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釣りと幻想の物語〜僕の異世界冒険釣行〜  作者: 久保田akkun
第三章 怒りのレイウインド編
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ハウリングウルフの別れの遠吠え

「…おかしいわね、いくら何でもモンスターが少な過ぎる。」


料理の片付けを手伝いながら辺りを見ていたシルカが言った。


「これは少ない方なのかな?この世界の基準がわからないから何とも言えないけど…。

確かに洞窟に入ってからはエンカウントしていないな。」


リューは、プラスチックケースにまとめた調理器具をマジックタックルボックスに仕舞いながらシルカ同様に辺りを見回す。


「うん、少な過ぎると言うか、居ないと言うか、明らかにおかしいわ。」


シルカが首を傾げて不思議そうな顔をしていたが、少し考えて自分の考えをリュー達に話し始めた。


「可能性としては、何者かが此処を通って、全て倒して行ってしまったというのが一つ。

もう一つは圧倒的強者が現れて、モンスターが根城を変えてしまったという可能性もあるね。

もちろん気紛れでモンスター達が違う場所に行ったという可能性も有り得なくはないけれど。」


「圧倒的強者…。」


リューは少し不安になったが、ここで立ち止まっていても仕方ないので、片付けを終えるとシルカとハスキーに言った。


「取り敢えず、危険だと思ったら撤退の方向で進んで行こう、チャンスを探して安全に向こう側に抜けれればそれに越した事はないからね。」


シルカとハスキーが頷く。


リュー達一行は、地底湖をグルリと回り込み、先に続いている通路に進んだ。

少し降った所から登りになっている為か、水溜りのようになっている場所を越えて登って行くが、リューの足に一匹リースゥエルが噛み付いていた。


「こんなとこにもいるのかよ…いてて。」


ラープシュグラディウスの鞘で払うとリースゥエルは、その水溜りの深みへと消えて行った。


暫く歩いていると、急にハスキーがクンクンと匂いを頻繁に嗅ぎ出した。


「どうしたハスキー?」


「…わふっ。(…御主人がリースゥエルに噛まれて出た血の匂いに紛れて、濃い血の匂いがする。)」


「うーん、もう少し歩けば出口なんだけどなぁ…。

どうする、撤退しようか?」


と、シルカが聞いてきたので、リューが答える。


「取り敢えず、僕がさっき手に入れた[隠密(スニーキング)]のスキルで先頭に立とう。

真ん中は変わらずシルカで、最後尾にハスキーで様子を見てみようか、ハスキーはバックアタックを気をつけてくれ。」


「わふっ!(後ろに気を付ければいいんだな!)」


リューはコクリと頷いて、慎重に前へと進んだ。


やがてL字になっている通路を曲がると、地上の光が射し込んできた。


「…うん、大丈夫みたいだな。」


リューは、ハンドサインをして、L字通路の所で待機しているシルカとハスキーを呼び寄せると、洞窟を抜けた。


!!?


洞窟出口にあったのは、風抜けの洞窟内に居たであろうモンスターの死体の山だった。

逆光でよく見えないが、その積み上げた死体の上に鎮座している何かがこちらを見据えている。


「くっ!」


リューは、ヤバい!…と、シルカの前に出て身構えたが、ハスキーが嬉しそうに前に躍り出て言った。


「わふっ!わふ?(あ、兄ィ!これ兄ィがやったのかい?)」


すると、その頂上いた何者かがジャンプして降りて来たので、その姿を見てみる。

元の世界にいたシベリアンハスキーの成犬くらいのサイズで凛々しい顔つきをしたハウリングウルフの若者がいた。


「グルル…。(チビスケよう、お前が旅に出るっていうのを聞いてよ、門出にケチが付いちゃいけねぇからな、俺が掃除しといてやったぞ。)」


「わふ!(流石兄ィだ!一匹でダンジョン一つ制圧しちまうなんて!)」


どうやらフェノールの町で、ハスキーの兄貴分だったハウリングウルフだったようで、ハスキーはその周りを嬉しそうに跳ね回っている。


「ガル…?(あんたが、このチビスケの御主人になったヒューマンなんだろ?…こいつはまだまだヒヨッコだからよ、宜しく頼むぞ。

こいつが腹を空かせないようにしてやってくれよ。)」


と、そのハウリングウルフに言われたのでリューが言った。


「ハスキーは、さっき僕の分までご飯食っていたから腹一杯だろ?」


「わふ…。(うぅ…、御主人、ごめんなさい。)」


「アハハ、逆に御主人が飢えちゃってるくらいだから大丈夫だよ!

ハスキーも見てくれは小さいけど、頑張り屋でカッコいいやつなんだ、頼りになるよ!」


それを聞いていた先輩ハウリングウルフは、凛々しいワンコスマイルをしてハスキーに向かって遠吠えをあげた。


「アオォォォォーン!」


呼応して、ハスキーを遠吠えをあげる。


「アオォォォォーン!」


…ハウリングウルフの別れの挨拶なのだろうか?

二匹の遠吠えは、何度も何度も洞窟出口の山に響き渡った。


とても美しい光景…なのだろうが、目の前のゴブリンやら、よくわからない大きな蜥蜴やらの死体の山で、かなりぶち壊しだな…と、リューとシルカは思ったという。


遂にレイウインド側へと辿り着いたリュー達一行は、新たな旅路に胸を躍らせて、ハスキーの先輩ハウリングウルフと別れを告げたのだった。

先に進む間、山にハウリングウルフの遠吠えは何度も何度も響き渡っていた。

昨夜は頭痛が酷くて寝てしまい、投稿が遅くなって申し訳ありませんでした。

この後、明け方にかけて、あと二本程書けたらいいなと思います。

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