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釣りと幻想の物語〜僕の異世界冒険釣行〜  作者: 久保田akkun
第三章 怒りのレイウインド編
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メーターオーバーの魚は気が狂う程の衝撃

リューは、レイウインドから少し歩いて辿り着いた広大な砂浜に向かって、ルアーをフルキャストして叫んだ!!


「んんー!きんもちいぃーーー!!」


リューの地元の海岸は、ショアジギングの有名なポイントなので、こんなに誰にも遠慮する事も無く、サーフの釣りが出来るなんて久しぶりの事だった。

点在する根や、潮目(※1)、それに離岸流(※2)と言った好ポイント全てを、リューと、シルカが独占している。


「ねぇ、リュー、こういう所では、どんな魚が釣れるんだろう?」


シルカは、サーフでの釣りが初めてなので、リューに聞いてみる。


「うーん、考えれるのは、エファレンツァーみたいな、回遊魚系の青物とか、元の世界で言う所のフラットフィッシュ系(※3)がメインになると思うな!!」


リューがザックリと説明するが、シルカはよくわからないようだ。


「とりあえず、釣り上げれば良いの…よねっ!!」


と、シルカもフローティングミノーをキャストして、グリグリと早巻きでリールを回している。


リューは、回遊魚と、フラットフィッシュ系の魚の両方の可能性を考えて、メタルジグを投げている。


「一旦海底まで沈めて、連続ワンピッチジャーク(※4)をして、またフリーフォールで沈めて…と!」


リューは、広範囲を表層から海底までしっかり誘いながらメタルジグを巻いてくる。

横に歩きながらキャストしていると、大きな離岸流があったので、そのエッジを狙ってキャストしてみる。


先程と同じく海底まで沈めて、ワンピッチジャークを10回程入れてまた沈めていく。


再び海底に着くかな?…と、いった所で、沈めているルアーとラインが不意に止まった。


「んん!?…もしかして…!!」


リューは急いでラインのたるみを巻き取り、グン!!と、フッキングを入れた!!


その瞬間、リューの平鱸用のロッドが満月状態にまで曲がり、グングン!と、魚が頭を振ってルアーを外そうとする引きが伝わった!


「な、なんだこいつ!重いし、引くし、なんて走り方をしてんだよ!」


ジリジリジリジリジリジリジリ…!!


平鱸に主導権を渡さない様なセッティングにしてあるリューのリールのドラグ(※5)が、音を立ててラインを放出していく。


「こ、こいつはヤバいぞ!!平鱸の90cmオーバーよりエゲツない引きをしてるッッッ!!」


リューは、魚のタイミングに合わせて、ポンピング(※6)で魚を寄せて来るが、直ぐにまた走り出し、ドラグを唸らせる。


ジリジリジリジリジリジリ…!!


「…くっ!!」


「り、リュー!!頑張って!!」


「わふっ!!(御主人なら絶対に大丈夫だから頑張れ!!)」


シルカと、ハスキーが応援してくれているが、ドラグが鳴り止む様子が無い。


リューが、リールを見てみると、200m巻いてあるPEラインが後僅かしか無く、このままだと、ラインを全て持って行かれてしまう!!


「!!…このままじゃダメだ!!少しだけ、ドラグを締めて勝負に出るぞ!!」


リューは、リールの上部に付いているドラグを、ラインが耐えれるか、耐えれないかのギリギリまで締めると、釣竿を魚が走っている方向と逆に釣竿を引き寄せて魚を止めた。


「…っよし!今だ!!」


リューは再びポンピングで魚を寄せてくる。

時折魚が走り出して逃げようとするが、自身もサーフを走って、ラインへの力をいなし、再びポンピングで寄せてくる。


「はぁ…はぁ…!…後…少しっ!!」


ここまで来てバラしたりしたくないので、波や、流れにも気を配りながら、リューは慎重に魚をブレイク(※7)まで巻き上げて来た。


「後は、ランディングのタイミングだ!!

波に乗せて、こいつをずり上げるぞ!

シルカ、このフィッシュグリップで魚の下顎を掴んでくれ!!」


「う、うん!!わかった!!頑張るっ!!」


リューは、シルカにフィッシュグリップを手渡すと、打ち寄せる波を選んで、リールを巻きとった!!

波が来るのと同時に魚もこちらへと来たが、最後に大暴れすると、掛かっていた針が魚の力に負けて曲がってしまい、抜けてしまった!!


「あぁっ!!抜けたっ!!」


その瞬間にシルカが叫ぶ!


[飛翔(フライト)]っ!!」


シルカは、引き返す波に乗って逃げようとする、その魚の頭を踏みつけ、エラにフィッシュグリップを突っ込んで、無理矢理サーフに引っ張り上げた!!


「逃げられちゃうかと思ったよ…。

あ、あぶなかったぁ…!!」


シルカが砂まみれで、ペタンとサーフに座り込んだ。


「あ、ありがとう!!シルカのおかげで何とか取れたよ!!本当に助かった!!」


そのリューの言葉に、シルカは良い顔でサムズアップした!


釣り上げた魚を見てみると、サイズは目算で120cmを超えている。

形的にはフラットフィッシュである、真鯒(マゴチ)に似た体型ではあるが、質感は深海魚の薔薇魚坴(バラムツ)を上から叩いて少し平べったくした感じだろうか?

そのザラザラとした鱗のせいで、リューのルアー周辺のラインは切れる寸前であり、いつ逃げられてしまっていてもおかしくなかった。


「よ、よかった…。」


リューもシルカと同じくペタンと座り込むと、ハスキーだけがテンション高く跳ね回っている。


「わふっ!!(デカい!なんだこいつ!御主人すげー!!)」


リューは、ハスキーの方を見て、引きつった顔でニヤッと笑いかけた。


そしてウインドウで、魚を確認してみる。


[ロザロスタック]


128cm

LV38


エルノーラ大陸の南岸周辺以南に生息している。

晩春から秋にかけて浅瀬に集まり、小魚を捕食する大型のフラットフィッシュで、同じスタック属の魚で最大種である。

その身は弾力があって味が強く、また強い旨味がある脂が乗っている為、誰もが羨む超高級魚である。


「い、いっひひひひはひひひは!」


リューは、スタック属の最大種であるという説明を見て、テンションが上がり過ぎて訳が分からなくなってしまっている。

釣り人は、最大種という言葉に本当に弱いのだ。

しかも、陸地(ショア)から釣ったリューの最大魚が、平政(ヒラマサ)という魚の105cmだったので、大幅更新であった。


「わふ…。(ご、御主人が壊れた…。)」


「リュー?だ、大丈夫?」


リューは、ハッ!…と、我に返り、シルカとハスキーに、この魚の説明をしてあげた。


「これは…、お刺身かな?」


シルカは、キラキラと目を光らせてリューを見ている。


リューは、ロザロスタックをナイフで締めようとしたが、頭の骨が固過ぎてナイフが入らず苦戦していた。

少し悩んだ所で、最終手段のラープシュグラディウスでロザロスタックの脳天を切ってなんとか締めた。


レベルアップしているので確認してみる。


リュー ヒューマン

ジョブ 釣師(アングラー)

LV31→42

HP381/499

MP300/409

力…188+20

敏捷性…222+50

持久力…219

魔力…231

運…41+20


スキルポイント[110]獲得

合計360ポイント


そのあまりのLVの上がりっぷりにリューは再び壊れた。

そして、そのテンションのまま、タックル便利の扉を召喚すると、ロザロスタックを両手に抱えて突撃して行った。

※1潮目

海流によって出来た目視できる流れの事。

餌である小魚や、大型魚が集まりやすいポイントである。


※2離岸流

海岸に打ち寄せた波が纏まって沖に帰ろうとする流れの事。

その流れの周辺は、少し深くなっており、魚が潜みやすい。

但し、泳いでいる時に離岸流は、要注意!!

もし泳いでも陸地に近づかない様な場合は、離岸流に乗ってしまっている場合があるので、慌てずに陸から横に暫く泳いでから陸地を目指しましょう。


※3フラットフィッシュ

(コチ)類や、平目(ヒラメ)などの平べったい魚の事。


※4ワンピッチジャーク

リールを一回転させる間に、一回ジャークを入れるジャークの基本的な動作の事。

ジャカジャカ巻き等とも言われたりする。


※5ドラグ

リールに付いている機能で、一定以上の力がかかると、オートマティックにラインを放出して、ラインが切れない様にする機能の事。


※6ポンピング

釣竿を持ち上げて魚を寄せて、釣竿を下げてたるんだ分のラインを巻き取る方法、力強く魚を寄せる事が出来るが、慣れない人がやると、魚をバラし易いという説もある。


※7ブレイク

海底のかけあがりの事。

変化が多いので、魚がつきやすい場所でもあり、波が崩れだすポイントでもある。

良くも悪くも注意が必要。

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