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釣りと幻想の物語〜僕の異世界冒険釣行〜  作者: 久保田akkun
第三章 怒りのレイウインド編
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衝撃の初ワサビ

リジュワルドに戻って来たリュー達は、サーフから足場の安定した場所に移動し、早速ロザロスタックの調理に取り掛かった。

近くには海に流れ込む小さな小川があるので、調理用品の洗浄や、鱗や内臓を洗い流すのにも丁度良いだろう。


「さぁ!取り敢えず、基本の三枚卸しにするんだけれど、フラットフィッシュは卸し方が特殊だし、何せ巨大だから慎重にやってくよ!!」


リューは、まな板を使わずに、近くにあった腰程の高さがある岩にロザロスタックをドン!!と乗せると、鱗を包丁でガリガリと落とし始めた。


足元を飛び散る鱗に、ハスキーがジャレついており、とても可愛いのだが危ないので、シルカに抱っこしていてもらう。


鱗を落としたロザロスタックを、小川でザブっと洗い流す。

それから腹を裂き、内臓を取り出して小川に投げると、待ってました!!とばかりに、海鳥と小川の魚達が群がって、あっという間になくなってしまった。


「フラットフィッシュは、この特徴的な平べったい形だから横にして三枚卸しするのには向いてない。

だから背中側から中骨に沿って包丁を入れていくんだ!!」


リューは、シルカに説明しながら、背ビレの横から包丁を入れていく。


「うわっ!!この段階で、既に包丁に脂が凄い付いているぞ!?

異世界魚図鑑どおり、脂のノリは、かなり期待してもいいかもしれないね!」


リューが、そう言いながら頭側から尻尾まで包丁を入れるて片側の身を切り離すと、シルカとハスキーが目をキラキラさせていた。


「早く食べたいね!ハスキー!」


「わふっ!(うんっ!)」


反対側も同様に卸すと、肋骨をすき取り、血合い骨を切り取って、後は刺身に切り分けるだけの状態のサク状態にすると、まな板に乗るサイズに切り分けた。


「刺身にする時は、まな板でやらないと衛生的にも、作り難さ的にも良くないからね。」


そう言いながら、まな板で皮を引いて刺身にしていく。

紙皿にモリモリに盛り付けたが、切り身の1/8程度で紙皿に乗り切らない量が取れた。

調理に使った器具を小川で洗い終わって水を切ると、リューは、シルカとハスキーに言った。


「さぁ、調理用品と残りの半身はマジックタックルボックスに仕舞って、この刺身と残りのサクは、皆木さんと、店長さんにあげよう!!


「うん!」


「わふっ!(はいっ!)」


リューは、タックル便利を召喚すると、再びタックル便利へと向かった。


…。


タックル便利の店内に入ると、皆木さんと、店長さんが、山葵(ワサビ)と箸を持って待ち構えていた。


「…そいつが、異世界の高級魚か…、海上、良い仕事してんな。」


店長は、箸を構えたまま、座ってカッコいいポーズをとった。

皆木さんも、その背後で山葵と箸を構えて、カッコいいポーズをしているが、店長にやらされているのか、真っ赤な顔でプルプルして恥ずかしそうである。


「店長さん、相変わらずファンキーなのか、寡黙なのかわからないっすね…。」


元々、店長とは皆木さんと知り合う前からの釣り友達なので、リューにはフランクに接してくる。


「取り敢えず、刺身を食わせてくれたって良いんだぜ?」


店長にそう言われて、刺身の乗った紙皿を、店長に渡すと、箸で摘み上げて、その身をゆっくりと見回した。


「白身の魚なのに、サシが入ってるな、脂分が多くて身が白く濁った様に見える。

冬場の脂が乗りまくった寒鰤(カンブリ)の腹身みたいな質感だ、では、いただきます。」


店長は、山葵を溶いた醤油にロザロスタックの刺身をチョンと着けると、醤油に脂の膜がパッ!…と、広がり、その脂のノリの良さを物語っている。

店長が口に刺身を運ぶと、カッ!っと目を見開いた。


「なんだ!この歯応えは!!

この脂のノリ方の魚じゃあり得ない、伊勢海老の刺身の様なプリプリとした舌触りと歯触りがして、噛み締めると、一噛み毎に甘い脂が溢れ出してくるぞ…!!

こいつは美味い!皆木も食ってみろ!」


皆木さんも、その様子見て、ゴクリ…!と、唾を飲み込むと、ロザロスタックの刺身を食べてみた。


…皆木さんが、口に刺身を含んで一噛みすると、足をバタバタと地団駄を踏みながら言った。


「ん〜〜〜っ!!何このお刺身!!新しい感じの刺身ですぅ!!

コチ系の歯応えある食感と味がして、大トロみたいな濃厚な脂が溢れ出してくるんですぅ!!

今までの人生で一番美味しいっ!!」


二人が悶絶していると、シルカが山葵の入ったチューブが気になった様で、手に取って一頻り眺めた後に、匂いを嗅いで悶絶した。


「ッ〜〜〜!!………り、りゅー!!なにこれぇ!!

ふぇぇ、どくかもしれないぃぃ!!」


シルカは鼻を抑えながら、涙目でリューに訴える。

リュー、皆木さん、店長は笑いながら山葵を溶いた醤油の小皿をシルカに手渡すと、皆木さんが説明した。


「シルカさん、これは山葵って植物の根っこをすりおろした調味料で、お刺身につけるととっても美味しいんですよぉ?」


シルカの潤んだ目をリューが拭ってあげると、シルカは涙目で山葵醤油を警戒しながら嗅いでみた。


「あれっ?さっきのはツーンと鼻に沁みたけど、醤油に爽やかな匂いが足されて美味しそう!!」


皆木さんは、自分の使っていた箸をシルカに渡すと、シルカは皆木さんにペコリと頭を下げながら言った。


「皆木さん、ありがとう!!いただきます。」


シルカが山葵醤油にロザロスタックの刺身を着けてパクっと口に含む。


「………………!!

この少しツーンとする爽やかな醤油と、プリプリとしたお刺身が、合って美味しいねぇ!!

まろやかな旨味とコクが広がって…うん、美味しいよぉ…!!」


シルカの顔が赤く染まって微笑むと、リューがその表情に釘付けになった。

それを見て、皆木さんが苦笑いしながら言う。


「まったくぅ、シルカさんには敵わないなぁ。

そんな顔を見せつけられられたら、海上さんが惚れ込んじゃうのも分かりますねぇ。」


「見た目だけじゃなくて、シルカの心の部分まで、僕は大好きだよ?」


リューがそう言うと、シルカがより真っ赤になって、リューの背中をバン!!と叩いて言う。


「…こんな所でテレちゃう事を言わないでよ…。」


皆木さんは、微笑ましくそれを見ている。


「ま、皆木には俺がいるからな!」


そう店長が言うと、皆木さんは更に苦笑いしながら言った。


「いやぁ、店長とは無いですねぇ。」


皆木さんに、速殺でフラれて落ち込む店長を、リューが肩を抱いて慰めたという。

昨日は更新出来ず申し訳ありませんでした!

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