚に卸し、中骨を取って皮を引く。
そして取り出した柳刃包丁で刺身に切り分け、手慣れた感じで紙皿に刺身となったエファレンツァーを盛り付けて行く。
「できた!」
僕は、まな板と包丁を滝で洗い流し、日の当たる場所で乾かしつつ、刺身を食べる事にした。
「いっただっきます!」
紙皿に醤油を垂らし、ワサビは…バーベキューセットにあるわけないよな…と、少し悲しみつつも、エファレンツァーの刺身を一切れ箸で摘み、醤油に付け、恐る恐る口の中に放り込んで咀嚼する。
「…ん?…んん!?うっまぁ!」
青魚特有の匂いが多少するものの、血抜きをしっかりしたからか、気になる程は血生臭くはなく、元の世界の鮭の身のような食感と、脂があまり乗ってない鯖の様な味がする。
しかしなんというか、噛む程に味の深みが広がって、元気になりそうな味わいがする。
「初異世界魚は当たりの部類かな?
腹減ってるし、全部食べちゃおう!」
リューは、美味い美味いと言いながら、60cm近い魚の刺身を、ペロリと丸々一匹平らげてしまった。
「フゥー!美味かったぁ!」
リューは満足気には、お腹をポンポンと叩くと、またしても不意にウィンドウが開いた。
「お、今度はなんだ?」
二度目の事なので、リューは驚かずにウィンドウを覗き込んでみると。
ユニークスキル[スキル奪取]NEW!!
生物を食事として体内に取り込む事で、その生物の特性や、得意技をスキルとして所得する事が出来るスキル。
海神から一言
「お、僕のギフトが発現したね!
この世界は、自分だけのユニークスキルを持つ特殊な人達がいて、色々な方面で活躍したりしてるんだ。
このスキルは、リューだけが持っている固有のスキルだよ!上手く活用してね〜。」
「おぉ!?ユニークスキルなんてものがあるのか!
しかも[スキル奪取]とか、チート並みのスキルじゃん!」
「やった!」と、リューは喜んで、またウィンドウを覗き込んだ。
スキル[ボルトショック]NEW!!
自分を中心に3〜4mに電撃を放つ。
自身の魔力増加により、範囲、威力共に操作したり出来る様になっていく。
スキル[電撃耐性(小)]NEW!!
相手からの電撃の効果を抑える。
レベルアップに伴い、効果(小)→(中)→(大)→(特大)→(無効)→(吸収)と効果が増加していくスキル。
「一度に二つ!?
これは、凄いユニークスキルをゲットしてしまったな…。」
…と、リューはニヤリと笑うのでした。
主人公、海上 流視のプロフィール。
身長…170cm(と、本人はいっているが、実際は169.5cm)
体重…62kg
年齢…23才
仕事…高校卒業後、プログラマー専門学校を経てウェブデザイナーに、本人曰く珍しい程のホワイト企業。
肌色…釣り人らしく、日に焼け、少し黒め。
髪型…サイドだけ刈ってあるツーブロック、トップもそんなに長くはない。
ファッション…下着の上に、防蚊効果のある黒のロングタイツ上下、その上にSHIMADOのメーカーロゴが付いた青いTVシャツと、ノーブランドの迷彩柄のハーフパンツ、靴はSHIMADOの磯用フェルトスパイク仕様のブーツ、ライフジャケットもSHIMADOの黒に、所々黄色の柄が入った物を着けている。
帽子は、波に飲まれた時に紛失した。
性格…基本的にお調子者、しかし引き締めるべき所では、周りの人もびっくりな真面目さと集中力を発揮する。
性悪説を信じていて、人間は産まれながらに悪だと思っているが、どれだけ善になろうと出来るかで人間の価値は決まると思っている。
仕事の日は終わったらアニメを見て、休みの日は釣りに行くというわかりやすい趣味の人。
釣りの後に様々なラーメン屋に立ち寄るのが好きで、最近のトレンドは湘南淡麗系ラーメンの塩ラーメン。
こんな感じです。